見出し画像

映画感想:釈迦〜「十戒」への対抗意識バリバリの超大作

 この年末年始はYouTubeで「釈迦」が配信されてました。クラシックな名作映画が配信されるのが流行りですが、そういう映画ってタイトルは知ってても実際には見る機会がないって例が多いんですよね。この釈迦もそうでした。
 この三連休も配信期間内なので見てみましたが、古代インドを舞台にしてるけど、むしろ「十戒」みたいな聖書原典のハリウッド超大作の方と重なりました。大映も、ああいう映画への対抗意識を込めてたんでしょうねえ。

 本編の内容も、前半はお釈迦様が悟りを開くまでの話で、後半からはアナンダの恋の話、鬼子母神への釈迦の説諭、パータリプトラのアショカ王とクナラ王子の悲劇、仏教徒たちと提婆達多との対決など、時代を越えた仏教説話オムニバス集といった趣きでした。
 ちなみにこの映画は大映オールスター的なキャスティングなので市川雷蔵も上記のクナラ王子役で出演してるんですが、「後の眠狂四郎が座頭市になっちまったよ」という展開もあったりしました。そうそう、提婆達多役は若き日の勝新太郎でした。迫力はあるんですが、同時にピチピチしてましたよ。

 また、これはバーフバリを見た時にも思いましたが、古代から中世インド的な文化圏や世界観というのもファンタジー作品で登場させられないかな。
 例えば旧ソードワールドTRPGの舞台であるアレクラスト大陸でも、オラン地方なんかはマハラジャたちが割拠し聖職者が崇拝されるインド的文化圏としても良かったでしょう。地理的にもインド亜大陸に近いですし。

 また、旧ソードワールドおよびロードス島戦記の至高神ファリス神は太陽信仰とも結びつく光の神とされてるんですが、電灯が発明されるまでは、人類にとっての灯りって火なんですよね。
 そこから、火神としてのファリス像もあっても良いんじゃないかと、クライマックスの万灯会のシーンで思いつきました。具体的には、聖なる火を起こすファリス専用の特殊神聖魔法を登場させるとか。でも、これだと仏教というよりはゾロアスター教やマニ教の方に近いのかな。

 とにかく、とてつもなく素晴らしい超大作ですし、まだ配信してるうちにご覧いただきたいです。
 でも、NHK-BSのBSシネマとかでも、いつか放送するんじゃないかって気もするんですよ。あそこだとクラシックな超大作をしれっと放送することがありますし。そういえば、連休中日の今日は風と共に去りぬも放送するんですよね。

 今日は風と共に去りぬの後に、べらぼうを挟んで釈迦という超大作コンボも、悪くないんじゃないかなあ。明日も祝日だから休みって人も多いでしょうし。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集