ブランデーを愛でる
家ではブランデーばかり飲んでいる。このところの外出自粛によって外で飲むことは無くなったので、結果としてブランデー以外の酒を飲まなくなった。
酒屋に行くと「ウィスキー/ブランデー」などという具合に、ウィスキーと並べて売られていることが多い。なるほど見かけの色はたしかにウィスキーに近い。しかし本来、括るのであればブランデーはワインの仲間だ。「ワイン/ブランデー」としてウィスキーとは分けたほうがカテゴライズとしては正しいと思う。
この誤解は日本でのブランデーの浸透具合によると思う。日本ではブランデーと言えば洋菓子を作るときに使う酒という程度の認識で、ワインやウィスキーに比して好んで飲む人が少ない。
この傾向は酒屋ではもちろん、書店でも顕著だ。お酒に関する本のコーナーをぜひ覗いてみてほしい。ワインやウィスキー、カクテル等の本は実にたくさんある。他にも日本酒、珈琲、紅茶等、飲み物本は選ぶのに困るほどある。
しかしブランデーの本はほとんどこれ一冊しかない。
かく言う私もこの本を買い求め、これを読んで初めて知ったことがたくさんあった。
ウィスキーは穀物の酒で、ブランデーは果実酒を蒸留したものなのだ。多くのブランデーはワインを蒸留して作られる。大事なのでもう一度書こう。ブランデーの多くはワインを蒸留したものなのだ。
「ウィスキー/ブランデー」という括りでしか認識していなかった私は、この事実を知った時目の覚める思いがした。ブランデーはワインの仲間だったのか、と。
そして、ブランデーがワインを蒸留したものなのであれば、国内でもワイナリーで作っているのではないか、と考え、調べてみた。
国産ワインとして私が真っ先に思い浮かべたのは、北海道は十勝、池田町のワインだった。池田町のワイナリーでもブランデーを作っているのではないか、いつか見学しに行ってみたい、と思っていた矢先、なんと札幌のスーパーで発見した。
「Genteel」。スーパーで買った池田町のブランデーはGenteel(ジェンティール)という名前だった。たしか5000円で少しおつりがくるぐらいの、マーテルのV.S.O.P.と同じぐらいの値段だった。
これが一本空いてしまう頃、新型ウィルスによって外出自粛になった。このブランデー、通販で買えないだろうか、と調べてみた。するとすぐに見つかった。
なんと十勝ワイン専門店。しかも池田町の池田駅の駅前にあるお店なのだ。ブランデーカテゴリを見るとGenteel もある。
あれ、スーパーで買ったよりもはるかに安いぞ…。
よく見るとラベルが少し異なる。真ん中に金の帯が入っていて、「町民還元用」と書いてある。これおそらく、地元池田町の町民向けに、安く出しているものなのではないか。それを通販で買えてしまって良いのだろうか。
非町民である私は少々迷いながらも、これを注文した。直後に出荷され、今朝届いた。
スーパーで買ったものとはラベルが異なるのと、スーパーにあったものは化粧箱がついていたけれど、町民還元用にはそれがなかった。
しかし送料を含めてもとても安い。通販サイトがあるのでおそらく全国どこからでも買える。
国内のワイナリーで作られたブランデー。スーパーではこのV.S.O.P.しか手に入らなかったけれど、和田ワインのサイトからは他の物も買える。しばらくは十勝ワインのブランデーを愛飲することになりそうだ。