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高校卒業と同時に別れを告げたはずの数学と、思わぬところで再会した。
『「やっとできた」は、「やればできる」を教えてくれる。』
【日本教育大学院大学】ポスター 2013年 コピーライター:谷野栄治(ライトパブリシティ)
毎日読みたい365日の広告コピーという本の6月27日のページに載っていた広告コピーである。
このコピーを見て、思い出したエピソードがあった。
大学3年の秋学期に取っていた、心理学系のとある授業。
感染症の流行で授業はオンライン、zoomで行われていた。
ひとつのテーマを深堀するというよりは、幅広い範囲をつまみ食いしていくような授業だった。
授業1回目のガイダンスを受けていると、資料に数字やアルファベットが出てきた。
…嫌な予感がする。
そう、統計だったのだ。
中学生の頃から数学が苦手な自分、ページを閉じたくなった。
xとy、二乗まである。ヒィ。
心理学は文系とされていることが多いが、数学使うやんか。おい。
でも何となく必要なんだろうなぁ…とは思っていた。分からないより分かった方が良いことは頭では理解しているつもりだった。
...分からないことが多すぎて、どこから手を付けたらいいのかすら分からない。そんな状態だった。
気が付いたらそんなことをチャットに打ち込んでいた。
「統計以前に数学が苦手、どこから手を付けたらいいかすら分からない。何かオススメありませんか?」
1冊の本をオススメされた。
『本当にわかりやすいごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』
質問があったら答えるよー。と言っていた
数学、範囲によっては中学から苦手意識を持ち続けている。でもこれが分かったら…。質問受けると言っていたし、とりあえず本を見てみよう。あと、この機会を逃したらこの先一生やらない気がする。
次の授業終わり、チャットに打ち込んだ。
「この前の統計の本読みましたが、サッパリわかりません。」
ついている問題を解こうとするも、そこにある記号の意味すら分からなかった。
高校卒業と同時に数学とも別れを告げたはずだったが、思わぬところで再会してしまった。自分なりに問題を解読して、授業終わりにチャットで質問することが恒例となった。
一つの問題があった。何回解いても答えが合わない。何なら答えが変わっていく。何でそうなっているのかすら分からない。苦戦した。多分先生も画面の向こう側で同じ問題を解いていたのだが、答えは合っていた。…なぜ?
どこから間違っているかもわからず、式を一から読み上げてもらい自分の書いたものと照らし合わせていた。
この問題の正解が合うまでに何回か授業が終わった。
「…先生!答え合いました!!」
やっと正解したのである。長かった。
「今までどんなに苦手で出来なかったとしても、それを今やろうとしてるでしょ。それだけで良いんだよ。」
さんざん数学が苦手だなんだと話していた時に言われた言葉だ。
苦手なことを全て出来るようになる必要はないと思う。避けて別の道を探すことだって一つの選択肢だ。でも時にはぶつかってみることもアリかもしれない。何も一人でぶつかることはなくて、その時々で人やモノに頼ったりしながらで良いのではないだろうか。何かに挑戦して発見して、その過程を楽しめる人でありたい。
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