#005 休日 ベットにて
部屋の時計を見ると昼を過ぎていた。
もうこんな時間か、こんなはずじゃなかったのにな、と思いながら
ベットの上で寝返りを打った。
寝返りを打つと目線の先に通帳があった。
そういえば昨日、口座確認したんだっけ、と独り言をつぶきながら
通帳を手に取った。
中を確認すると今後の生活に必要なお金を引いても、
余裕のある金額が記載されていた。
学生の頃、お金があっても疲れに負けてベットの上から動かない、という
番組をみて、こんな考えをする大人は馬鹿だな、こうはなりたくないな、
と思っていたけれど、いつの間にか自分もこうなってしまっていた。
こんな大人になるはずじゃなかったのにな、と自分に嫌悪感を抱きながらも
またベットに横たわって休日を過ごした。