見出し画像

2025年1月後半発売の新刊児童書

2025年1月後半発売の児童書の情報をまとめました。おもしろそうな新刊を見つけるのにご活用ください。

1月後半は松素めぐりさんの大人気シリーズ『保健室経由、かねやま本館。』の新作のほか、イタリア在住の佐藤まどかさんのエッセイや、私も作品を書かせてもらった日本児童文学者協会のアンソロジー『人とのつながり こんなときは』などが発売されます。

前回の記事では省エネ志向で無理のない数をピックアップして紹介しますと宣言したのですが、結局今回も物語の新刊は見つけたものをすべて載せてしまいました(児童文庫・絵本は除く)。省エネって難しい…。
とはいえ前のサイトより記事作成はだいぶ楽なので、このくらいの数ならどうにか無理なく続けていけるのではないかと思っています。

以下、著者名は敬称略、内容紹介は基本的にAmazonから引用していますが、長い場合はコンパクト化したり、Amazonに紹介文がないときは出版社のページから引っ張ってきたりもしています。



いとうひろし『おさるのしま』(低学年~)

30年以上続く、絵本作家いとうひろし氏の「おさる」シリーズから生まれた、新作ストーリーブック。本作のテーマは「多様性」です。ストーリーをより深く楽しめる、新しい形に生まれ変わりました。
たのしくまいにちの生活をおくっている、おさるたち。でも、ある日とつぜん、おおきなこわい声が聞こえてくるようになります。最初はまものだと思い、恐怖をおぼえますが、勇気を出してそのすがたを見てみると……?

小手鞠るい『まほうの絵本屋さん 七色の手紙』(低学年~)

大切なノートをなくしてしまったみずうみは、同じクラスの弦太にノートを拾ってもらいます。お礼に新しいノートを送り、弦太と文通を始めるみずうみは、心の中にある「まほうの絵本屋さん」の存在を、弦太に初めて明かします。ほのぼのとした2人の文通と、まほうの絵本屋さんの物語。

南田幹太『どろろん ようかいの森 お年玉だいさくせん!』(低学年~)

冬休み、かっぱの小助はゲーム機を持っていないことで仲間外れにされ、「お正月までには買ってもらえる」とウソをついてしまう。お金が足りない小助は、色んな妖怪のお手伝いをしてお年玉を集める作戦を思い付いたのだが……。

石川宏千花『お能探偵ノーと謎の博物館(おはなし日本文化 能・狂言)』(低学年~)

探偵は、3人いる!? ふしぎな博物館へようこそ!
ミステリ小説家になりたい、浦沢界・小6。「お能探偵ノー」というすばらしいタイトルが思い浮かんだ。名作ができそうなのだが、一体「能」ってなんなんだろう? 図書館で出会った小前田里栗といっしょに能を調べていくと、一人の謎の少年と出会うのだった…。わくわくしながら学べる1冊。

神戸遥真『かっこいいキミと、一筆!(おはなし日本文化 書道)』(低学年~)

「字をきれいに書くだけが書道じゃない?」
字がきれいに書けない心桜は書写のお手本のように整ったきれいな字を書く転校生大地君をみて、字がきれいな男子がいるなら字がきれいにかけない女子がいてもいいじゃないか、などと考える。それ以来、大地くんがなんとなく気になり…。「字」なんて、と思っていた心桜が書道のかっこよさに目覚めていく。

マージョリー・フラック『子ねずみウォルターはのんびりや』(低学年~)

マージョリー・フラックの名作を、原作オリジナルイラストと新訳で復刊!
子ネズミのウォルターが学校から帰ると、家の中は空っぽ。引っ越しにおいていかれてしまったのです。おとうさんたちをさがして、ウォルターは森に迷いこみ、池のカエルたちやカメと仲良くなります。カエルやカメたちは、ウォルターの家族さがしを手伝ってくれることになりました。ウォルターの家族は見つかるでしょうか?
低学年にぴったりのほのぼのとしたお話。

藤重ヒカル『まほろ公園で、ふりむけば』(中学年~)

町にねむる思い出と子どもたちがであったとき、ごくふつうの公園ではじまる5つのふしぎな物語。
キミコに植えこみの奥から声をかけてきたのは、草を編んだお面をつけた人。ふしぎなことをたのまれます。「草のお面」
マユがおじいちゃんと歩いていたら、グラウンドの真ん中に古い電話ボックスがありました。電話のベルが鳴りはじめます。「もしもし、もしもし」など。

藤重ヒカル『ゴロゴロヤマネコ不動産 なんだかあやしいおすすめ物件』(中学年~)

ある日、傘づくりの修行をしているぼくに届いた若草色のふうとう。差出人は、「信用第一 あなたの町の ヤマネコ不動産」とかいてある。「あなたにぴったりのお店を格安でご紹介。ただし条件あり」だって。なにかへんだが気になって物件を見に行くと、あらわれたのは…。
ヤギたちが特別メニューを食べにくるレストラン、バクたちがふるさとの村おこしのためにぬいぐるみを作る工場など、猫山さんが紹介する3つのあやしい物件が、皆に幸せをはこびます。

高森美由紀『森のクリーニング店シラギクさん こわがりにサヨナラ』(中学年~)

森にぽつんとあるクリーニング店のシラギクばあさんは、シミや汚れから持ち主の悩みを見抜き、事件を解決する名人。今日もお店には、雪に残された声が聞こえ、こわどんな声も悪口に聞こえる怖がりなウサギや、雪ぞりレースのために、思い込んだら自分勝手にふるまう強引なイノシシなど、さまざまな動物たちが訪れます。美しい雪景色を舞台にした、ユーモアあふれるドタバタ劇と感動的で心温まる物語を、ぜひお楽しみください。

斉藤洋『ナツカのおばけ事件簿19 月夜のおばけ自転車』(中学年~)

夜道に自転車のおばけが現れた! 自転車は、誰も乗っていないのに動き、夜道をひとりで歩く人の前に現れるという。自転車の出現場所を突き止め、張り込むパパとナツカだが、おばけ自転車の思いに気付いたナツカは、パパに見守られながら、ある「勇気ある決断」をして自転車を結末へと導くのだった…。二人がつかんだ、自転車の悲しい正体とは…!?

高森千穂『雨上がりのスカイツリー』(中学年~)

菜々実のおとうさんはモノマネ芸人だ。イケメンだし人気もあるが、かつては俳優を目指していた。その夢を投げだしたのがイヤで、おかあさんは別居している。ところがモノマネをめぐる事件が起き、奮起一転、俳優にチャレンジすることに! 菜々実もまた、クラスでのいじりに立向かい、友とともに自分の思い描く夢に向かって歩みだす。

福井蓮『白い季節と黒い闇(怪談十二か月 冬)』(中学年~)

現代の怖い話だけではなく、季節感あふれる時代物(平安時代、江戸時代など)もちりばめながらオリジナルでありながら色あせない作品で構成。怖さのなかにも、もの悲しさやせつなさなど季節とリンクした情景を織りなしていく。

松素めぐり『保健室経由、かねやま本館。8』(高学年~)

――私はね、永遠に小夜子が嫌いなの。小夜子にだけは、絶対に負けたくないの。
小夜子のことをライバル視している華世子。華世子のたくらみに気がついた小夜子は、かねやま新館があると思われる「あの場所」に向かって子どもたちを救いだそうと決意する。
かねやま新館にとじこめられてしまったテラジとイッペーは、はたして脱出できるのか? 華世子の過去、小夜子との関係性が初めて明かされ、かねやま新館の目的が明らかになる――。

神戸遥真『若松一中グリークラブ 気になるあの子はトップテノール』(高学年~)

ハルトはひとめぼれしたアユミに誘われて、いっしょに合唱サークルを作ることに。でもアユミは女装男子だという噂を聞いて…!?自分の「好き」ってなんなの!?合唱×恋?×青春小説。

佐藤まどか『キミの一歩 イタリア 夢につながるうねうね道』(高学年~)

海外に在住の著者が自身の体験を元に、驚きや感動を児童に伝える等身大エッセイシリーズです。イタリアが舞台の本作では、美しい美術や文化、古い歴史を背景に、著者が子どもの成長を見守り子どもを通じて向きあった世界の多様性と、夢を持つ素晴らしさ、生きる力を親しみやすい語り口で伝えます。物語が苦手な子どもにも本の楽しさが伝わりますように――そんな願いで生み出されたシリーズです。

菊地秀行・恒川光太郎・乙一『ここから出して(キミが開く恐怖の扉)』(高学年~)

得体のしれない空間に迷いこんだ、不安、恐怖、焦り、絶望。だれか助けて――
大人気作家陣によるホラー小説の傑作をセレクトしたシリーズ第二弾。
菊地秀行「雨の町」、恒川光太郎「神家没落」、乙一「SEVEN ROOMS」を収録

アンソロジー『青春サプリ。このまま終わりたくない』(高学年~)

千葉県・幕総オケ部が、「吹奏楽の甲子園」に挑む!!音楽も、青春も、いつかは終わってしまう。世界でただ一人の吹奏楽作家 オザワ部長、渾身の感動ストーリー!共感必至のショートストーリー、5話収録。

アンソロジー『もし、自分が平凡だと感じたら(人とのつながり こんなときは)』(高学年~)

もし、友達に比べて平凡でつまらない自分に気づいたら、どうしたらいい? クラスのなかでひとりぼっちだと感じたら? 子どもでも大人でもない自分に、もどかしくなったら?
石川宏千花、おおぎやなぎちか、杉成恵佳、イノウエミホコ、工藤純子、5人の作家による、人間関係の悩みによりそう短編を収録。

アンソロジー『もし、自分の居場所がない気がしたら(人とのつながり こんなときは)』(高学年~)

もし、部活の友達とけんかして居場所がなくなったら、どうしたらいい? インターネットで勝手に自分の動画が拡散されたら? 友達にいじわるしたい気持ちが芽生えたら?
いとうみく、吉野万理子、如月かずさ、当原珠樹、土野寧々、5人の作家による、人間関係の悩みによりそう短編を収録。

アンソロジー『もし、自分がブサイクだと思ったら(人とのつながり こんなときは)』(高学年~)

もし、ブサイクと言われて自分が嫌になったら、どうすればいい? 友達と同じ「推し」ができてしまったら? 
親と意見がすれちがってしまったら?
尾関忍、長江優子、佐藤いつ子、宮下恵茉、石井睦美、5人の作家による、人間関係の悩みによりそう短編を収録。

アンソロジー『少年が見た戦争(戦争がわたしたちを見つめている 戦争文学セレクション)』(高学年~)

戦争を見つめた作家たちの詩、児童文学、小説を集めた新シリーズです。1巻目は、「少年が見た戦争」をテーマにし、子どもたちが等身大で読むことができる作品を集めました。カバーイラストは、漫画家の今日マチ子さんに描いていただきました。
三木卓「夜」、茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」、杉みき子「春さきのひょう」ほか8編を収録。

いいなと思ったら応援しよう!