見出し画像

読書メモ『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』(村上春樹著)

最近、縁あって村上春樹について知る機会があり、あらためてこの人はどんな人なのかが気になってきた。
ハルキストというファンがいるぐらい有名な人だけど、自分はその小説を読んだことがなかった。(自分は割と小説はそこまで読まない方なのもある)
・・・というわけで、村上春樹の本をどれか一冊ぐらい読もうと思った。

・・・・・・

何を読んだら良いんだろうか?
知人の話を聞くに、最近の作品だとイマイチらしいので、昔の作品の方が良さそうである。
『ノルウェイの森』が有名らしいが、評判的に読む気にならない。
長編の本のどれかを読むのが良さそうだけど、長編だと時間がかかってしまうので読むのが大変である。ラノベみたいに一巻読めば大体の作風が分かるものはないだろうか?
・・・しかしながら、一巻で一通り終わるようなちょうど良い作品はないみたいなので、頑張って長編を一つ読むしかなさそうである。

・・・というか、自分は村上春樹の本を読んだことがあった覚えがある。
確か『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という本だった。読んだ時期もおぼろげだが、高校時代あたりだった覚えがある。
内容はおぼろげには覚えていたが、結末は全然覚えてない。そもそも最後まで読んだっけ? 読んでないかもしれない。

・・・ということで・・・
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を、あらためて読むことにした。

昔おぼろげに読んだことがあって、たぶん途中で止めた作品だが・・・
今回は最後までちゃんと読んだ。

読んだ感想をまず一言で言うならば・・・
圧巻だった。

そもそもの発想がすごく、内容が人間離れしてる感じがある。
「人間がこんなすごいものを思いつくのか?」と思えるほどの発想力を持っていて、「天才だこの人は。」と素直に思った。

「計算士」とそれに敵対する「記号士」みたいな架空の職業と勢力。
「やみくろ」という謎の魔物のような存在。
独特な思想を持つ天才科学者。
謎な設定が多い中にある様々な伏線。
その一方で、世界が終わった後みたいな不思議な街な描写と、内在世界のような心象風景。
「夢読み」という不思議な仕事・・・

あまりにも独創的な世界描写で、「文章だけでここまでの表現ができるのか・・・」と思ったし、それができるということは人間の空想の可能性を広げることでもある。
ここまでのことができるんだったら、そりゃ天才と言われるわけだし、ハルキストと呼ばれる熱烈なファンがいるのも納得できる。
世界的に有名なハルキ・ムラカミ文学のすごさがこの本を読んで分かった。

結末まで読んでちょっとモヤっとしたのは・・・ ちょっと終わり方が急だったと思ったし、謎な所も多かったんじゃないだろうか?
謎を謎のまま終わらす特徴を持つ人なんだと思った。
あと、セカイ系っぽさがあると思った。
『新世紀エヴァンゲリオン』が1995年登場なのに対して、この本は1985年に刊行されてる。元祖セカイ系の潮流の一つなのではないだろうか?

さて、自分がこの本を読むのにかかった時間は・・・8時間ぐらいだろうか? 自分は普段から本を読む時は大体100ページ1時間ぐらいで読めるけど、内容が濃いとそれよりもかかる。
長編を読むのは地味に大変だし、疲れてる時には読めないと思った。RPGゲームとかやってる方が脳に刺激が起きて楽だが、小説はそれよりも負荷がある。
・・・みたいに、こういう小説を読むのが久々だったので、「小説を読むこと」に対する感想もあった。

 
ちなみに、西洋占星術的な分析もするべく、村上春樹の生年月日からホロスコープを出してみたりもした。

その詳細を見ていくと長くなるので、ざっくりと見ていくと・・・
まず、月が双子座にあるのでこれはシンプルに言語化能力が高く、普通に小説家向きの長所を持ってる人と言って良いだろう。
それから、同じく言語化能力が高そうな水瓶座に水星と火星がある。水瓶座が強いので独創的なものやSFっぽいものはかなりの得意分野である。
金星が射手座にあるので哲学性や宗教性の高いものに魅力を感じる性分であり、特に女性に対してそうしたものを期待するようになっている所があるかもしれない。
上記は村上春樹の小説家適正の高さと、独創性の高いものを作る才能が表れていると思う。

そして・・・それでいて太陽が山羊座にある。
山羊座は割と王道的な「普通の人」な特徴のある星座なため・・・「料理をして食べるのが好き」「恋愛をしてセックスするのが好き」・・・みたいに、大衆的なものを好む性格でもある。
人間離れしてるかのような圧倒的に独創的な内容を書ける一方で、食事ネタとかセックスネタとかの定番な内容もイケるし、そっちもそっちで好きな性分を持ってるわけである。
食事ネタとセックスネタはなんだかんだで万人を楽しませる力が強く、世界的ヒットにはこうした才能が必要不可欠である。こうした内容があるからこそ、小説が読みやすくなっているのもあると思う。
しかし、独創的で奥深い文学のカギになっているのは「水瓶座と射手座」あたりだと思う。
出生日時が分かっていないため、それが分かった上で専門的に見ればまだまだ分かることがありそうだが・・・とりあえず生年月日だけでざっくり見た結果はそんな感じである。

・・・のように、ホロスコープを見てみると、ハルキ・ムラカミ文学を構成しているものが、少し分かったような気がした。

 
以上。村上春樹について書いていった。
先も書いた通り他の本の内容は知らないのだが・・・
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は内在世界や心象世界、不思議な国のようなものの描写が面白く、個人的にはそこに価値があるように思った。
『ノルウェイの森』は評判を聞いてる感じ、村上春樹本人が「僕が本当に書きたいタイプの小説ではないと思った」とインタビューで言ってたぐらい特殊な作品だったらしい。だからあれが代表作と思って酷評しちゃダメだろ・・・みたいな声がTwitterでよく聞こえる気がする。

そんなわけで・・・村上春樹はキモい所もあるのかもしれないけど・・・
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はすごかったぞ!という話でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?