山下月子とmimiko.to.yoko

大人の絵本を描く人です。 お話と絵を通じて自己治癒力を探求しています。 2017年にANCA関連血管炎による急速進行性糸球体炎(腎炎)で入院。人生終わりかと思いきや充実の入院生活。病室で書いた気づきの日記はマガジンに。「脱闘病=病気と戦わず」「治療に主体的に取り組む」で寛解。

山下月子とmimiko.to.yoko

大人の絵本を描く人です。 お話と絵を通じて自己治癒力を探求しています。 2017年にANCA関連血管炎による急速進行性糸球体炎(腎炎)で入院。人生終わりかと思いきや充実の入院生活。病室で書いた気づきの日記はマガジンに。「脱闘病=病気と戦わず」「治療に主体的に取り組む」で寛解。

マガジン

  • 山下月子の絵のない絵本

    山下月子の作った自己治癒力発動パワー(?なんなん?)のあるお話。精神的に追い詰められ生と死の狭間の河原をお散歩しながら見つけた、キラッと光る小石のようなストーリーの備忘録です。ま、とにかく書いたらここに集めて、イラストは後でつけるつもりです。

  • 【実家の介護未満】

    実家によりつかなかった私が、徐々に老いる親との付き合うようになって、Facebookで書いてきた介護未満のエピソードを集めました。

  • あなたと家族になった動物の絵を描きます<第一部・全6回>

    犬や猫、あなたと共に暮らす動物のストーリーを絵にします。作成の過程と作品を紹介しています。2023年3月で第一部が完結しました。

  • 腎40のメモ:闘わないで楽しい入院生活

    2017年秋に原因不明の腎機能低下により入院することになったアレクサンダーテクニーク教師のヨウコが「闘わない」「主体的に取り組む」をモットーに楽しい入院生活を通じて自己再生する過程を書き綴ったメモ。Facebookにて連日投稿した記事をまとめました。

最近の記事

【絵のあるおはなし】泳ぎ疲れた犬の話3

泳ぎ疲れた犬の話1 泳ぎ疲れた犬の話2のつづきーーー 海(みたいなもの)の中で泳ぎ疲れた犬には、なんの希望もなかった。そして、地面を踏み締めて線路の上を走ったことを思い出していた。 ーーーー 「どうしたの?」 突然話しかけられて、うっとりと思い出に浸っていた犬は慌てて塩水を飲んでしまった。 「ねえ、どうしたのさ」 それは、高い岩山に生息する山羊の声だった。かけ離れたところにいる二人は、犬が地面に住んでいた時から仲良しだった。二人はお互いに姿は見えないけれども、まるで電

    • 【絵のあるおはなし】泳ぎ疲れた犬の話2

      泳ぎ疲れた犬の話1のつづきーーー 海(みたいなもの)の中で、犬はとにかく疲れていた。なんの希望もなかった。そして、泳ぎ疲れると気を紛らわすために思い出に浸った。 ーーーー それはもっともっと昔の話。 夕日の落ちる少し前、犬は線路を走っていた。くねくね曲がる線路の先、山の向こうに、夕日が落ちるところだった。走って走って走って、光る鉄の路を味わった。伸びていくカーブは、眩しくて、美しくて、大地の形をなぞっていた。犬は目を細めた。汽車は来ない。走る犬の足元から、遠く彼方へつながっ

      • 【絵のあるおはなし】泳ぎ疲れた犬の話1

        犬は泳ぎつかれていた。からだが冷たくなって骨がぎしぎししていた。鼻は(こんな海のまんなかじゃ、鼻を効かせる甲斐もないのだけど)ひりひりしていた。とにかく具合が悪かった。いったい、いつから、どのぐらい長いことこうしているのか、わからないけれど、いつの間にかこうなっていた。泳げばどこかにたどり着けるのか、それすらわからない。足を動かさなければ沈んでしまいそうだ。 「沈んじゃおうかな・・・もう、泳げないもん。」 犬は昔、悲しいことがあった。それで、泣いてしまった。泣いていたら雨

        • 【実家の介護未満】ドライバーさんたちと友達候補2019.10.22

          2023.10.15 あっという間なのか、ずいぶん時間が経ってなのか、来週は父の四十九日。納骨式だ。妹は母の時も、お骨を持って家中を見せてあげたそうだから、今回も家ツアーをしてあげるのだろうか。泣いちゃうな。。。 (実家の介護未満では、母と父の供養のために過去の日記を掲載してます) ----------- 2019.10.22 (四年前) 病院とか老健とか特養とか 妹が旅行に出かけるというので、実家に泊まってきた。 父は実家の近所のショートステイ先にいて、来月、介護老人

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        • 山下月子の絵のない絵本
          10本
        • 【実家の介護未満】
          22本
        • あなたと家族になった動物の絵を描きます<第一部・全6回>
          6本
        • 腎40のメモ:闘わないで楽しい入院生活
          23本

        記事

          【実家の介護未満】2019.10.19 髪を切ってもらった

          2023.10.1 父の月命日。ということにした。本当は31日付で亡くなったのだけど、9月は30日までだった。だから10月1日でいいのかな????閏年の2月29日の人はどうなるの? *日記に出てくる老健というのは介護老人保健施設のこと。自宅等で生活するためのリハビリを目的とした施設で半年くらい入所できる。 ------ 2019.10.19のこと 【初ショートステイ】 父は足の皮膚の治療が済み、リハビリ病院を経て退院する。しかし、未だ歩行困難。自宅での生活はまだ難しく

          【実家の介護未満】2019.10.19 髪を切ってもらった

          【実家の介護未満】入院と転院と父たるものの心の中 2019.8.30

          2023.9.18 今月亡くなった父の供養のために、過去のメモをシェアしています。今回は長編だが、最終的に予言。。。😱 ------- 2019.8.30 初入院した時の話 先月末(2019年7月)に、父が足の傷の治療のため生まれて初めて入院した。この1ヶ月間の間の変化と気づき。 家にいるとき、父は一日中座ってテレビを見ている。すると足が浮腫んでしまう。足を上げましょうとか、動かしましょうとか、人に言われても頑として言うことを聞かない。たまに横になることすらしないから

          【実家の介護未満】入院と転院と父たるものの心の中 2019.8.30

          【実家の介護未満】勝手に自由に言語化する😆2019.9.10

          2019.9.10時点、父は自宅へ帰ることを目標にリハビリ病院に入院していた。 1リハビリについての話 リハビリ病院には広いソファ付きの運動スペースがある。父に会いに行くと、病室から出てきてそこで談話する。先日訪問した時、 父「朝は女の先生がここで(リハビリを)やってくれる。夕方は男の先生と道場に行ってやる。」と言っていた。 その後、妹に「パパがリハビリ室のことを「道場」なんて言ってたよ😂」と、報告すると、妹はマジ顔で「あー、なんかそういう風に言うみたいね!」とまるで

          【実家の介護未満】勝手に自由に言語化する😆2019.9.10

          【実家の介護未満】父の日と内観 2019.6.17

          2023.9.12 父が亡くなってから、空にフカフカ雲が浮かんでいるのを見ると、なぜか父がそこに乗っているような気がして目が熱くなる。妹に言ったら「乗れるかな?」という。父は重い人だったから。 一年前に、死化粧をした母を納棺した時、そのご遺体の軽さに驚いたが、ついこの間、父のご遺体を納棺した時、今度はそのしっかりした重さに驚いた。男女の骨格の違いなのか、車椅子でも毎朝運動していたからなのか。。。 父はお風呂が大好きだった。納棺の日に、湯灌というのを頼んだ。ご遺体をお風呂に入れ

          【実家の介護未満】父の日と内観 2019.6.17

          【実家の介護未満】ボキャブラリー 2018.7.23

          足がむくんでしまう父の付き添いで大きめの病院へ。死ぬほど暑い夏なのに、自分も養生中なのに、予約を2時に入れた私、あほ!と思いつつ猛暑のお昼頃に実家に到着。無謀といえば無謀。 でも、実家からの移動は涼しいタクシーだし、病院は空いていて楽々だった。とはいえ、検査、問診とか時間はたっぷりかかって、それより父の医師との会話がちぐはぐすぎて通訳に疲れた😀 「足のむくみはいつ頃からですか」 の問いに対して、以前タコができたときの足の痛みについて語りだし、それはさっきも言ってたよねと苦笑

          【実家の介護未満】ボキャブラリー 2018.7.23

          【実家の介護未満】ホッチとプラム2019.7.12

          2023.9.8 施設の父の部屋で棺に入れるものを探した。父は妹が毎週差し入れにつけていた一言メモや、母や私からの手紙を几帳面に残していた。その中に、母から父への愛情溢れる手紙が見つかった。父の謝罪を受け入れ、母からの謝罪、感謝と愛情を伝えた手紙。私や妹が知らなかった両親の邂逅があった。 えー?そうなんだ〜!?😭と思った。 父からは、認知症になり悲観的になっていた母への励ましの手紙があった。トップ画像はその一部の言葉。4人で海に行った思い出を描いて父の言葉を載せました。 --

          【実家の介護未満】ホッチとプラム2019.7.12

          【実家の介護未満】井上陽水と空気の存在 2018.4.14

          2023.8.31に父が亡くなって昨日告別式だった。母の供養のためのこのマガジンだけど、今は父の供養のために、父のことを書いた日記を遡ってシェアしてます。告別式までもろもろの準備中、父の好きだった井上陽水や八代亜紀をBGMにして聴いていたのだけど、昭和の歌い手さん、うまい!名曲揃い!告別式でもBGMで流した🎵今日の日記は、その井上陽水のエピソード。 -------- 2018.4.14 「Sさんと井上陽水」 昨日はサンドイッチを買って両親の住む実家へ。 パーキンソン病で

          【実家の介護未満】井上陽水と空気の存在 2018.4.14

          【実家の介護未満】ソウルフードとか美味しいもの 2017年9月5日

          2023.9月 過去に書いた日記をシェアしています。これは、まだ父が実家にいた頃の日記。頑固度150%。頑なにショートステイを拒み、外泊するぐらいなら死ぬ方がマシだという時代。まさかこの後、病院に泊まったり、老健に泊まったり、果ては特養に住むことになろうとは。。。未来から過去を見ると、いつも人は最善を尽くしているのだとわかる。そして、小さな幸せを見つけることって大切だなと思う。 ------- 2017年9月5日 ソウルフード 父は長くパーキンソン病を患っていて、家の中

          【実家の介護未満】ソウルフードとか美味しいもの 2017年9月5日

          【実家の介護未満】父のお友達 2019.4.30

          はじめに 2023.9.3 父が3日前に他界した。昨年亡くなった母の命日の2日前だった。そんなに仲良しだったのかな?と思うが、病院での治療に飽き飽きした父を、もう目に見えなくなった母が迎えにきて一緒にあの世に連れて行ったのかもしれない。大きな満月の日だった。 父のことを書いた日記も少しあるから、供養のためにこのマガジンに追加していこうと思う。 ---------- 父のお友達 2019.4.30 妹が旅行に出ているため、実家で二人きりになってしまう両親の様子を見に行っ

          【実家の介護未満】父のお友達 2019.4.30

          足元を掬われて倒れた人へ

          人生は不思議なものだ ある時、思わぬことから 足を掬われることがある 倒れて泥だらけになって 初めは何が起こったか さっぱりわからない 赤ん坊だったら すぐに笑って起きるだろう けれど、 生まれた時よりもおそらく 死ぬ時のほうが近いくらい 人生を旅してきた わたしは そうすることを 思いつけなかった 起き上がって ひどいじゃないか というと 再び、どつかれて 倒れる 何が起きたのだろう? まだそのことが理解できずに ひどいじゃないか と、また立ち上がる 同じことがなんど

          足元を掬われて倒れた人へ

          ワンコとあなたの物語を絵にします-5(最終話) 「子犬のワルツ」の音色とともに

          さてさて、お久しぶりとなりました。 Yさんとワンコたちを描いた絵「子犬のワルツ」、とっくの昔に完成してホッとして、いつしか、このマガジンの最終話も書いたつもりになっていました💦 先日友人がnoteを通読してくれた際に「完成した絵の話を読みたい」と言われて、はたと、最終回を書いていないことに気づいたうつけ者です💦 気づいたらならば書きましょう。書きましょうとも。 前回までのお話の要約 Yさんからのオーダー、「マルチーズの大吉の絵を描いて!」から始まり、二人でワクワクしなが

          ワンコとあなたの物語を絵にします-5(最終話) 「子犬のワルツ」の音色とともに

          ありがたいお言葉 :おはなし

          【ありがたいお言葉】 夕方、禅寺の前で立ち止まったが なぜ立ち止まったのか わすれてしまった 空っぽの掲示板をみつめながら ああ、そういえば いつものありがたいお言葉が 貼り出されていないな と、気づいた 立ち止まったおかげで 大きな松があるのに気づいた もうだいぶ日が傾いていたから 松の木は下から光線を浴びていた わたしは おひさまは上にばかりいるのだと思っていた そのことに気づいた #おはなし #山下月子 #夕日

          ありがたいお言葉 :おはなし