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読書日記『はじめましてを、もう一度。』

これってホラー小説だったっけ?

私自身、ホラー小説は読んだことないが、この小説を読みながら終始そう感じていた。
実際は、ラブ・ミステリー小説らしい。

なぜ私がホラー小説だと思ったかというと、最後まで読んで真実が分かった瞬間、今までに感じていたゾワゾワ感が一気にゾッとおそってきたからだ。
物語の中の2人を想うと、恐怖を感じる。

読み終わってしばらくした今でも、あのゾッと感が湧き上がってくる…。

最後の結末でも私はゾッとしてしまった。これは、また種類の違ったゾッと感である。
正直、あの結末をどう捉えるのかは人によってかなり変わってくるだろう。
物語を読んだ私の感想としてはゾッとしたが、当人である2人にとっては自由で幸せな未来なのだろうと思う。

念のためもう一度いうが、この小説はホラー小説ではない。
“ラブ・ミステリー”である。

“ラブ”の観点では、「この子たちは本当にお互いのこと好きなんだろうか」とお節介な気持ちになってしまう。いろいろな壁はあるけれどピュアな恋愛を応援している親のような気持ちにさせられた。

“ミステリー”の観点では、怪奇の要素が強い。ただ、たまに登場する良く分らない数字がなんなのか考えながら読んでいたら、「そっちかい!」と小さなどんでん返しを喰らってしまった。

物語自体は、非常に読みやすくサラッと読める

人気者でコミュニケーション能力抜群の女の子と一人で過ごすのが好きな男の子

「くだん」という妖怪の呪いに縛られた女の子とその呪いに絡まれた男の子

呪いに引き回されながら頑張る2人の人生を私は応援した。

因みに、「くだん」とは重大事に関する予言を残し、その予言は全て的中するという伝承がある妖怪らしく、
物語は“「くだん」という単語をご存じだろうか。”で始まっている。

あらすじ

「付き合ってください」。高校二年のリケイ男子・北原恭介は、クラスの人気者・佑那から突然、告白された。断ったら、夢のお告げで、俺は「ずばり、死んじゃう」らしい。思いがけず始まった、謎だらけの関係! しかし自然と想いは深まっていく。だが、夢の話には裏が――。彼女が言えずに抱えていた、重大な秘密とは? 泣けるラブ・ミステリー。
https://www.gentosha.co.jp/book/b13655.html
幻冬舎・書籍紹介より

『はじめましてを、もう一度。』
著者:喜多喜久

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