実力も運のうち 能力主義は正義か?

マイケルサンデル著 実力も運のうち 能力主義は正義か? を読んだ.
ハーバード白熱教室を大学の講義で紹介され,この本を読んでみることにした.
遺伝や環境が人間に与える影響は前々から知っていたが,この本は,それらに加えて,哲学的な考察がなされていて面白かった.
第6章 選別装置についてここでは書く.

第6章 選別装置 
この章では入試について主に書かれていた.サンデルは入試の合格率は家庭の豊かさ,つまり,自分の努力とは全く関係ない要素で決まるから,くじ引きで決めるべきだと主張していた.少しやりすぎだとは思うが,間違ってはいない.
私の意見は,大学での入学は全員入学にしてしまえばいい,というものだ.
ITが発達し,リアルの教室で講義を受ける必要性がないのであれば,キャパシティは無限大であるし,わざわざ入学試験を課す必要性はないと思う.事実コロナ禍でほとんどの大学はオンラインでの講義をおこなっているし,運用していくことは可能である.その分,学費は安くなるだろうし,無駄な交通費も払う必要がない.リアルで集まらざる負えない講義や研究のみ,大学で行うべきだ.

感想
哲学の本にしてはわかりやすく面白かった.アリストテレスやハイエク,ロールズなどを引用していたのでそれらの本も読んでみたいと思う.

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