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ガイドが説明に困るもの
通訳ガイドのぶんちょうです。
地方のツアーに出ると、ガイドもゲスト(外国人のお客様)と同宿したり近隣の別のホテルに1人で泊まったりします。
ひとりホテルで夕食を食べていて、ふと思いました。
食卓に「むかごご飯」が小さな一人用の土鍋の中に入って置いてあったのです。
むかごごはんは、私の大好物です。小指の先ほどの黒っぽい小さな粒を噛むと、柔らかくてホクホクのお芋感。これがたまらない!ごはんがすすみます。
芋っぽいけど、さつまいもやじゃがいもとは全く違う香り。昔はむかごごはんを自分で作ってみたりしたっけ。
久しぶりにいただいて、あー、やっぱり好き。
ふと「これは外国人にどう説明すればいいのだろう」
むかごは山芋の…。え?山芋の何だろう。
山芋の子どもか?いや、子どもって何なの?山芋を掘った時に繋がって出てくるやつだろう。たぶん。
よくわかっていない。
むかごはむかご
人は、モノに名前があることで、それに甘んじるのです。笑
極端な例だけど、子どもが純粋に「これなあに」と聞く時、「それは鉛筆」と物の名前を親は言って済ませる。
それって「つべこべ言わずに、字を書く時に使うこれは、鉛筆って言うんだよ。覚えとけ」くらいの話でしょ。
名前とは、実はものすごい強制力のあるモンスターではないか!
次にボールペンを手にした子どもは、書くモノだから「鉛筆」と言うだろう。間髪入れず「違う、それはボールペンだ」とまた強引に名前を強制される。
子どもは、何でやねんとツッコミを入れることも許されず、いや、たとえツッコンだとしても
それはボールペン!鉛筆とは違う!それがセケン様の常識だ。くらいの勢いで言われる。言語の恣意性ってやつです。
もちろん、そうは親は口に出さずとも、多かれ少なかれ、それが親とか、世の中全体のキョーイクの本質ってもの。
そうやって、私たち大人は賢くなってきた。モノの名前をいっぱい知っていると言う意味で、とても賢くなった。
でも、ほんとにわかってるのか?その言葉の意味。子どもにも、きちんと説明できるレベルで知っているのか?
そう問われれば口を閉ざしがちな単語って沢山ある。
むかごって何?
そう小さな子に問われたら私なら、こう言う。
山芋の赤ちゃんだよ。いいから、おいしいから、とにかく食べなさい!
何とも乱暴な(笑)だって、わかってないからね。
調べてみました。
むかごとは、
むかごとは、植物の栄養繁殖器官の一つで、わき芽が養分を貯え肥大化した部分のこと。主として地上部に生じるものをいい、葉腋や花序に形成され、離脱後に新たな植物体となる。 葉が肉質となることにより形成される鱗芽と、茎が肥大化して形成された肉芽とに分けられ、前者はオニユリなど、後者はヤマノイモ科などに見られる。
ますますわからん!
やっぱり「いいから食え」方式が正解だ。
むかごは山芋の葉っぱの根元が肥大化した肉芽(球状の芽)だそう。
根元が肥大化してむかごに? やっぱり難しいね。
ちなみに、外国人にはこう説明することにしました。
山芋って言うネトーっとしたMountain Yam の一種があってね。
むかごは、山芋の葉っぱの根元にできる丸い芽らしいよ。
この後に「しらんけど」って付け足したい!