映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッション」を観て(ネタバレ含む)
【注意】#ネタバレ を含みます。
✲はじめに
原作のファンであり、単行本派である私。当然のように第一作と第二作の映画も映画館まで観に行った。どちらもとても面白く感動した覚えがある。今回の第三作も期待をして、遅ればせながら(08/26に)鑑賞させてもらった。
感想を一言でいうと「めっちゃくちゃ良かった!!素晴らしい!!」である。観たあとは多幸感でしばらく気持ちがふわふわしていて、現実に戻ってくるまで時間を要した。
ようやく気持ちが落ち着いたので、内容を思い出しながら感想をまとめていきたいと思う。
もしも、まだ作品を観ていないという方がいるならば、この記事を読む前に是非とも鑑賞してもらいたい。
今回の作品は、全体的に良いと思えるところばかりだったので、前回の記事「映画「竜とそばかすの姫」を観て(ネタバレ含む)」とは少し異なる書き方をしていきたい。
ちなみに、前回の記事はこちら。多々ネタバレを含むので、閲覧する際は気を付けてほしい。
✲特に注目した点
今回、私が注目した点をまとめると…
・アクションシーンの迫力が半端ない!
良すぎる作画とカメラワーク。
・ヒロアカ初心者でも分かりやすい!?
物語が面白い。
・ゲストキャラクターが魅力的!
今後も登場して欲しくなるキャラ設定と声の演技力。
…の三点となる。
次からそれぞれ詳しく書いていきたい。
✲アクションシーンの迫力
まず、映像についての話をしようと思う。
映画を観てはじめに感じたことが迫力の凄さで、おわりに感じたことが崩れない作画の美しさだった。そこで特に注目したいのは、バトルシーンなどを魅せる「カメラワーク」と、迫力があっても綺麗な「作画」である。
謎の組織である「ヒューマライズ」にヒーロー達が突撃するシーンでは、戦っているキャラクターを魅力的に見せるようにカメラワークが切り替わり、思わず「おぉ!」と声をあげたくなるくらいの凄さに驚いた。
作品の中でも一番のお気に入りは、主人公デクがゲストキャラクターであるロディを追いかけるシーン。個性を使わずに逃げ回れるロディの身体能力にも驚いたが、建物の上を逃げ回るロディをアップにしたカメラワークがすごく印象に残っている。
とにかく、迫力がやばい!!
その後の、ヒーロー達の名前や担当する国が紹介される映像では、その分かりやすさとカッコよさに冒頭なのにも関わらず、すでに感動した。え、みんなカッコよすぎない? ここだけでも原作ファンは観る価値があるのでは? そんな風に思ってしまった。
良策の予感を抱きながら観続けていくと、最後まで崩れない綺麗な作画。素晴らしい!! 映画館の大きな画面で観る価値のある作品だと感じた。
✲分かりやすい物語
次に、物語について話をしたい。
物語が進むにつれ、その初心者でも分かりやすい内容に感心したし、映画館で観ていると、毎回、途中でトイレに行ってしまう私だが、内容から一時も目が離せなくて、最後までトイレに行くのを我慢したくらいだ(笑)それほどに、めっちゃ面白かった…!!
特に、ロディが敵に解除キーを渡そうしてから反抗するシーンや、途中消えかかっていたピノが解除キーをさして爆弾を止めたシーンでは、感動して涙が出そうになった。魅せ方、分かってる…!! さすがヒロアカという感じだった。
初心者に分かりやすい理由としては、登場する主要人物を絞っているところと、OFAの詳しい説明を省いていること、けれど、ヒロアカ要素がちゃんとあることなどがあげられると思う。
今作で主に登場するメンバーは、主人公デクと幼なじみでインターン先が一緒の爆豪、同じくインターン先が一緒であるクラスメイトの轟、ゲストキャラクターのロディだ。その他に敵としてフレクト・ターンも多々登場するが、メインはその四人とみていいだろう。
前作の「ヒーローズライジング」では、クラスメイト全員が登場しそれぞれが活躍した。原作ファンには堪らない内容だったが、どちらかといえば、事前に知識がないと分かりにくい内容だったと思う。なので、前作はファン向けの内容だったといえる。
それに対し、主要人物を絞ることで混乱を少なくし、「この世界には「個性」という異能力があって、その能力を活用した「ヒーロー」という職業があって、ヒーローは敵(ヴィラン)と戦って取り締まる職業だ」という必要最低限の知識があれば楽しめる内容になっていたと思う。
また、その一因として、OFAの詳しい説明を省いていることもあげられるのではないだろうか。説明を省き、オールマイトとデクの関係は「師弟」とだけデクが言及している。分かりやすい。
もし、以前はデクが無個性で、個性を讓渡してもらい〜なんて詳細を説明し出したらキリがないし、情報量が多過ぎて分かりにくい。さらに、原作ファンにとってはすでに知っている内容なので、今作では思い切って省略して良かったと思う。
そして、この作品の良いところは、主要人物を絞って詳細を省いているのにも関わらず、しっかりとヒロアカ作品として原作ファンも楽しめる内容になっていたという点だ。
デクは相変わらずヒーロー精神旺盛で、狙われたロディを庇ってしまうあたり「やっぱりデクだなぁ」と感じたし、ゲストキャラクター以外のメイン三人の関係性が、以前と比べて良くなっているところも成長を感じて楽しめた。文句を言いながらも、ちゃんと協力する爆豪…本当に成長してるね…!
さらに、個性に対しての疑惑やいざこざ。考え方の違いなどもギュッと濃縮してあり、この世界の世界観というのも伝わりやすかったのではないだろうか。
終盤、デクがフレクト・ターンと戦うシーンでは、かのオールマイトを思い出させる連続パンチを繰り出して勝利し、非常に感慨深かった。デクの成長を感じ、ここで感動しない原作ファンはいないだろう…! と思ったほどだ。
更に向こうへ! Plus ultra!!
お決まりの台詞もあり、期待を裏切らない展開で、原作ファンにも初心者にも楽しめる作品だと考える。
✲魅力的なゲストキャラクター
最後に今作のゲストキャラクターについて話したいと思う。
《ロディ・ソウル》
※デク・爆豪・轟の3人が降り立った地<オセオン>のトレーラーハウスで暮らす少年。 育った環境のせいでヒーローに対してすら不信感を抱いている。お調子者でひょうひょうとした性格だが、本心は誰にも明かさない。
※公式サイト《character》の紹介文から引用。
今作では、強盗された宝石の運び屋を仕事にしていることから、主人公たちの目指すヒーローとは反対に、敵(ヴィラン)寄りの生活をしているロディ。物語が進むにつれ、それは好き好んでやってるわけではなく、生活をするために仕方なくそれを選んでいるということが分かってきた。
初めは、敵側だという雰囲気を醸し出し、強盗された宝石を奪還しようとするデクから逃げ回り、奇しくも一緒に逃亡することになってからもマイナス的な言動が多々あった。
しかし、最後には敵の期待を裏切り、デクに協力して爆弾を解除するに至る。
その成長に感動したし、彼の本音が実は…と知った時は、思わず、もう一度見返したくなるくらい衝撃を受けた。なるほど、あの時の行動にはそういう意味が…! 空港でデクと別れる際には、号泣するピノを観てほっこりした。
しかも、最後では今の仕事を辞めて、真っ当に生きることを決意する。彼には是非とも立派なパイロットになってほしい! 今後の活躍も応援したくなるくらいにキャラが立っていた。
この記事を書くにあたり、他の方の意見も参考にしようとリサーチした結果、彼が推しになった! や、本編でも活躍してほしい! などの意見を多数見つけ、やっぱり魅力的なキャラクターなのだと再確認した。
そして、その魅力の一つに、声優を務めた「吉沢亮」の演技力の高さがあるといえるだろう。
本職は俳優であり、ゲスト声優という立場ながら、周りの声優陣と混ざっても違和感なく溶け込んでいたその演技力。
実は恥ずかしながら、事前情報を全く仕入れずに「ヒロアカの映画が公開しているらしいから観に行った」というレベルだった私は、当然のようにゲスト声優が誰なのかも知らなかったし、ゲスト声優に対してさほど興味もなかった。
なんとなく、ゲストキャラクターの声優といえば「本職が声優じゃない方がやるのかなー」とは考えていたが「引っ掛かりを覚えるだろうな」というぼんやりした予想は外れ、最後まで違和感を覚えることなく鑑賞できたため、すっかり本職の方が演じていたのだと思い込んでいた。
観終わったあとに「一体、どの声優さんが演じてたんだろう?」と調べた結果、吉沢亮という存在に辿り着いたのだ。
いや、普通に驚いた。
え、本職は俳優の方!? めっちゃくちゃ上手だったんですけど!!
今まであまり俳優(というか、三次元の人間)に興味がなかったが…今後は彼の活躍が気になってしまいそうだ。好感度急上昇…!
この作品は私のような人間でも、俳優である彼に興味をもてる良い機会であり、また、今後も吉沢亮に声優をしてもらいたいと思えるだけの実力を感じられるものであった。
また、作品内容が初心者向けでもあるため、逆に彼が目当てであるファンの方々にも楽しんでもらえる作品だったのではないかと思う。
✲さいごに
書き出してまとめると、改めてこの作品の良さに気が付けたような気がする。
映画の感想をまとめるのは二回目で、まだまだ初心者なため拙い文章だが、少しでも共感してくれる方がいると嬉しい。
この作品はDVDが発売されたら必ず手に入れるだろう。映画館では、本日(08/28)から第二弾の特典であるミニ色紙が配布されるらしいので、行けるのならば早めにもう一度観に行きたい。
今後の映画化や本誌の展開にも期待が高まる。