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おみくじ凶に本気で落ち込んでしまった外国人観光客
通訳ガイドのぶんちょうです。通訳案内士が、必ずと言っていいほど外国人観光客と訪れるのは神社やお寺です。そして、おみくじを引くこともしょっちゅうあります。
今まで色々な寺社でおみくじを引いてきましたが、ほとんどの寺社では大吉、中吉、末吉、小吉などのラッキーサイドの運勢が高確率で出ています。人に優しいなあと思っちゃっています。
というのも、観光客がおみくじを引くとき、ガイドの私もちょっとドキドキするのです。吉が出れば、わー良かったね!と盛り上がります。でも、凶が出ることも。
そんな時は、ちょっと言い訳じみたトーンでこんなことを言います。「まあ、おみくじはエンタテインメントみたいなものだし、それに凶が出ても、あそこに結んでおけば悪い運勢が消えてなくなるよ」と。
それに対して「あら、そうなの!それは完璧なシステムね」なんて、面白い反応が返ってきたこともあります。とにかく、おみくじは日本人同様、外国人に大人気のアイテムなんです。
ところで、本来のおみくじというのは、「自分の悩み事が自分だけではどうしても解決できません。だから今後の行動へのヒントをください」と言う意味で引くものだそうです。だから、きちんとお参りを済ませた後で引くものなんだそうです。
ある日、いつものようにツアー中におみくじを一緒に引きました。家族連れのツアーで、ひとりが「凶」でした。そして、近くの金属棒におみくじを結び、厄払いをして、これで安心と思っていました。正確に言うと、思ってくれていると思っていました。
その後、専用車に乗り込み次の目的地に行く途中、凶を引いた若いお嬢さんが「あのう、お寺で引いたおみくじ、凶だったけど大丈夫かな」とつぶやくように言ったのです。
おみくじを引いてから、何時間も経っていたので私もびっくりして、えー、ずっと気になってたんだ!と思いました。あわてて、いや、そんな深刻に受け止めなくてもいいものだから。観光客の人がくじ引きみたいなノリで楽しむものだから、などと汗かきながら言って、なんとか納得してもらえたようでしたが。
浅草にある某有名なお寺の凶の出る確率は3割らしいです。あれ以来、特に、このお寺でツアー中におみくじを引くときは私もドキドキ。
来年の初詣、おみくじはどう出るか!?