らくご情報寄席あつめ

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  • 日々の落語

    寄席、落語会に出掛けて感じたこと、気づいたことを気ままに書き留めていきます。

最近の記事

慶祝!雲助一門会

昨年から始まった雲助一門の落語会「師弟四景」。第7回目となる今回はまもなく立て直しとなる国立演芸場で開催された。 開場直後に会場に着いたのだが、受付の向こうに長蛇の列が続いていた。この会では毎回、次回のチケットが売り出されるので、そのチケットを求める人の列なのだが、いつもより多くの人が並んでいた。これも人間国宝効果なんだろう。 雲助師匠の人間国宝発表から2週間ほど経った会なので会場もなんとなく祝福ムード。 開口一番 柳家しろ八 「寿限無」 昨年、小八師匠に入門。初めて聴いた

    • 春風亭一之輔のどっさりまわるぜ2023と冷たいビール

      「今、一番チケットの取れない落語家」がすっかり枕詞となっている春風亭一之輔の落語会に行ってきた。キャパ900名の銀座ブロッサムは満員御礼状態。遠く2階席から客席を眺めると、家族連れ、着物姿の妙齢の女性グループ、おしゃべりの止まらないおばさまペア、髪の毛がちょっと寂しくなったおじさんなどなど幅広いファンが酷暑をものとせずにぞくぞくと集まってくる。 オープニングのトークコーナーでは、この会場で1000円以上のグッズが販売できないことを嘆く嘆く。目の前の中央区役所を人の輪で取り囲

      • ホームページを作りました。

        都内4つの寄席の出演者情報をはじめ、落語に関する情報やミニ知識、小ネタを紹介していきます。 ご贔屓のほど、よろしくお願いします。 http://rakuyose.com/

        • 雲助一門会「師弟四景」この会だけ聴いてりゃいい。

          9月5日日本橋劇場(日本橋公会堂)師弟四景 開口一番 金原亭 駒介 「高砂や」 お初の前座さん 高砂の謡がうまいな〜と思ったら、学生時代に端唄根岸流の師範名取になっていたそう。どうりで。 蜃気楼龍玉 「駒長」  マクラで「珍しい噺は演り手が少ない、なぜなら面白くないから」と。 しかし、どんでん返しあり、ベタなオチありと十分に楽しめる噺。 こういう作品を選んで自分のものにするのが龍玉さんのセンスと個性だな。 桃月庵泊酒 「寝床」 噺に入った途端から爆笑の連続。同じ噺でも演

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        • 日々の落語
          13本

        記事

          謝楽祭が戻ってきた!

          7ヶ月以上ぶりの投稿なのだが、しれーっと書いてみる。 9月4日は3年ぶりの落語協会「謝楽祭」が湯島天満宮で開かれた。 コロナ禍の2020年は中止、昨年2021年は配信での開催、そして今年は現地と配信というハイブリッド開催。 残念ながら飲食の屋台とステージでのイベントは行われなかったけど、それでも20以上の芸人屋台が設置され、事前登録とはいえ2000人ほどのお客さんが来場してかつての賑やかさが戻ってきた。 コロマ前に何度かこのお祭りにやってきたが、9月の頭はまだまだ暑い。今

          謝楽祭が戻ってきた!

          林家たけ平と歩く吉原散歩

          林家たけ平さんと吉原商店会長の不破利郎さんに案内していただく「吉原散歩」に参加。廓噺で出てくる吉原遊廓がどんなものだったのか以前から興味があり、関連書籍も何冊か買ってはいるのだが、想像は膨らむもののなかなか実感できないでいた。 実際にその場所を歩けば少しは理解できるのではと思いながらも、男一人で今の吉原をぶらぶらするのは昼間でもはばかられる。 そんなときに偶然見つけたのがこの企画。さっそく申し込んだが、毎回満員御礼の企画らしい。特に今、テレビで「鬼滅の刃『遊郭編』」がオンエア

          林家たけ平と歩く吉原散歩

          花緑版「妾馬」の心地よさ

          このご時世、人の集まる場所に出かけるのは気がひけるのだけど、「落語は業の肯定」という金言を言い訳に1月15日に渋谷円山町で行われた「渋谷らくご」に行ってきた。 数年前からの落語ブームの火付け役のひとつであり、落語を聞き始める人には絶好の落語会。私もこの会をきっかけに落語好きになった。 キュレーターである米粒写経のサンキュータツオさんの絶妙な差配によるバラエティー豊かな顔付けで落語のみならず、講談、浪曲といった語り芸の素晴らしさを味わうことができる。 今回の出演者は立川流

          花緑版「妾馬」の心地よさ

          今年も落語初めは鈴本の初席から。

          毎年の落語初めは鈴本演芸場の初席にしている。 いつもは一部を聴きに行き、そのあと谷中の七福神を不忍池弁財天から逆ルートでめぐるのが恒例行事。 去年はコロナで寄席も行けなかったが、今年は1月2日の夕方からゆるりと第三部を聴きに出かけた。 【当日の出演者と演目】 ストレート松浦 「ジャグリング」 馬石 「ざるや」 志ん橋 「無精床」 のだゆき 「音楽」 琴調 「堀部安兵衛 浅野内匠頭対面」 さん生 「柳家の百面相」 米粒写経 「漫才」 白酒 「茗荷宿」 扇遊 「一目上がり」

          今年も落語初めは鈴本の初席から。

          伸びしろを聴きに行く。

          木曜落語研究会「チャノマ」 今年の8月から落語協会の若手二つ目8名が始めた勉強会「チャノマ」。 毎週木曜日、新宿のフリースペース「無何有」で開催されているこの会に先週の11日に行ってきた。 以前は鈴本演芸場や末廣亭で二つ目だけの落語会が行われていたのだけど、 今は残念ながら開催されていない。 若手落語家の登竜門とも言える日本演芸若手研精会も今年4月末に閉会。 神田の連雀亭や西新宿のミュージック・テイトでも聴けるけど、 気軽に伸び盛りの若手の落語が聴ける場が増えるのはうれしい

          伸びしろを聴きに行く。

          文七元結、ふたたび。 一朝会 人形町スペシャル

          「一朝懸命にやります」。 仲入りを挟んで2席聴かせてくれる一朝師匠の独演会。 一席目は「味噌蔵」。締まり屋の主人が出掛けている隙に 酒宴を開く番頭と店子。主人が思いがけず早く帰ってきて、 ひと騒動が持ち起こる。 今の世でも、仲間内の飲み代を「ドガチャカ」して会社の経費に してしまう人も結構いるんじゃないかな。 番頭の気持がよくわかります。 仲入り後の二席目は「時期は少し早いのですが」と前置きをして始まった。 「本所の達磨横丁に左官の長兵衛という・・・」。 おっ!文七元結。

          文七元結、ふたたび。 一朝会 人形町スペシャル

          特別企画公演 『少し早いけど、オレ、 もう暮れちゃうよ』 ~ 一之輔 冬ばなし ~ー上野・鈴本演芸場・夜の部6日目「文七元結」ー

          「やっぱり寄席はいいな〜」。改めてそう思った。トリの噺はもちろん、それまでに続く落語家、色物さんの一人ひとり、一つひとつの芸が気持ちを明るくさせてくれる。「寄席は大人のディズニーランド」なのだ。 上野・鈴本演芸場下席夜の部は特別企画公演「少し早いけど、オレ、もう暮れちゃうよ」〜一之輔 冬ばなし〜。一之輔が主任を務め、初日から千穐楽までネタ出しした番組。初日がご存知「芝浜」、本日6日目は大ネタ「文七元結」。一之輔はこの噺をどう聞かせてくれるのだろうかと楽しみに席についた。

          特別企画公演 『少し早いけど、オレ、 もう暮れちゃうよ』 ~ 一之輔 冬ばなし ~ー上野・鈴本演芸場・夜の部6日目「文七元結」ー

          白酒・一之輔 毒吐き二人会 Vol.9@鶴川落語会

          緊急事態宣言のおかげではじめは客席が半数の予定だったが、解除されたので席が開放され満席状態で開演。めでたし。でも、まだまだマスク着用で体温測定、手指消毒、整列退場と主催者さん、観客とも気を使いつつの落語鑑賞。仕方がないねえ。 会は白酒、一之輔だからつまらないはずがない。柳家一門をディスる白酒、某二つ目を笑いの種にする一之輔。マクラから笑いっぱなしの2時間強。 心を震わせる人情噺、情景や登場人物を鮮明に描く名人芸、江戸の風がビュービュー吹く古典をいいけど、頭を空っぽにしてた

          白酒・一之輔 毒吐き二人会 Vol.9@鶴川落語会

          柳枝百貨店〜真打昇進祝いの会〜」@銀座ブロッサム会館(2021年10月9日)

          この春に真打に昇進した春風亭正太郎あらため柳枝のお披露目の会。 とにかく前方が豪華。今までやっていた「正太郎百貨店」に ゲスト出演されていた師匠方が一堂に集まり、柳枝さんの昇進を祝うおめでたい席。 とは言え、皆さん噺家ならではの洒落のきつい言葉で師の門出を祝福。 錚々たるベテランがさらりと、そして良質な噺を聴かせてくれたあとは、 お待ちかねの柳枝さん。 「落語会の習いとして、出演された師匠から教えていただいた噺はかけられない」と断ったあとに聴かせてくれたのは「三枚起請」。 前

          柳枝百貨店〜真打昇進祝いの会〜」@銀座ブロッサム会館(2021年10月9日)