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金春色の話
金春色、こんぱるいろ と読みます。
別名・新橋色。こちらの名前の方が色の世界では有名かもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1709255272669-rK0YMqNVFO.jpg?width=1200)
今でいうターコイズブルーに近いこの色は
明治になって入ってきた舶来の合成染料の色です。
江戸時代の染料はほぼ天然染料。
(幕末にいくつかの合成染料が入ってきてはいましたが)
特に「青」の染物は「藍染め」以外にはありませんでした。
いまでこそ、あらためて藍染めの美しさに
私たちは強く惹かれますが
長年藍染だけを見続けてきた人たちにとって
合成染料ならではの明るい発色の
パキッとした青・金春色は初体験の色。
そんな新しい色に飛びついたのが
新橋・金春新町に置屋を構える芸者さんたち。
![](https://assets.st-note.com/img/1709255375403-LqSK5x88lk.jpg?width=1200)
彼女たちの衣装の華やかな色を目にした人々は
「新しい時代」を肌で感じたかもしれません。
この色は明治から大正にかけての大流行色になりました。
先日、戸沼ゆきえさんの銀座の街歩きに参加して
あらためて金春通り(旧金春新町)の位置関係を把握しました。
新橋旧停車場から新橋を抜けて銀座へ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709255314778-guJ7zeqlHV.jpg?width=1200)
新橋旧停車場へは、貿易の港・横浜から様々な舶来品が
運ばれてきた場所。
そこから銀座にかけては、いち早く舶来ものを店頭に並べた
商店が続きました。
新橋・銀座は「文明開化」をいち早く感じさせる場所。
そこから広がっていく新しい青・金春色。
その色を見るたびに世界が広がっていきそうな
まだ見ぬ異国へのあこがれ、そして
ワクワク感を抱えていた方も多かったかも。
そんな情景を想像してしまいます。
そんな金春色(新橋色)は、
ゆりかもめ新橋駅のテーマカラーにもなっています。
訪れた際には、ぜひ探してみてくださいね。