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#179 ラジオのススメ
ネットが発達して久しいが、今はメディアの種類が多様になっている。
YouTubeはもちろん、このnoteのようなSNSもその一つ。
離れている人が多いと言われているけれど、テレビだって今も強大なメディアであることに変わりはない。
僕たち現代人は、そんなメディアに良く悪くも影響を受けて生きている。
僕は多様なメディアの中でも好きなのが、ラジオである。
ラジオから得られるもの
毎日必ず聞くというほどのヘビーリスナーではないけれど、物心ついたときから断続的に僕のそばにはラジオがいた。
現在の僕の生活の中では、テレビよりもラジオの方が身近になっている。
僕にとってラジオは、その他のメディアにはない魅力を感じるのだ。
その魅力は、3つのラジオの恩恵があるからだと思う。
1.話し方・聞き方の参考になる
ラジオは、コミュニケーション能力に貢献するものだと思っている。
ラジオパーソナリティの方は少ない人数で1時間も2時間も話す必要がある。
メディアの特徴柄、皆さんとても喋りが上手なのだ。
僕は10代の頃、コミュニケーションが苦手だった。
自分の話はつつがなく話せたけど、人の話を聞くのが苦手だったのだ。
だから僕が一方的に話すだけ話し、相手の話は聞かない。
ただの自己中心野郎である。
だからラジオから、話の聞き方の研究をした時期がある。
ラジオパーソナリティは話すプロであり、聞くプロでもある。
リスナーから届くお便りからの返答、ゲストの話を聞く姿勢や相槌を打つタイミング。
なるほどこういう答え方だと相手が不快にならずに済むのか。
定期的なオウム返しをすると、話している相手も気持ちよくなるのか。
そんなコミュニケーションの細かい部分を、僕はラジオから学んだ。
今も決してコミュニケーション能力が高いわけではないが、少なくとも話を聞く能力は高めることはできたと思っている。
2.新しい音楽との出会いがある
今はサブスクが当たり前になっている。
なので、自分の好きな音楽を好きなタイミングで聴くことができる。
言うなれば、音楽を自分で選び放題な時代だ。
本当に素晴らしい時代になったと個人的には思う。
一方で、ラジオはパーソナリティやラジオ関係者が選曲した音楽が流れてくるので、サブスクで音楽を聴く姿勢と逆である。
だからこそ、自分が知りえない好みのジャンルとも出会えるのである。
僕は、過去の記事でも音楽への愛情を暑苦しく書いてきた。
今好きなアーティストの半分くらいはラジオに教えてもらったものである。
音楽を自分で選べるのはとても便利だ。
だが、誰かに音楽を選んでもらえるというのも、また幸福なことだと思う。
3.安心感を与えてくれる
ラジオは他のメディアよりも出演者との心的距離が近いように感じる。
ゆえに、孤独の中でもラジオを聴いているだけで安心感を与えてくれる。
そう思ったきっかけが、東日本大震災だった。
3月11日からしばらく、テレビをつければ衝撃的な映像が流れていた。
「自粛」という言葉によって行動しづらかったし、ただでさえ地震によって落とされた闇がその言葉でさらに深くなっていたように感じる。
友達と連絡が取れない。会うことができないという時間が続き、どこか孤独感に苛まれるようになっていた。
震災から2日後のラジオも、もちろん自粛の対象だった。
明るい音楽を流さず、ゆったりとした音楽、しっとりとした音楽ばかりが流れていた。
けど、あるラジオでは、踊れるような音楽がセレクトされていたのだ。
裏の話になりますが、今日は激しめの曲、ノリノリの曲は控えて下さいと(ラジオ局から)言われたんですけど、でも果たしてしんみりさせる曲が皆の傷を癒すでしょうか。音楽はそんな単純なものじゃない。
もちろんなんでもかけていい状況とは思えませんが、でもこういう状況だからこそ皆の心に響く曲を、ノリノリだからこの場に合わないというわけではないと思って、今日は選曲させてもらいました。
この言葉は今でも僕の心に突き刺さっている。
パーソナリティの声が、全国のリスナーの声が、そして音楽が、僕の心に安心感を与えてくれたのである。
ラジオを聴いているだけで「ああ、一人じゃないんだ」と思ったことを、今でもはっきりと覚えている。
ラジオは隣に誰かいなくても、パーソナリティがそばにいてくれる感覚を与えてくれる。
そんな安心感を与えてくれるラジオが、僕は好きなのだ。
これからもラジオとともに
radicoアプリができ、電波の悪い地域でも、あるいは聞き逃した番組なども手軽に聞ける世の中になってきた。
ポッドキャストの登場で、ラジオも多様化を始めている。
他のメディアと同様に、ラジオも形を変えながら生き続けていく――
それを僕は切に願っている。
noteでもstand.fmを使って、声を読者に届けている方も多い。
今では、誰でも声を届ける側にいることもできるようになった。
僕は未だに喋りに自信がないけれど、noteを続けているうちに声を届けることにいつかチャレンジしたいと思う日がやってくるかもしれない。
いかなる形でも、僕はこれからもラジオと共に生きていきたい。
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