見出し画像

#142 ポケモンと走った少年時代

11月21日。
ただの平日だ。祝日でもなんでもない。
けれど、僕はこの数字の並びを見ると、「おっ」と思う。

おそらく僕が子どもの頃、一番ワクワクを感じた日だからだと思う。
なぜ、ワクワクしたのか?
それは、「ポケットモンスター 金・銀」の発売日だったからだ。

余談であるが、この次の世代である「ルビー・サファイア」の発売日も全く同じ。3年後の2002年11月21日である。
なので、僕のような30代のポケモンど真ん中世代にとって「11月21日」というのはどこか特別に感じる日なのではないだろうか。
いや、僕だけかもしれないけど。

noteを始めて早5か月と少し。
今まであまり触れてこなかったのだが——
僕は「超」がつくほど、ポケモンが大好きなのだ。

どこかの記事で書いたかもしれないが、最新作のスカーレット・バイオレットも買ったし、バイオレットにいたっては図鑑をコンプリートしている。
それくらいの愛情を、僕はポケモンに抱いている。

人生を振り返ってみても、ポケモンの存在はとても大きい。
小学校時代の友達との思い出の中にも、必ず彼らはそこにいた。

口を開けばポケモンのはなし

僕がポケモンを知ったのは、小学校1年生の頃。
クラスのほとんどの子たちは、ポケモンのアニメを見ていて、僕もそこから知ったのをよく覚えている。

男の子も女の子も、口を開けばポケモンの話で盛り上がっていた。
「昨日のゼニガメ可愛かったよね」
「ポケモンずかん、どれくらい埋められた?」
小学校を含めた学生時代を思い出すと、どこか男子と女子というのは別の世界を歩むイメージがある。
けれど、小学校低学年のとき、ポケモンの話になると皆が一緒の世界を歩んでいた。

そして、学校帰りは皆で「ポケモンいえるかな?」を歌った。
ピカチュウ、カイリュー、ヤドラン、ピジョン……
今でもなんとなくその並びを覚えているし、今口ずさんでも、なんとなく心地が良い感じがする。この歌は、もはや発明である。

元々いたポケモンが進化するというワクワク

最初のポケモン、「ポケットモンスター 赤・緑」をプレイしていた僕ら世代にとって、最初の151匹というのはある種の聖域だったように思う。
彼ら151匹というのは、親の顔と同じくらい接していたキャラクターといっても過言ではない

そんな彼らの一部が、全く新しい姿に進化する……!
まだ見ぬポケモンの姿が、次のポケモンには現れる……!
当時の僕にとって、これほどワクワクすることはなかった。

もちろん当時はインターネットもスマホもない。
最新情報を仕入れるための最大の情報源がコロコロコミックだった。

発売前の情報——そこには、未知のポケモンの姿が公開されていた。
ポケモンには「ほのお」や「みず」といったタイプがある。
しかし、当時のコロコロには、そのタイプも明かされず、イラストとポケモンの名前のみが掲載されていた記憶がある。

だから、色々予想ができるのだ。
いったい何タイプなんだろう?
どんな技を使うことができるんだろう?
ただでさえ長けている子どもたちの想像力を、より豊かにしてくれたのが、やはりポケモンだったのである。

個人的な思い出を書くと、コロコロコミックで初めて「ハッサム」というポケモンが公開されたときは、尋常ではなく空想にふけた。
頭の形を見るに、きっとストライクの進化系……?
え、ストライク、進化すんの!? すげえ!!
だけど、どうやって進化するんだろう。何を使うんだろう?
小学校時代のある1日は、ストライクとハッサムの関係性を考えるだけで終わったこともあった。

ハッサム
今見ても、このデザインが素晴らしい
カマキリをここまでかっこよくアレンジできるのは
イラストレーターの神がかった才能以外の何物でもない

待ちわびた発売日、だがしかし

最初のポケモンが発売されたのが1996年2月27日。
ポケモンのアニメが放送開始したのが、1997年4月。
アニメの第一話——
ポケモン赤・緑に登場していないポケモン・ホウオウが登場していたことから察するに、金・銀の開発はその時点で進んでいたのだろう。

しかし、金・銀の開発は遅れに遅れ、度重なる発売延期を余儀なくされた。
さらに途中にはアニメにおけるとある事件も勃発。
開発・発売側も、待っている子どもたち側も今か今かと待ちわびていたことだろう。
僕も、その一人だった。

だからこそ、1999年11月21日という日付は特別なものだったのだ。

ポケモンの長い歴史を見ても、金・銀が発売できたことはとてつもなく大きな一歩なのではないかと思う。
いわば、記念碑的な日付だと、僕は思っている。

9歳には財力なんて皆無なので、当然発売日に手に入れることはできず。
その年のクリスマスに、サンタクロースにお願いすることにしたのだ。
だが、あまりの人気により、サンタですら手に入れることはできなかった。

特に、プラットフォームである「ゲームボーイカラー」がどこに行っても見当たらなかったのである。
2020年にコロナが流行し、それと同時期に「どうぶつの森」が発売したこともあって、Nintendo Switchが品薄になったのが記憶に新しい。
それとほぼ同じ現象が、1999年にも巻き起こっていたのである。

今でも覚えている。
デパートの玩具売り場で、何度も何度も号泣したことを……。
クラスの友達たちが金銀を手に入れ楽しんでいる中で、徐々に時代に取り残されていくあの感覚……。

楽しいことも、苦しいことも。
最初に教えてくれたのは、ポケモンだったのかもしれない。

だからこそ、ようやくゲームボーイカラーとポケモン金を手に入れたとき。
そして、ゲームボーイカラーの電源をつけたとき。
あの瞬間の喜びというのは、望外のものだった——!

ポケモン金を起動し、大空を飛ぶホウオウの影。
あの姿を、僕は一生忘れることはないだろう。

これからもポケモンと共に

ポケモン金・銀が発売して、今日でちょうど25年。
あれからもう25年が経ってしまったのかと、しみじみ思う。
本当におめでとうございます。

思春期には、「まだポケモンやってんの?」と馬鹿にされたこともあった。
けれど、好きなものを好きといえることは人生における最大の幸せではないだろうか。

だから、僕はこれからおじさんになっても、おじいさんになっても、ポケモンを愛し続けることにする。
愛せるものがあるというのは、幸せなことなのだから。


あとがき

実は今まで何度もポケモンの記事を書きたいと思っていました。
けれどあまりに愛が強すぎたというのと、「そもそも誰が読むんだよ」というセルフツッコミが頭の中を駆け巡り、今まで書けずにいました。

が、せっかくの金銀発売記念日。
えいやっ! という思いで本記事を書かせていただきました。
noterの方々の中にはポケモンがお好きな方とかいるのでしょうか?
いたらいいなぁ…!

好きなものを好きと書ける。
それを恥ずことなく表現できる場所。
ポケモンと同じくらい、noteという居場所も大好きです。
こんな長い記事を読んでくださり、ありがとうございました。



いいなと思ったら応援しよう!

立竹落花
サポートをしていただけるととてもとても嬉しいです! 読書と勉強の糧にさせていただきます!

この記事が参加している募集