古い木枠の天文スライド|写真×エッセイ
教室に広がるガラスの宇宙1900年、イギリスの田舎町にある小さな学校で、科学教師は天文スライドを箱から取り出した。
職人が手で、硝子に星や彗星の絵を描き、木枠にはめたものだ。
少年たちは暗い教室の中で、幻燈機から発せられる光に頬を輝かせながら、壁に現れた十二星座を見つめる。
痩身の科学教師は淡々と教科書を読み上げる。”Aries, Taurus, Gemini, Cancer, Leo, Virgo…”
120年後の今、天文スライドは私の部屋にある。
古いものには、造形の魅