【実家の介護未満】父のお友達 2019.4.30
はじめに 2023.9.3
父が3日前に他界した。昨年亡くなった母の命日の2日前だった。そんなに仲良しだったのかな?と思うが、病院での治療に飽き飽きした父を、もう目に見えなくなった母が迎えにきて一緒にあの世に連れて行ったのかもしれない。大きな満月の日だった。
父のことを書いた日記も少しあるから、供養のためにこのマガジンに追加していこうと思う。
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父のお友達 2019.4.30
妹が旅行に出ているため、実家で二人きりになってしまう両親の様子を見に行った。
父がデイサービスのカラオケ大会で歌う歌の選別をしたいというので、YouTubeで懐かしの昭和歌謡を見せていた。便利な世の中だ。
無口な父が珍しくポツポツ話してる。
「カラオケの友達がデイ(デイサービス)をやめちゃうんだよね」
と言う。
「スゴくうまいんだよね。」という。
「ふーん」
「あんなにうまくは歌えないな~」
暫し沈黙。五木ひろしの「よこはまたそがれ」がながれつつ。
「将棋と麻雀ができるデイサービスってあるのかなぁ?」
と、唐突に聞く。今のデイサービスだってできるけど、飽きてきたのかな?と思って、今度ケアマネさんに聞いてみると答える。
「デイで仲良い人さ、スゴく将棋もうまいんだよ。将棋なんか段を持ってて、みんな相手にならないんだけどさ、
なんでか、俺と仲良くしてくれて、ちょっとだけ相手してもらって、教えてもらってさ、
それで麻雀の時にさ、うまいねって言われて、教えてくださいよって言ってくれて、麻雀の本を貸してあげたんだ😀」
「それで、将棋を教わって、麻雀を教えるってやってたんだけど、
彼、デイやめちゃうんだよね。。。」
「…」私は何となく、なにも言えないで画面を見つめていた。
その日は、理学療法士さんが来る日で、男性の方だからなのか父の唯一の話し相手になっていた。母とも妹ともケアマネさんともちがう、おしゃべりできる人。
無口な父が隣の部屋で理学療法士さんと話している声が聞こえる。
「、、、っでさ、やめちゃうんだよね。」と父。同じ話したんだな。
理学療法士さんが
「やめちゃうんですか~、さみしいですね~」と言う。
「さみしいんだよ~」
と父が言う。
私は台所で、私は父とこういう風に会話できないなぁ~とちょっとほろっときた。
それが言いたかったんだね。
無反応の娘ですまぬ。
いそがしいけどどうしても書きたくなって書いた。
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2022.9月 追記
母の供養のために集めている過去の日記なのだが、今回は父だけの話。メモ的に。父は無口で友達のいない人なのだが、好きになれそうな、目標となりそうな男性に会うとインスパイアされるらしい。今はCovidで特養ではずっと自室にいて、別の階の将棋相手とも会えなくて、気の毒。。。
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