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「何を書いたらいいかわからない」と言った小1息子が作文の宿題で書きたいことを見つけるまで。
毎週、日記を書くという宿題がでるようになり、「なに書けばいいかわかんないよ、書きたくない」とぶつぶつ言っている小1息子。
どうしたものかと、助けを求める気持ちで息子のランドセルの中から国語の教科書をさがす。
見つけた!と思ったら日記について書いてあるのは1ページ。
”いつどんなことをしたか、どんな気持ちになったか書きましょう”と書いてあった。
そんな説明で書けたら苦労しないぜ…。
うーむ、ひらがなもまだじゃっかんあやしい息子が、文章を考える、構成を考える、文字を書くをいっぺんにやるのはきびしそう。
無理やり書かせるのはこちらもストレスが高いから、どうにか楽しく書ける方法はないだろうか?
ということで試してみた。
誰に向かって書くのか?
なんのとっかかりもないまま文章を書くのはむずかしい。
まずは誰に向かって書くのか?
読み手を決めよう。
書きたい、伝えたいという気持ち(=書くモチベーション)をつくるために、日記にコメントを返してくれる担任の先生を読み手に設定。
そう考えてみると、日記の宿題って先生との交換日記的な存在なのかも。
文章を書くステップを分解する
いきなり文章を書けと言われても、なにを書いたらいいか、何から書いたらいいか、と考えると手がとまってしまう。
というわけで、考える作業と書く作業をわけて、まずは書きたいことを整理する。
①テーマを洗い出す
息子は依然書きたくないモードなので、こちらからテーマ案をどんどん出してみる。
レゴのこと?プールのこと?としょかんのはなし?
最後に「ほかにはどんなことあるかな〜?」と息子に聞いて「ない!」と元気な返事がかえってきたので洗い出しは終了。
②テーマを決める
「(読み手である)先生になにを教えてあげたい?」と聞いたら、ぶつぶつ言いながらも「うーん、はるちゃんのことかな?」
よし、じゃあ弟のはるちゃんのことを先生に教えてあげよう!
このあたりで息子がすこし楽しそうになってくる。(一安心)
③テーマについて書きたいことを洗い出す
つぎは文章を書くための材料を集めよう。
やっとノッてきた息子の気持ちがさめないうちに、インタビューを開始。
「次男は、おとこのこ?おんなのこ?」「おとこだよ!」
「次男は、いもうとだっけ?おとうとだっけ?」「おとうとにきまってるでしょ!」
「なんさい?」「0さいでしょ」
「次男はさいきんなにをしてあそんでる?」「うーん、はいはいのれんしゅう!あとひこうきのれんしゅうもしてる!」
「長男は、次男のことどうおもってるの?」「かわいい!」
「どこがかわいいの?」「ぜんぶ!」
「ほかに先生に教えてあげたいことあるかな?」「ない!」
ふむふむと聞きながら、裏紙に息子が話した内容をメモしていく。
真ん中の丸にテーマを書いて、そこから構造がパッとわかるようにマインドマップっぽく、質問ごとに枝を伸ばすようなイメージで要素を書き出す。
よしよしこのくらい材料があれば書けそうだ。
息子のテンションもあがってきたぞ。
④順番を決める
じゃあ次は書く順番を決めよう。
「なにから書いたらいいかなぁ?」と聞いてみたら「まずはなまえでしょ!」と言うのでなまえに”1”。
質問をしたり、息子が答えに困ったらこっちはどう?と提案しながら、順番を書き込んでいく。
メモ完成!
(かわいいとぜんぶは同じグループにしようと5番にしたけど文章書くときにぜんぶと書くのははずかしくなったようで×になった)
⑤文章を書く
ようやく書く準備ができた。ノートを出して書き始めよう。
息子はメモをみながら自分で文章をつなげて書き出した。すごい。
「ねぇ、はいはいのれんしゅうとひこうきのれんしゅうは1つの文にした方がいいんじゃない?」
「ひこうきのれんしゅうって書いて先生わかるかな?ほんもののひこうきとまちがえるんじゃない?」
メモをみながら自分で文章を整えたり、読み手の視点も意識できるようになってる!すごい。(2回目)
書き終わってもう一度読み直したら、「はるちゃんのたんじょうびもおしえてあげようよ」と言い出したので次男の誕生日を書き足して完成!
あんなに書きたくないといっていた息子は「かけたー!」とうれしそうだった。
書く喜び、伝わる喜び
5つのステップのうち、最初の4つが考える、最後の1つが書く。
書きはじめる前に「なにを書きたい?」と考えること。
それを見つけるのに時間がかかる。
このやり方を試してみて、まずは1回それを頭の中から出して、紙に書いて見える化してあげることで、書くことに苦手意識のある小1男子でも、「書けた!」を味わうことができるとわかった。
自分のために書くでも、誰かに向けて書くでもいい。
気持ちを言葉にできたうれしさ。
誰かに伝わった喜び。
文章を書くことを通して、そんな体験ができたら、きっと書くことはもっともっと楽しくなるんだろうな。
文章って、「書く」よりも、「書きたいことを見つける」ことが大切でむずかしいところなんだよな。書きたいことが見つかれば、それが芯をとらえていればいるほど文章はすっと書ける。と、小1息子の日記の宿題をみながら思う。
— みたむらさやか@育休中 (@rai527) September 13, 2020
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