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てんぐの映画感想:ゴジラ×コング 新たなる帝国〜全力にして純粋な怪獣ヤンキー映画(ちょっと追記)
公式の宣伝動画の中では、これが一番好きかなあ。
特に、ラストの「寝ろ!」の強さが良いね。
というわけで、ゴジラ×コング 新たなる帝国、公開初日のレイトショーで見てきました。
もうね、「ゴジラとコングが全力で怪獣ヤンキー映画をやります!」に特化しぬいためっちゃ痛快な映画でした。特撮映画の系譜としては、昭和ゴジラ中期とか平成vsシリーズならゴジラvsスペースゴジラの先に連なりそうです。
そして、このコンセプトを壊さずに、髑髏島の先住民の民族と文明、そしてKOMで出てきた海底ゴジラ神殿、そして前作で言及された先史時代に繰り広げられたゴジラ一族とコング一族の戦いの真相への取っ掛かりが得られる「秘境探検もの」という要素が加わるのも面白いところでした。
あと、久しぶりのオリジナル怪獣となったシーモは、D&Dのホワイトドラゴンを連想しました。
実際、てんぐもホワイトドラゴンとはこのセッションで遭遇してましたし。
「かつて氷河期をもたらした」ってことから、ギドラを南極に封じ込めたのも彼女ではないかとも噂されてますが、それが正しいとなるとエンシェントドラゴンか、さらに上位のグレートワーム相当かもしれません。
同時に、別の怪獣であるスカーキングに従属を強要されている様は、バルダーズゲートの伝説3巻も連想しました。
そういえば、ティアマットなんて名前の怪獣も出てきましたからねえ。
実際にはマンダ相当でしたが。
ともあれ、ゴールデンウィークの景気づけにはうってつけの映画ですし、テンション上げたい人はお気軽に見に行きましょう。
そして、ゴジラという皇帝を戴いたローマ帝国の復活と、コング地下帝国の勃興を目撃しましょう。
少し真面目な追記~スカーキングが象徴するもの
少しは真面目な感想も追記しますと、今回の悪役スカーキングはコングとは対照的に、というか明白に悪い意味での人間味のある怪獣でした。
怪獣を人間のエゴの犠牲者として描くだけでなく、醜い人間のエゴを戯画化する存在としての怪獣という描き方は、かなり斬新なものに見えました。
そして、「そいつをコングとゴジラの二大怪獣王がブン殴りに行くぜ!」という展開になるのが明快だったからこそ、この映画は見ていて気持ちが良かったんでしょう。
まあ、その二大怪獣王のタッグ結成の前には「今度ツラ見せたら殺すっつったよなあ!?」「てめぇとはやっぱり反りが合わねえんだクソッタレ!」とヤンキーめいて殴り合い始めるという定番も楽しかったですが。
でもまさか、コングにブレーンバスターまで決めるとはねえ。流石は怪獣王ゴジラです。