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GoGetterパズルが欲しいです
この記事の画像は、Raf PeetersさんのHPと、Smartgames社のHPから引用しています。
ここ最近、2002年ごろに開発&販売された GoGetter というパズルのinternet情報を発掘作業中です。作者は Raf Peeters さん。
この人、現在は Smartgames社の専属パズル作家さんをやっています。
ご本人のネット投稿を読んでいたら「GoGetterの思い出」を記した文章が見つかりました。どうやらGoGetterには深い思い入れがあるらしいです。そんなところを、ぜひ皆様にもご紹介したいと思います。
(2002年時点の私は)後に自分がパズル作家になるとは全く予想していなかった。そもそもパズルには興味がなかった。当時の私は、パズルとは(「解法」も「解答」もどちらも1つしかない一本道の作業でしかないので)全くつまらないモノだと思い込んでいたから。
この当時すでに有名になっていた「RushHour」というパズルのことも全く知らない若者だった。(パズルに興味がないのだから知らなくて当然である)
今の私は130種ものパズル(幼児向け知育玩具も含めて合計した場合)を商品化している(間違いなくパズル作家といえるだろう)。
(2002年当時)ある友人(後にSmartgames社員になる人)と雑談をしていた時のことである。
「そういえば(A点とB点とをつなぐような)ルート(道つなぎ)のパズルって見たことないよね?」
という話題で、ああでもない・こうでもないと様々なパズル商品のアイデア出しの議論を2人で行ったことがあった。最終的には、その時に2人で話し合ったような「完成品予想図」とは全然違う商品が生まれた。
私(Raf Peeters)個人に「セレンディピティ」が働いて、(GoGetterという迷路タイプのパズルが突然、)この世に誕生したのだ。
このパズルは、よくある普通のパズルとは一線を画している。なぜなら与えられた問いに対する解答が複数ありえるからだ。この独特な性質は(幼児・児童教育の)教師から褒められた。
「答えが1つとは限らないという点は、「探究的な学習」カリキュラムにおいて大きな助けになる。素晴らしい作品だ」と。
議論好きな2人が「道をつなぐパズル」というテーマで、やいのやいの・侃々諤々の議論をしたことで、2002年に素晴らしいパズルが誕生しました。
しかしその時に議論した内容とは全然違う製品になったんだそうです。
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こういうことってゲーム制作やパズル制作ではありがちかもしれない、と思っています。
新商品のアイデアが誕生するためには、その2人での議論は絶対に必要だったに違いないのですが、しかしその時に得られた結論は、最終商品には応用されていません。
議論の途中に出てきた「ヒラメキのカケラ(serendipity)」のほうが、製品化には重要だったみたいです。
この商品はSmartgames社からの新発売にはならなかった。別会社に製造と販売とを依頼することになった。あるとき、製造担当からこんな連絡をもらった。
「今回の商品は3D化することにしたよ」
どんな風に仕上がるのか楽しみにしていたのだが、試作品を見てとても落胆した。
周囲の人形などがレリーフ(半立体彫刻:浮き彫り)になっていただけだったのだ。
(こんなの、3D化ってわざわざ言うほどのことではない。)
私はこの事件を経て「商品化っていうのは、アイデア出しから製造販売まで全工程に自分が関与していかないとダメなんだな」と思うようになった。
(これ以後、私は製造段階にまでクビをつっこむようになったのである。)
人形たちのレリーフ化を全否定するつもりはない。しかし私はSmartgames社がその後に販売した「GoGetterファイナル版」の製品形態が大好きだ。
まず第一に表面がつるっと平面なのでユーザーの利便性が良い。おまけに引き出しの中に問題集もゲームピースも全部収納可能だから本棚への収納や、おでかけ時の持ち運びにも便利だ。そもそも、同じ販売価格で問題集が24問から2倍の48問に増加している。コスパも良いのだ。
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レリーフ(半立体彫刻:浮き彫り)って、「売り」とか「店頭陳列時の宣伝効果」としてはイイかもしれませんけど、購入後のユーザーにとっては邪魔くさいだけです。
ユーザーの「楽しい暮らし」のことまで、すなわち、買った後のコトまで考えてくれてる Raf Peeters 氏に一票を私は投じたいと思います。
ともかく、このような経緯を経て GoGetter という商品が誕生し、同時にSmartgames社の商品開発の方向性が決定づけられたのでした。
この作品がきっかけとなって Raf Peeters 氏はパズル作家になってしまうわけです。しかし残念なことに GoGetter は「製造終了(廃止)」になっちゃったんですよ。
今日では、Smartgames社の「Magic Forest」(同テーマの類似商品)を購入することによって、当時の雰囲気をしのぶ事しかできないのです。
当時と同じモノ=実物が欲しいなあと思っています。
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当初、GoGetterには小さな物語ブックを添付してストーリー仕立てで12問のパズルを解く仕掛けを考えていた。だが、最終商品では物語はナシに決定された。
しかし、子供たちは自分でストーリーを作って遊ぶらしいことに私は気づいた。
あるとき、子供に次のように言ってみた。
「ウン。よくできたね!じゃあ、次はネコさんとネズミさんとをつないでみようか?」
「イヤだよ。やりたくない。」
「どうして?」
「だって、ネズミさんがつかまっちゃう。食べられちゃうもん。」
自分の子供のころを考えてみても「ごっこ遊び」とかやっていたことを思い出します。
(自分の過去を思い出してみても)子供って、パズルを進めながら自然に自分の心の中にストーリー仕立てで遊び始めるような?そんな気がします。
残念ながら大人になった私には出来なくなってしまったことです。
小さい頃はもっと自然に「ごっこ遊び」や「ストーリー仕立て」をしていたような気がします。
GoGetter ファイナル版は Smartgames社の草創期・黎明期の商品だったせいで製造販売された個数も少なく、eBayとかオークションとかでもなかなか見かけません。
*香港製などのゾロゾロ商品は2025年時点でも中古市場に多数出回っていますけれども、香港製は残念ながら24問バージョンのコピー品なのです。
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はじめて世に出たGoGetterがこれで・・・・
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道路と、運河との2種類のルートになり、ちょっと難しくなったのが2号機
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外周部に、隣のマスと道がつながってる「U」部分があるので「王子はドラゴンと道がつながっていない」などの「つながっていない系の問題」が難易度アップ。
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ワープトンネルがあるせいで、思いがけないほどの遠くと道がつながる恐れあり。頭が混乱する。
なんだかんだで4つ合計すると全192問にも及びます。圧巻です。
***
あぁ、それにしても GoGetter ファイナル版(48問版)が欲しいなあ・・・・・・
ちなみに、3号機(Prince&Dragon)の香港版は持っているんですよ。
はじめのうちは4種類全部集めようと意欲を燃やしていたのですが、途中で「ファイナル版」の存在を知ってしまい「香港版はもう欲しくないや」と収集の意欲が消え・・・今に至ります。
さて、この記事を読んだあなた。
せっかくのチャンスですから、現在も入手可能な Magic Forest パズルに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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