てんぐの映画感想:無名〜ヤバすぎる王一博に「最もスパイに向いている人間」を見た
てんぐも世間様と同じくゴールデンウィーク第二ラウンドに入ったわけですが、その初日は、かねて見たいと思ってた「無名」を見てきました。
新刊小説では目下「両京十五日」上下巻が今年ベストワン有力候補ですが、映画ならこの「無名」が暫定トップ、それくらい凄い映画でした。
とはいえ公開初日、しかも先週見に行ったゴジラ×コングと違って、ネタバレされたら魅力と凄みが激減しちゃうのが明白な映画です。
なので、記事にはしようと思ったものの、どう書いたら良いのか、かなり悩んでおります。
なので、この記事では、「無名」の王一博の見せた姿に抱いた感想を書き散らしてみます。
この映画は日中戦争時の諜報戦がお題でした。
で、この諜報戦ってのは、極めて極端なことを言えば、「1万人の同胞と100人の忠実な仲間を犬死させて、たった1人の敵を喜ばせる行動」が常に選択肢の中に残ってるという不条理極まりない世界観のもとに成り立ってるわけです。
そして、その選択肢とそれに付随する無数の犠牲は、たったひとつの情報を得るために幾らでも積み重ねられていくわけです。
こういう世界観のもとに生きられる、スパイに向いた人間の適性とはどんなものなのか。
資質という意味で言うなら、それは「これから先の一生、雑踏の中で、自分だけはたった一人で飯を食い続ける運命を苦も無く受け入れられる」ということになるでしょうか。
この映画の王一博が見せたものは、まさにその資質の持ち主の姿でした。
そんなわけで、この「無名」、お近くの映画館で公開されたら是非ともご覧ください。
無名キャストの出演作
無名では王一博だけでなく、トニー・レオンやジョウ・シュンも出演しております。
その面々の出演作の中から、あえて華流クラスタの中で話題になったりそうでもなかったりする作品をピックアップしてみます。
王一博の場合
王一博といえば陳情令の藍湛が有名ですが、それとは打って変わって陽気なキャラだった謝允役で出演してた有翡も良かったです。
今だとちょうどチャンネル銀河でリピート放送もしております。
何度も申し上げておりますが、謝允のように口八丁手八丁で芸達者、社交性ハイレベルのコミュニケーション強者って、実際には自分の正体や抱えてる情報については全くと言って良いほど外部からは計り知れないものです。
謝允自身はスパイという存在ではないんですが、その一方で、彼もまたスパイ向きの人間だと言えます。でなきゃ詐欺師とかペテン師かな。
トニー・レオンの場合
トニーさんほどの大ベテランとなると、紹介すべき作品のリストも膨大になっちゃいます。今回の無名に合わせてとなると、インファナル・アフェア三部作は絶対に上がります。ちょうどザ・シネマでも今月放送されますしね。
でも、てんぐがここで敢えて紹介するのは、MCUのシャン・チーです。
ディズニープラスやAmazon Primeでも配信されていますし、こちらのトニーさんも見てほしいなあ。
ジョウ・シュンの場合
ジョウ・シュンの演じたキャラでてんぐが一番好きなキャラは誰かと言われると、こちらのプロレス団体じゃない方のドラゴンゲートの女剣客リンですね。
「武侠にある要素全部乗せ」ってくらい贅沢なんですよね、この映画。