エンジニア採用担当が自分の市場価値を上げるために今日からできる3つのこと
エンジニア採用担当のキャリアへの不安
「どんなエンジニア採用担当ならば市場価値が高まるのか?」というお題で登壇の依頼をもらい、今日お話したのですが、それに向けて改めて市場価値ってなんだっけ?と考えてみたので記録に残しておきたいと思います。(ありがたいことに過去最多の申し込みだったとのこと)
事前の打ち合わせで伺ったのが、スタートアップの採用担当の悩みの深さ。スクラム採用というワードも定着し、全社で採用するぞ!機運が高まることで、「もう採用担当っていらないんじゃ?」「採用担当の存在価値ってなんだろう」という気持ちが芽生えているとのこと。実際にUbieさんなど「専任の人事はいらない!」と言い切って組織拡大している組織もあり、他社のタイムラインを見てると不安になる気持ちもわからなくはないです。
特に採用人事は仕事柄、他人のキャリアに向き合う分、ふとした時に「自分このままでいいのだろうか」と思う機会が頻繁に生じやすい職種です。スタートアップ人事の場合、直属の上司が人事経験なかったり社長だったりした場合、人事の個人的なキャリアに寄り添ってくれる存在が社内に見つけづらいというのもあるかもしれません。(ありがたいことに弊社では社長が全力でコミットしてくれていました)
人事の市場価値を構成する3つの要素
打ち合わせ当初、市場価値というワードが漠然としていたので、何に悩んでいるのかをよくよく聞いていったところ、平たくいうと「年収を上げたい」とのこと。なので、そちらに限定して考えてみます。副業など入れるとまたややこしくなるので、一旦本業に限定して考えてみると、人事の年収は、「ニーズの強さ」、「そのニーズを満たせる人の希少性」、「会社の支払い体力」の3つのかけ合わせでおおかた決まると考えてます
(余談ですが、自分は「有形資産と同じくらい無形資産が大事派」なので、年収を上げることが目的になることはあまりないのですが、今回のリクエストとは真逆なので割愛します。あ、もちろん給与は高い方がいいですw 興味のある方はこちらをご覧ください)
「ニーズの高まる仕事」ができるようになるために今日からできること
エンジニア採用において、ニーズの高い仕事とはなにか?一口に採用と言っても、人員計画策定からの要件定義に始まり、候補者へのアプローチから面接、内定受諾に至るまでの交渉、その後のオンボーディングとプロセスは多岐に渡ります。
多くの場合、エンジニアや経営と協働しながら仕事をすることになるので、一緒に働く人たちから「ニーズが強い」プロセスがどこなのか?を考えてそこで付加価値を出してみる、というのが手っ取り早い気がします。
エンジニア採用チームは会社によって置かれてる状況が違います。おすすめしたいのは、それぞれのプロセスにおいてのチーム全体の業務レベルを4段階くらいで定義して、採用に携わるチームで欠けている部分をまずは可視化してみる。そしてかけている部分を自分が補うために一手間かけてみたり、知見を獲得する、というのを意識してみることです
例えば、要件定義一つをとってもこれくらいやることはあります。チームはどこができ、自分はどこができるのか?を客観的に捉えながらケーパビリティを獲得していくと良いのではないでしょうか
「希少性を高めるため」に今日からできること
チームからのニーズに応えるために必要となるのがスキルだったり、経験だったりします。スキルの希少性価値とは、「この人しかできない」という状態のことで、世の中一般の人事がやるより明らかにアウトプットの質の高い「付加価値」を出せている状態を目指すことです。
例えば、他社のエンジニアの組織構造や給与事情に異常に詳しい、とか、繰り返しのプロセスをコードを書いて自動化してるとか、採用イベントの告知をやたらうまいとか、コーチングのスキルを駆使して候補者のやりたいことなどを引き出せるからクロージングがめちゃくちゃうまい、などが考えられます。この付加価値をつけるためには、何かしらのトレーニングが必要ですが、いきなり付加価値が出ることは、ほぼありません。そのためにまず自分の「特徴」に向き合うことが重要だと思います。
いろんな採用のメンバーと仕事をしてきましたが、付加価値の出し方は本当に人それぞれです。ただ面白いのは、ほとんどの人が自分の強みに気がついていないということです。そもそも強みは当人にとっては当たり前のことすぎて気がつかないことが多く、逆に言うと「自分は息をするように当たり前にできちゃう」ことに強みのヒントが隠れてます。
何を強みとして、自覚的に鍛えていくか?の一歩目として、一緒に働いているメンバーに強みをもらったり、エージェントさんに採用担当としての強みってなんだと思います?などを聞いてみるというというのをおすすめします。そして見つけた特徴から、成果を出せそうな強みに昇華しそうなことを見つけ出し、市場において圧倒的に強みと言えるレベルに高めるためにはどどんなトレーニング/勉強をすればいいのか?を考えていくのが良いのではないでしょうか。この辺りも過去考えてみたことがあるのでご興味がある人はご覧ください
(過去、HUNTER×HUNTERにインスパイアされて、採用担当水見式というのを作ったことがあり、自分と1on1すると大体何系か、何を強みとしていくと差別化することができそうかがわかるというう特殊能力を持っています※ネタです)
「支払い体力のある会社に行く」ために今日からできること
これはシンプルで、外資やビジネスが儲かってる会社に行くのが良いと思います。自分は給与をベースに仕事を探したことがないのですが、これまでの経験から、業務難易度や能力と人事の給与は比例しないというのが実感値です。手っ取り早く給与を上げるなら、今はやはり外資 or 独立(フリーランス)だと思います。
外資に行くとなると英語は必須です。基本的に英語はやればできるので、やったもん勝ちです。隙間時間込みで1日2時間くらい2-3年勉強すればあるレベルまでは行くのではないでしょうか。日系企業でも、英語系ができる人材を採用しようとしてる会社は支払い体力が高いことが多いのでエンジニ採用×英語で給与は結構上がると思います。景気による波は多少あるとは思うのですが2-3年レベルで見れば回復すると思います
あとは、フリーランスという選択肢ですかね。自分の稼働時間を正社員並みに埋めることができると、実感値としては社員オファーの約2倍くらいのキャッシュは作れるのではないでしょうか。ずっとフリーランスで行くぞ、腹ぎめしなくてもたくさんの会社でエンジニア採用を経験することで、引き出しを増やし、どこかの会社に再度就職で大幅に年収を上げる上では効果的かなと思います。アクションとして、YOUTRUSTの副業ステータスとかをいじっておくと、いろんな話が来て、漠然とした不安は無くなるのではないでしょうか。市場感を把握の目的でビズリーチやYOUTRUSTなどを定期的にオープンにしておき、自分の市場価値に対して自覚的になっておくと目の前のことに邁進できるかなと
ただ、スタートアップ人事の醍醐味の一つは、会社の成長と自分の成長が重なっていくことだと思うので、年収アップのために安易に会社をポンポン変えるよりは所属してる会社を高利益体質の会社にして、全員の給与をあげよう!くらいの気概があるといいですよね。一方で経営は主に外資市場からの給与プレッシャーから目を逸らしてはいけないとも最近考えてます
まとめ
最後に、最近好きな図を貼っておきます。茨の道ですがやっていきましょう。未来は明るいです。
お知らせ
個人的にエンジニア採用を楽しむコツは「この人やばい!一緒に仕事したい!」と思えるエンジニアと一緒に働くということだ思いますし、どんなエンジニアと日々接しているか?は希少性を高めるポイントだったりもします。
ありがたいことにエクサウィザーズのエンジニアには、早稲田大学在学中UC Berkeley人工知能研究所 客員研究員に採択され、紅白歌合戦でAIで美空ひばりを甦らせた加藤さんや、未踏ユース採択・トビタテ・東大の総長賞/学府長賞をダブル受賞という、落合博満もびっくりの三冠王こと山下さんなど、一緒にはたらいていて刺激しかない人たちがたくさんいます
今回、この2人のエンジニアが『現場で進む技術イノベーションを知る』をテーマに、R&D(社会課題と新結合)~技術ドリブン・イノベーションや社会実装の今を話してくれるイベントがあります。エンジニアってすごいな!
エンジニア採用楽しいな!とワクワクできるイベントになると思うので是非お越しください!
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