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2022.6.8 ライ麦畑でつかまえて②

 昨日、今から課題を始めれば後々楽なのに、と思いながらPM11時半頃に就寝。
前日も前々日もAM4時まで起きていたし…たまには日付が変わる前に眠りたいぃ…と思ってベッドに入ると、本当に疲れていたのか頭の中に暖かい霧が広がるようにぼんやりと眠くなって来て、何か映画でも観ながら寝落ちしようと思い持っていたスマホを握ったまま眠りに落ちた。

今朝AM8時頃起床。
えっ、もう朝?!なんで?!という感想。
本当に、体感30分ぐらいの夜でびっくりした。
深く眠っていた証拠だと聞いたことがあるけれど、なんだか損した気分になる。
理想は、起きて第一声が「あぁ、よく寝た!」と言うような睡眠。

今日の学校は午後からなので、午前中は銀行に行ってしなければならない手続きを済ませることにした。
予約をしていなかったので、だいぶ待つだろうなと思いながら行くと、案の定予約有りの待ちが2人、無しの待ちが私を含め3人と言う感じだった。
1時間程度お待ち頂くかもしれませんがよろしいですか、と警備員さんに言われながら待合室に座って、行員のお姉さんに記入するように言われたアンケートなどを書いて待っていた。
それが終わると、滅多に来ない銀行の中をきょろきょろ見渡したり、他のお客さんの話に聞き耳を立てたりしてみる。
なんだか、妙に高圧的な態度の人が多いような気がした。
「だからァ、わかんねぇって言ってんだろぉ!」というおじさんの声が店の中に響いて対応している行員の人を気の毒に思った。
あと数年して学生じゃなくなったら、仕事だからという理由でああいう人たちにすみません、とか恐れ入りますなんて言わなければならないのだと思うと今から暗澹たる気分になる。

人間観察(?)にも飽きてきたので、持っていた「ライ麦畑でつかまえて」(サリンジャー著、野崎孝訳)を読んで待つことにした。
この間の日記でも「ライ麦畑」を読んだと書いたので、今日はこの間とは別の部分のことを書くことにする。

物語の終盤ホールデンは、ペンシー校の前かそのまた前かの学校で出会ったアントリーニ先生という人を訪ねていく。
夜中にも関わらず快く受け入れてくれたアントリーニ先生は、ホールデンの兄より少し年上のまだ若い人で、無類のハイボール好きでウィットのある物言いをして、60歳ぐらい年上(これはホールデン特有の誇張表現?)の奥さんと洒落たアパートに住んでいる人。
自殺したジェームズ・キャスルという生徒の死体にただひとり駆け寄り、自分の上着を掛けてやって医務室まで抱えて連れていったことをホールデンは憶えていて、「ライ麦畑の捕まえ役」まではいかないものの、ホールデンの忌避すべき「インチキにまみれた大人たち」とは一線を画すような存在であることがみてとれる。


アントリーニ先生は無類のハイボール好きなので、登場時から(かなり濃くした)ハイボールのグラスを片手に持っていて、ヘビースモーカーのホールデンがその様子をみて「あれじゃそのうちアル中になる」と心配しているのが可笑しかった。
ホールデンが放校になったことを聞いて「君とペンシーもついに別れたか。」とアントリーニ先生は言って、ホールデンはこのような物言いがあまりにも多いのでたまにげんなりするようだけれど、私はこの表現が妙に好きで読むたびに面白いと思う。

ホールデンの近況を聞いた先生は、「君は恐ろしい堕落の淵にいる」とか「未熟な人間の特徴は理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。これに反して成熟した人間の特徴は理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。」とかなんとか言って語り始める(言っていることは至極真っ当でそれでいて寄り添うようなスタンスでいてくれているしホールデンもそれを受け入れている)のだけれど、疲労困憊のホールデンはついに限界に達し、先生が話をしている最中に欠伸する。
すると先生はそれを笑って寝床を準備してくれる、という一連の場面。

話を聞いてわかってくれる年の近い大人、という存在は本当に貴重だしかけがえのないものだと思う。
この場面を読むと、高校時代の倫理の先生と、幼稚園の頃から大学入学まで習っていたピアノの先生を思い出す。

結局アントリーニ先生はその後の出来事によって、ホールデンの捕まえ役になり損なってしまうのだけど、それでも私はこのアントリーニ先生という人がとても好きだと思う。

世の中のいろいろなことに嫌気がさしたり、自分の生活や将来への不安がどうしようもなく耐えられなくなった時には、なぜだかわからないけれどあえて誰か大人の人と話したくなったりする。もちろん自分の信頼している大人だけれど……。
これは自分がまだ保護されるべき子どもでいたい、ライ麦畑にいさせてほしいと思っていることの表れなんだろうか?


本を読んでいると名前が呼ばれて、手続きのブースに案内された。
持ってきた保険証や学生証や印鑑や、その他書類を行員の人に預けたり書いたり、質問に答えたり逆に質問したりして手続きを進めた。
行員の人が使っているコンピュータは、なんだかとても古めかしいもので日焼けしたり変色したりしていた。
小学校の視聴覚室に置いてあったものを思い出す(一太郎しか使えない)。
なんだって学校や役所なんかに限ってデジタル面が旧式だったりするんだろう?

待っている時間より手続きの方が早く済んだ。
忘れ物を取りに一度うちへ戻ってから学校へ行った。
学校はいつも通り、なんとなく気だるくてやる気が出ない。

授業が終わった後、電車の時間までPRONTOでウィンナーココア(363円)を買って飲んでいた。
駅の構内にあるので入り口のほうからサラリーマンの人やスーツケースを持った人などが家路を急ぐ様子が見える。

うちへ帰ったら学校から「健康診断 二次検診(精神科)のお知らせ」という手紙が届いていたのでなるべく早く学校の保健センターに電話して診察の予約を取らなければいけない。


やるべき課題に全く手をつけていないままでこの日記を書いている。
思い立ってパソコンで書いてみたらタイプするのが遅くていつもより時間がかかってしまった。
誤字脱字が怖い。

明日は朝早くから補講なので、全部投げ出して今日はもう眠ると思う。
課題をやらなかったせいで明日は多分徹夜だけれど、晩ご飯を私にとってのアントリーニ先生ともいうべきピアノの先生とご一緒する約束があるので楽しみ。


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