シーガっていう伝統的ゲームがありまして(3)
さて、こんどはハナヤマ社さんの話題に移ります。
ハナヤマ社は、かなり昔から「シーカ」というゲームを販売しています。
シーカは、それ単独で発売されたことは一度もありません。
必ず「6種類のゲームが遊べます」などといった形式、すなわちボードゲームの「アソート製品」の中にひっそりと添えられる形式で販売されていました。
失礼。
「いました」ではなくて、現在も販売されています。
ハナヤマ社にとっては、もはや愛すべき「バイプレーヤー(脇役)」という位置づけとなっている印象があります。
このシーカ。実に中途半端なことに、Seegaに似たルールなのです。
すっきりと江戸っ子気質で、
「ソリティア盤を使って、Seegaのルールで遊びやがれってんでぇ。べらぼうめえ!」
だったら納得しやすいのですが、シ-カのゲームルールは、中途半端にSeegaに似ていて、中途半端に違うのです。
そういうのって、なんだか面白い(interesting)ですよね。ちょっとワクワクします。
おそらく、何らかの深い事情があって、どうしても伝統ゲームのSeegaだとは「ルールブックに書きたくなかった」のだと想像しています。
ハナヤマ独自の創作ゲームだと主張しなければならなかった。
そんな葛藤が、当時あったのではないかと思います。たぶん。
***
ちょっとここで、横道にそれます。
直接にはシーカの話ではないのですが、ハナヤマ社さんの「シーカ」にまつわる周辺の話です。
以前、ハナヤマのポケットゲーム「ピアス:Pierce」を記事にしたことがあります。その時は無視してしまった内容を改めて記します。
Pierceには8つのゲームルールが添付されていたのですが、その4番目のゲーム「リーブ」のルール文章末尾に、こんなことが書かれていました。
次のゲームは……「ニップゲーム」
近代的な源平碁
これ、読んだ人は100%「全員」が、どんなゲームなんだ!楽しみ!
と、思いながら次のページをめくったことだろうと思うんですよ。
でも次のページには、非情にも
5.チェッカー ……
と書かれています。
4の次、5番目のゲームルールが淡々と続いているのですよ。
ガッカリしますよね。
今改めて考えてみても、ひどい肩透かしだなあと思います。
円形のゲーム盤でオセロ(失礼!リバーシでしたね!)を行う「ニップ」は、この当時のハナヤマ社の傑作創作物だと思います。
でも、このルールブックの書き方はガッカリ物件ではないかと。
それはともかく、この時期(1974年ごろ)は、ハナヤマ社はリバーシではなくて「源平碁」って表現を使っていたのですね。
そんなところも、ゲームマニア的には感心するところです。
オセロブーム以後は、ハナヤマ社は急に「源平碁」という表現を使わなくなっています。リバーシという名称を積極的に使うように変化しました。
まだ、明日に続きます。
ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。