「あなたの動機は?」という問いかけ -コミュニティでのPJTの始め方-
プロジェクトには2種類ある。
ひとつは、自分がはじめたプロジェクト。
もうひとつが、他の誰かが決めたプロジェクト。
プロジェクトに関わるときに、共通して大切だと思うのは「動機」だ。
そう強く考えるようになったきっかけはコルクラボで行った文化祭でトークショーのプロマネをしたこと。
「おもしろそうだ」と自分から手をあげて関わることを決めたプロジェクトだから、そのままやっていても楽しいのだけど、自分の動機を混ぜることでたったひとり”自分”という届けたい相手が明確になる。
ほかの誰でもない自分が面白いと思うか?喜ぶか?
その問いによって、その動機をもつ自分にしかできない小さな小さな工夫やこだわりがうまれるのだ。
と、そんな成功体験をわたしは文化祭をとおして得ることができた。
だから、コルクラボ春合宿のプロジェクトに関わると決めたときも、自分の動機を混ぜることにした。
まずは、ゲストとして来てくれることになった山田ズーニーさんのワークショップを通して自分の言葉をつかむこと。そしてもうひとつが、できたら失敗するくらい仕事ではできないのチャレンジフルなプロジェクトの進め方を試すこと。
合宿プロジェクトのコアメンバー3人で、合宿のいろんなことを決める前、1番最初に話したのはそれぞれの動機だった。
合宿やろう!といっている3人だったけど、動機はそれぞれ。共通していたのはズーニーさんのワークショップに参加したいということだけで、合宿に参加するのではなく「合宿をつくる人」として関わる理由は、みんなバラバラだった。
その「それぞれの理由」をベースに、合宿プロジェクトの大きな方向性、そしてなんとなくそれぞれの持ち場のようなものが見えてきた。
合宿のリーダー、パッタイの原体験の1つだった「キャンプファイヤー」。キャンプファイヤーができて100人で泊まれて都内から1~2時間という条件で場所探しをして、最終的に秩父の自然あふれる山の中にあるいこいの村ヘリテイジ美の山さんで当日行ったキャンプファイヤーは、合宿の中でもとても印象深いよい時間になった。
もうひとりのメンバーまさまさはコルクラボのコミュニティ内の巻き込み方に関心をもっていて合宿というプロジェクトに関われる人を増やせないか?と考えていた。
そういう話の中で、プロジェクトへの関わり方を増やすために「運営チーム」と「参加者」を分けることなく、やりたい人がやりたいことをやるスタイルでプロジェクトを進められないだろか?運営チームの組織図をつくらずにプロジェクトをできないだろうか?というのが、わたしの中でのチャレンジと重なり、プロジェクト運営の方針になった。
この始め方はとてもよかったなとプロジェクトが終わった今、思っている。
コミュニティでのプロジェクトは仕事ではないから、各人にとってMUSTなことではない。それぞれが「やりたい」という気持ちで集まっている。
そういう意味では会社プロジェクトでいう「工数」みたいな部分はとても不安定だ。仕事が忙しくなったり、体調や家庭になにかがあったり、プロジェクトに対しての熱量が下がることもある。
そういう状況の中で最後までプロジェクトを進めていくに、ほかのメンバーの動機を知ることでふたつのメリットがある。
①それぞれの「動機」を組み合わせてプロジェクトの設計や進め方を決めることができる。
②プロジェクトの途中なにかがが起きたとき、それぞれの動機に立ち戻ったり、フォローしあうことができる。
この2つは不安定なコミュニティのプロジェクトの中で、小さいけれどたしかな安心感になるのだ。
コミュニティでの活動は仕事ではない。金銭的な報酬もない。
だけど、合宿はそれぞれの動機を重ねてはじめたプロジェクトだったからこそ合宿が終わってからの振り返りもとても楽しくて、学びも大きくなったのだと思う。
動機をもってやったからこその「学び」という大きな報酬をわたしは受け取っているのだ。
★コルクラボ春合宿からの学びnote★
・体験を共有することで、関係性がかわっていく。-なぜコミュニティでPJTをするのか?-。