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学び続ける、の10年
10年前、経営学習研究所の設立イベントは今でも思い出せるくらい印象的なものだった。
朝から参加するために仕事を前倒しで進め、定時にあがって会場に向かったこと、会場でのワクワクした気持ちを思い出す。
あの日から10年。
10周年記念のイベントに参加した。
最初のグループトークはそれぞれが10年間の学びを振り返るというものだった。
10年前がはるか昔に感じるくらい、わたしにとっては大きな変化がたくさんあった10年で、ちょっと振り返っていたらなんだか思い出すさまざまな出来事に心がざわざわした。
それくらいに濃くて変化の大きい10年だったのだと思う。
わたしの10年の学びを振り返ってのキーワードは「学び続ける」だ。
ひとつは、子育てをしながら働きながらも学び続けること。
もともと学ぶことが好きだから、新卒の頃からずっと仕事に関連する本をたくさん読んだり、社外にでて学ぶことが多かった。
だけど、子どもが生まれて、自分ひとりで調整できる時間が一気に少なくなった。
平日の夜、休日、学びの場に参加するには夫と仕事の調整をするか、子どもの預け先を探さなければいけない。
おもしろそうだな、ちょっと行ってみようかな、そんな風に気軽に参加することはでかず、どうしても行きたい内容でも調整できず諦めなければいけないときもある。
子どもが生まれると、こんなにも学ぶことのハードルが高くなるのかと絶望した。
でも、そんなときいつも中原先生の「人に学べという、あなたは学んでいるか?」という言葉を思い出して、夫に協力してもらったり、息子を帯同したりしながら、学ぶことをあきらめずにやってきた10年だった。
もうひとつは、人事を離れても学び続けること。
この10年のもうひとつの大きな変化は、コーポレートの人事から新規事業にミッションがかわったこと。
ほぼ転職のような社内異動で、すべてが未経験の状態から、コーポレートでの経験をアンラーニングし、ひとつひとつ新しい学びを積み重ねた時期だった。
人事を離れることはとても残念だったけど、新規事業のチームで働くようになって少したってから、人と組織は人事じゃなくてもできるんだ、ここでも実践ができるんだ、と理解ができた。
人事を離れても、わたしはついつい人と組織のことを考えてしまうし、やっぱりここがわたしの関心領域なんだと改めて気付くことができて、人事を離れてからも人事領域については趣味として学びを続けていた。
それで去年から久しぶりにまた人事領域の仕事に戻ってきた。
ちゃんと学び続けていてよかったなと思った。
わたしが10年学び続けられたのは、やっぱり学ぶことが愉しくておもしろいからであるし、そんな風に学ぶことを楽しんでいる人たちが周りに多いからなのだと思う。
なにかの目的のために学んできたというよりは、自分の好奇心のアンテナに素直にしたがってきた結果、さまざまな学びがつながってのいまがある。
イベントの最後には10年後に向けてなにをしていきたいか?というグループトークがあった。
10年後、自分がなにをしているかなんてさっぱり想像もつかないけれど、たのしく学び続ける大人で在りたいなぁと思う。
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