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ダンニャワード

 我が家では、家族の誕生日付近の週末に外食をすると決めている。だいたい土曜の夜に食事をし、日曜の夜にケーキを食べる。食事の後にケーキだとお腹いっぱい過ぎて食べられないことがあるのでこのようなスタイルになった。

 今日は次男の誕生日パーティとして食事をしに行った。その日何を食べるかは、その日祝われる誕生日の人が決める、というルールにしてある。普段は何食べようかと言って相談し、あれは嫌だこれがいいなどと皆口々に意見するのだが、誕生日の時はもうお誕生日ist が最優先。その人が食べたいと言ったものをみんなで食べに行く。

 今年次男が選んだのはネパール料理。ナンが食べたいとのこと。ネパール料理店はけっこうあちこちにあるのだが、どこも店舗が小さく、駐車場がほとんどない。店の前の狭いスペースに2台しか停まれないとか、長い車を止めると歩道にはみ出すとか、目の前に電柱が合って大きな車は入れないとか、そんな劣悪な条件の店が多い。そこで、駐車場の状態を最優先にして店を探した。

 出向いたお店はどうやらインドカレーのお店だったようだが、正直なところ、インドカレーとネパールカレーの差はよくわからない。インド人とネパール人も区別がつかない。上の写真はそのお店で出てきた料理を撮影したものだが、これを見て「これはネパール料理じゃなくてインド料理ですね」ってわかるものですか? 詳しい人教えてください。

 さて、そんな具合にインド料理屋さんで食事をしたのだけれど、最近語学に凝っている次男、注文した料理が届くまでの間に妻のスマホを使ってGoogle 翻訳。「ありがとう」はヒンディ語でなんていうのかな、と。

 धन्यवाद

 …。読めないよ。しかしそこはGoogle先生、なんとなくアルファベットも書いてあるのと、なんとスピーカーマークを押したら音で聴くことができる。それを僕なりに聞いてカタカナにしてみたのが表題の「ダンニャワード」。

 料理を持ってきてくれた人(見るからにインドっぽい人)に次男が「ダンニャワード」と言うと、その人はめっちゃ笑顔になり、「オー、アリガトゴザイマス、ダニャワード、アリガトゴザイマス」と言って厨房へ戻って行った。

 ちゃんと通じたね、と話していると、さっきの店員さんが注文していないメイプルシロップまみれの巨大なナンを持ってきた。「これは注文してないよ」と言うと「サービスサービス」と言って置いていった。どうやらヒンディのありがとうがことのほか喜ばれたらしい。

 しかし、インド・ネパール料理によくある話なのだけれど、ワンプレートのカレーセットみたいな料理、たいていこれだけで超満腹になるぐらいボリュームがある。このお店も「ナンおかわり自由」とか書いてあるのだけれど、とてもおかわりできるような余裕はない。そこへ巨大なメイプルナンが届いたという事態。しかもそのころにはもう次男は「お腹いっぱーい」とか言って七割ぐらい残ったままのカレーを持て余していた。

 かくして、次男が残した0.7人前ぐらいのチキンカレーと、まるごと一枚の巨大なメイプルナンは、一人分のカレーセットを食い終えた僕が全部食った。腹が限界破裂である。気分的には明日丸一日何も食わなくていいぐらい腹十八分目であるが、不思議なことに多分明日の朝目を覚ましたら「なんか食お」と思うのである。人間燃費悪すぎである。

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