見出し画像

「障がいを得意に変える!」  ドライフルーツブランド王様のおやつ製造現場マネージャー 綾部小百合のこだわり

2022年10月より「王様のおやつを支える人たちのこだわり&想い」などを半年間にわたってお伝えする連載企画がスタート。

王様のおやつ」は、障がい者の自立支援を目的とする協同組合「レインボー・カフェ・プロジェクト」が運営するドライフルーツブランドです。

障がいはマイナスではなくプラスへ。障がい者のつくり手さんの“得意”をかけ合わせてドライフルーツをつくるのが王様のおやつ流!

今回は……
製造現場マネージャーとして、商品の品質管理や、障がい者のつくり手さんが活躍できる環境づくりなどを担っている綾部小百合が、「王様のおやつ製造現場のこだわり」について語ります。


支援員さんとの連携プレーで、障がい者が“得意”を発揮できる環境をつくる

わたしたちは「協同組合」なので、加盟してくださっている障がい者福祉事業所の利用者さん(障がい者のつくり手さん)と、指導やサポートにあたる支援員さんが集まり、ワークシェアリングの形でドライフルーツ製造が行われています。

大事なのは、支援員さんとの連携プレーによって、障がいを持つ人が“得意”を発揮できる環境づくりを行うこと。

障がい者のつくり手さんのなかには、大きな声が苦手な人、伝え方を工夫する必要がある人など、特別な配慮が必要な人たちもいらっしゃいます。

そこで、支援員さんが、障がい者のつくり手さんの心身の状況や、得意・不得意などを細やかにキャッチ。気持ちよく働けるための配慮や、それぞれの“得意”が発揮される作業分担を決めてくださってます。

わたしは製造現場マネージャーとして、支援員さんとこまめにコミュニケーションを取り、さまざまなご相談にも応じています。たとえば設備面でいうと「もう少し台を高くしたほうが作業しやすい」というご相談があれば、どうすべきか一緒に考えて足場を改善する、といった感じで。

製造現場の責任者でもあるので、きちんとしたドライフルーツ商品をお客さまにお届けするための品質管理はもちろん、障がい者のつくり手の皆さんが少しでも働きやすい環境づくりにつなげられるように頑張っています。


障がい者の“得意”をかけ合わせてドライフルーツをつくる

製造現場のこだわりは、障がい者のつくり手さんの“得意”を引き出してドライフルーツをつくること。誰が何の作業を担当するのか、障がい者のつくり手さんの特性を理解する支援員さんの判断をもとに決めています。

● カットが得意なつくり手さん
日本イチジクのドライフルーツづくりでは、お客さまにとって食べやすい形「くし切り」にこだわっています。まず包丁で半分にカットし、さらに細かく等分します。でも……きれいに等分することを苦手とする障がい者のつくり手さんも多いのが現実。(わたし自身も難しいですが)

そこで、カットが得意なつくり手さんが大活躍してくださっています。

● 並べることが得意なつくり手さん
カットしたフルーツを乾燥用トレーに並べる作業では、乾燥にムラができないように、フルーツ同士が重ならずに並べることが重要。

こちらはいちご紅ほっぺのドライフルーツづくりの一場面。並べるのが得意なつくり手さんが、本当にきれいにテキパキと並べてくださっています。

● シール貼りが得意なつくり手さん
商品の顔として重要なパッケージ。パッケージシールを何も印がない場所に歪まずに貼ることは意外と難しいんですよね。(わたし自身も難しくて)

そこで、シール貼りが得意なつくり手さんが、本当に美しく貼ってくださっています。


おひとりおひとりに合うやり方を一緒に見つけて、働きやすい製造現場をつくる

わたしが障がい者のつくり手の皆さんとご一緒していて思うのは、障がいの有無に関わらず、みんな一緒なんだということ。

どんな人にも得意・不得意はありますし、作業しやすいやり方も、働きやすい環境も、異なります。だからこそ、おひとりおひとりに合うやり方は何か、一緒に見つけていこうという意識を大切に製造現場をマネジメントしています。

障がい者のつくり手さん、支援員さん、当協同組合のスタッフ、そして仕入先農家さんなど関わり合う全ての皆さんとともに、もっともっと事業成長につなげていけるように頑張ります!

(2022/10/11放送)
地元岡山のRSK山陽放送さんが、SDGsに積極的に取り組む学校や企業、個人や団体を紹介するコーナー「RSK SDGsプロジェクト 瀬戸内から未来へ」にて、王様のおやつを取り上げてくださいました。

障がい者・農家・当協同組合が三位一体となって取り組む事業について、綾部がインタビューに答えています。ぜひご覧ください。

【綾部小百合について】
・協同組合レインボー・カフェ・プロジェクト マネージャー
・当協同組合が運営する「王様のおやつ」のドライフルーツ製造現場の責任者や、障がい者福祉事業所の雑貨や絵画などが並ぶカフェ「虹色商店」バイヤーとして奮闘中

子どもの就職を機に専業主婦を卒業。これまで、大学の学会の全国大会運営や、岡山県内の障がい者福祉団体の事務局長などを経て、現在に至る。

【無添加ドライフルーツ 王様のおやつ】
オンラインショップ(BASE)にてご購入いただけます。

インタビュー/執筆:柴田 惠津子

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集