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#192 短所じゃないよ 特徴だよ
あなたの短所を教えて下さい。
就職活動の面接や履歴書で問われたことがある。
もちろん長所も問われるが、短所の方がいくらでも思いついてしまうのが悲しいところである。
すぐ焦ってしまうところ。深く考えすぎてしまうところ。
気づけば自己否定しまうところ。メンタルが弱いところ。
などなど挙げてみればキリがない。
だけど、それって本当に短所なのだろうか、と最近は思う。
あくまで自分が「よくない」と思っているだけで、突き詰めればそれはその人の特徴なのではないだろうか。
短所と思うから短所になる
HSP向けのサークルに参加させていただいたことがある。
その中で大半の方が「人の顔色の変化に敏感」ということに悩んでいた。
人の顔色が変わるのに気づいてしまって……辛いんですよね。
表情が少し変わるとよからぬことを考えちゃって、直したいんですよね。
かくいう僕も、それが短所だと思っていたところがある。
なぜなら人の表情に敏感だとどうしてもそこに影響されてしまい、心が疲れやすくなってしまうからだ。
あるいは人の表情から悪い想像する癖を短所だとも感じていた。
だが、それは欠点でもなければ、人と比べて劣っているものでもない。
むしろ顔色の変化に気づける、想像力を働かせられるという一つの特徴なのではないだろうか。
そう思うと、大概のことは短所ではないのかもしれない。
自分が短所だと思うから、それは短所になってしまうのだろう。
病気も特徴と捉える
先日、僕は心療内科でADHDの診断を受けた。
生きづらいと思っていた理由の一端を知ったことで安心はした。
けれど、僕の頭にいる「短所製造マシーン」が、病気を短所だと伝えてくることもあった。
喘息持ちで、IgA腎症という難病持ちで、さらにはADHD。
自分はなんて短所だらけな欠陥人間なんだ……。
そう思ってしまったことも嘘ではない。
だけど、IgA腎症を患ったおかげで僕は年齢に似合わないほどに健康を意識するようになった。
適度な食事と運動、良質な睡眠を心がけ、2か月に1度の検査で徐々に数値がよくなっている(ときどき風邪ひいちゃうけどそれはしょうがないよね)。
IgA腎症は、僕にとって健康生活を支える大切な特徴となっている。
だからADHDも自分の大切な特徴として捉えれば、人生を肯定的に進める材料になりえると思うのだ。
そもそも僕が罹患している病気を持っている人だって少なくない。
それを短所だと捉えることは、共に病気と生きている人にも失礼だ。
人は多かれ少なかれ、病気を患っていく生き物である。
それを悲観せず、僕は特徴だと捉えることにしたのだった。
それぞれのキャラクターを大切に
面接で短所を問われたときの模範解答は——
こういう短所もありますが、それをこう活かせています。
と伝えることだと思う。
だけどそうだとしたら、やっぱりそれは短所ではない。
肯定的に生かすことができているのなら、それはその人の特徴である。
漫画やアニメ、ゲームなどの作品に出てくるキャラ設定と一緒だ。
そう、短所だと思っていたものは、その人のキャラクターなのだ。
だからそんな自分の一部を大切にしていった方がいい。
もしかしたら、短所だと思っていた特徴が、人生のひょんなときに役に立つかもしれないから。
おふざけ余談
成人喘息の有病率は約4%(全国健康保険協会より)。
IgA腎症の発症率は10万人に約3.9~4.5人/年、なので約0.004%(厚生労働省より)。
成人のADHDは40人に1人の割合、なので約2.5%(品川メンタルクリニックより)。
これを全て引き当てた自分は、超絶レアキャラなのでは!?
ポケモンカードでいえばUR(ウルトラレア)なのでは!?
と思うと、病気持ちの自分を好きになれそうです。
ちなみに小生、ポケモンカードもポケポケも破産することが目に見えているのでやっていません。
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