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Wariワリのバリエーションについて(ちょっと小話)7 Bao Arabica

昨日からの続きです。
本日の記事は Bao Arabicaです。
このゲームはラジくまるが「好きだ好きだ」としつこく言っているHiku Spiel社の製品です。

ところが!

この製品のルールには、まったくHiku Spiele社らしさがありません。
全然ヘンテコではないし、とっても「凡庸」なルールです。

備考:
Hiku Spilele社は、ヘンテコ創作ゲームだけを売っているわけではありません。
伝統的なゲームのリバイバル製品もあるし、あるいは、他社の傑作&売れスジ製品を(たぶん版権を支払って)自社ブランド販売も行っています。

簡単に言ってしまえば、ゲーム業界に限ったことではなく、どこの業界でもよくある「ゾロゾロ商品」だと感じました。
よく売れた商品にあやかるために、ルールをちょっとだけ変化させて販売。そんな商品に見えるのです。

こういう商品を市場に出されると、本当に期待外れに思います。
もっと格調高い会社だと思っていたのに。ガッカリです。
と、そんな気持ちになります。

などと言ってはみたものの、これを発売した1998年以後にも、Hiku Spiel社らしい「ヘンテコ」ゲームは創作されています。たまたま?失敗作を出しちゃったと考えることもできるかも。

とにかく、ワリ(Wari)のバリエーション商品の変遷・歴史を記録しておくという目的で、ルールを掲載します。

でも、その前にやっぱり一言・・・・・・。
あまりにもOh-Wah-Reeに似すぎています。とても悲しく思うのです。
それだったら、むしろ思い切って、
Oh-Wah-Reeリバイバル! 
という位置づけで販売して欲しかったよ。と。

***

Bao Arabica  2 to 4 players   (1998)  Hiku Spiele
*4人の場合はチーム戦を推奨。
勝利条件:
誰よりも数多くのビーズを獲得した人の勝ち。
用具:
専用のゲーム盤(12個のピットが円形に並んでいるもの)

初期配置:
全てのピットに4個ずつビーズを入れておく。
2人プレイの場合は、左図のように、3個並び状に自分の支配ピットがある。対角線状に2か所(3+3)で合計6個が自分の支配するピット。
*4人プレイのチーム戦でも、味方同士は対角線状の位置を支配する。

左:2人用、中:3人用、右:4人用(対角線反対側が同じチーム)

各ピットに入れておくビーズの数
2人プレイ:4個ずつ
3人プレイ:5個ずつ
4人プレイ:6個ずつ

遊び方:
自分のターンでは、ワリの要領で自分の色の石を手に取り&配る動作を実行する。

自分が支配するピットから任意の1つを選び、そのピットに存在するビーズすべてを手に取る。
次に、すぐ隣のピットから開始して、各ピットに1個ずつ自分の色の石を配布していく。
配布は、右回りでも左回りでも、どちら方向に配布しても良い。
ただし、いったん配布を開始したら、配布の方向は固定。配布の向きを途中で変更はできない。

もしも、12個以上のビーズが入っているピットからビーズを手に取った時は、配布はゲーム盤を1周してしまう。その際には、ビーズを手に取ったピットにも、ビーズを配布する。

ビーズの獲得について
ビーズをすべて配布し終わったとき、最後に配布したピットのビーズ個数が2~3個になっており、かつ、そのピットは対戦相手が支配しているピットならば、そこにあるすべてのビ-ズを取れる。
そのすぐ手前のピットについても、ビーズ個数が2~3個で(しかも相手が支配するピットだった)ならば、それも続けて取れる。
獲得したビーズは、ゲーム盤の外周部分にある、大きな三角形のくぼみに移動する。
この大きな三角形のピットは、獲得したビーズの保管場所。

特殊追加ルール:
自分が支配しているピットの内部で、同じことの繰り返しは禁止。
例えば、直前のターンで、ビーズ1個を右回りに配布していたとする。今回のターンでビーズ1個を左回りに配布すると、完全にもと通りの状態に戻ってしまう。
こうした動きは禁じ手とされている。

ゲーム終了の判定:
2人プレイの場合
一方のプレーヤーについて、彼が支配しているピットに1つもビーズがない場合、ゲーム終了。
3~4人プレイの場合
2人のプレーヤーが、連続して「パス」したら、ゲーム終了。

ゲーム終了時、自分が支配しているピットに残っているビーズは、得点に加算してよい。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。