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2022.6.5 ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語

昨日、PM8時ごろから友人2人と電話をして、日付が変わるまで話し込んだ。
高校の同級生で、今も長期休みや連休のごとに会う貴重な親友。
それぞれ近況を話し合う。
ふたりからは「卒論」や「インターン」「就活」といった話題がでるけれど、1学年下な上就活する人がほとんどいない大学に通っている私は、ふーん 、そうなんだ、大変だね、と言った相槌を打ってなんとか話題について行った。
夏休みになったらどこか遠出しよう、泊まってもいいよね、と約束して電話を切った。

寝支度、水を1杯飲んでベッドに入ったけれど、なんだか目が冴えてしまって寝付けないので「ストーリー・オブ・マイライフ私の若草物語」という映画を横になりながら観た。

この映画は公開時に、大学に入学してツイフェミ化、全ての事象に「男尊女卑だ!」「ミソジニーだ!」(ミ、ミソジニー?)と叫ぶようになってしまった、むかし大好きで尊敬していた友人が「観なければ人生終わるよ!」と瞳孔全開ですすめてきたので敬遠していた作品だけど、少女たちが大人になる過程を切なさまじる愛の眼差しでもって見守った情感溢れる素晴らしい映画で観て良かった。
小学生の頃に児童文学として編集し直された「若草物語」を図書室で借りて読んだおぼえがあったけれど、あの本はメグが結婚するところで終わっていた気がする。
だからローリーとエミーが結婚したのが少し衝撃だった。
このローリーという人はジョーやエミーの事が好きなのでは無く、「マーチ家4姉妹のジョー、エミー」のことが好きなのではないかなと思う。

観ながら、「マーチ家の経済状況、うちと似てるな…」となんとも興ざめなことを考えていた。
日々の食事にこと欠くわけでも借金があるわけでもなく、ましてや貧困家庭などではないけれど、どうしてか度重なる出費や貯まらない貯蓄のせいで母は家計簿の前でため息、そして周りの友人は裕福な家の子が多い(と思う)。

今まで若草物語のは主役はあくまでも次女のジョーだと思っていたけれど、この映画では4姉妹全員が丁寧に描かれていた。

長女のメグは優しく慎ましやかで愛のために貧乏を受け入れ結婚するも、本当は上流階級や裕福な生活へ憧れている。
だけどそれは叶わないと知っているのでいつも諦めたような眼をして笑っている。
次女のジョーは誰よりも自由で希望と活力に満ち溢れた強さがあるけれど、少しだけ自己承認欲求に振り回されて疲れているようだった。
ローリーのプロポーズを断ったことを公開して「今は愛されたい、寂しい。」と涙するシーンは、そう遠くない未来の自分をみているようだった。
三女のベスは病弱で少し引っ込み思案なところはあるけれど、本当は家族の誰よりも強いひとだと思った。家族の心が離れそうになるのを強く結び直すのはいつもベスで、自分の運命を嘆かずに人生を愛している。
四女のエミーは「良い結婚をして裕福で幸せな生活」を求める、いわばジョーのアンチテーゼ的キャラクターだけれど、エミーの「幸せな生活」の中にはマーチ家の生活も入っている。
マーチ叔母が彼女に言った、「良い結婚をして将来姉さん達を助けてあげなさい。」という言葉を実行しようとしているようにみえた。

仲良しな四人姉妹、それぞれが一抹の寂しさを胸に未来へ歩み出していく。
ジョーの「少女時代が終わっちゃう」という言葉の通りに。


朝方4時頃に眠りについて(最近いつも4時に寝ている気がする)AM9時頃に起きた。
午前中は部屋の掃除をしてお昼ご飯に冷やし中華を母とふたりで食べた。
妹は部活に行っている。
母とは昨日から喧嘩中なので、というかむしろ喧嘩しない日はないという状態なので相変わらずの無言の食卓を囲む。
夜中に観た「若草物語」の家族が少し羨ましくなった。
家族仲が険悪なわけではないけれど、うちの家族はそれぞれがそれぞれを、ちょっとずつ苦手に思っている。

午後は少しだけ昼寝をしたあと、新しく作った眼鏡ができたというので眼鏡屋に取りに行った。
今までの太い縁のべっこうから、細い金縁(少しピンク色に見えて可愛い)のフレームに変えた。
少しだけ調節の後、サービスのメガネケースをひとつもらって帰宅。
この眼鏡屋さん、私が3歳の時初めて眼鏡を作った時からお世話になっているのだけどもうすぐ閉店してしまうらしい。
人生で7個目の、このお店で買う最後の眼鏡を大切に使うつもりでいる。

帰宅してみると家の中は通夜みたいに険悪な雰囲気で、耐えられなくて自分の部屋に引きこもってこの日記を書いている。
家にもいたくないけれど、明日からまた1週間課題に追われながら大学に行くのもまた憂鬱。

何処か、できるだけ遠くへ行きたいなあと、昨日の友人たちとの電話を回想しながら思う。


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