「元サッカー日本代表監督 岡田氏に学ぶ!生成AI時代にこそ必要な個の力と組織論」からの人事目線の5つの学び
社内のオンラインセミナーを聞いていて、とても勉強になったので備忘がてらメモしておく。
個人的に日本の人事の中でも屈指と言えるレベルに岡田監督ファンの自信があり、当日は正座しながらセミナーを聞いた。事前に登壇者の大植さんに共有しておいたインプットをベースに質問してくれたりして個人的にも嬉しかった。
最近、書籍やセミナーや出来事から学び取ったことを忘れてしまうことが多いので1枚で整理することを意識している。今回はこちら
1.若手抜擢は組織の目標達成のための戦略的選択
ベテランは経験から予測可能だが、若手は未知の可能性を秘めている。この不確実性が組織に必要な変革をもたらすことがある。
ストレッチな目標達成には、既存の戦力だけでは不十分な場合がある。そんな時、若手の爆発的な成長力が必要となる。
若手登用は単なる育成目的ではなく、組織の目標達成のための合理的選択。適切なタイミングと役割で起用し、全体のパフォーマンス向上を図る
98年の小野伸二選手や市川選手、2010年には香川真司選手や内田篤人選手など岡田監督はかなり思い切った抜擢をするタイプだったのでずっと聞いてみたかった質問。その背景や意図が知ることができてよかった
非連続な成長を前提にすると、どうしてもテナリの戦力だけでは十分ではなく、どこかのタイミングでチームや個人の「覚醒」が必要となる。覚醒期待と育成目的のバランスについてはなかなかバランスを取ることが難しいのでが、一つの考え方としてすごく参考になった
2.「共通の目的」に向かう過程で自然と一体感が生まれる
「一体感」を直接の目的とすると失敗しやすい。人々の多様性を認識し、違いを受け入れることが重要。
明確な共通目的に向かって協働する中で、互いの貢献を評価し合う関係性が築かれ、真の一体感が醸成される。
非日常的な環境や体験を意図的に創出することで、共通目的の理解が深まり、メンバー間の絆が強化される
2010W杯の時の「ベスト4」という目標の設定と落とし込みのエピソードから。自戒を込めてだが、人事やリーダーはどうしても、居心地が良いから「一体感を持ったチーム」を作りたがる。それよりも先に、共通の目的の明文化とセンスメイクを個別にやり切ることのほうが重要だよなと再認識。
3.効果的なリーダーシップは3つの要素のバランスで成立
マネジメント:各メンバーの価値を認識し、「見ているよ」というメッセージを伝え、組織への帰属意識を高める。
リーダーシップ:魅力的なビジョンを描き、メンバーの心に火をつける。夢や希望を与え、自発的な行動を促す。
キャプテンシップ:メンバーの自主性を最大限に引き出す。指示待ちではなく、自ら考え行動するチームを作り上げる。
岡田監督独自のフレームワーク。自らのリーダーシップを自己採点する際に有用な印象。自分の場合、一つひとつを割と体系的にトライアンドエラーで獲得していくのに3年くらいはかかるイメージがある。
4.多様性のマネジメントの核心はリーダーの揺るぎない決意
個々の特性に応じたコミュニケーションは必要だが、最も重要なのはリーダー自身の揺るぎない決意と覚悟。
信じる道を選び、その決断に基づいて行動する。結果的に一部との決別があっても、それを受け入れる覚悟が必要。
目的に対して真摯に向き合い、「ここまで考え抜いた決断なら結果は受け入れる」という心境に至ることが重要
加茂監督が更迭され監督経験がない状態でコーチから昇格し「魂にスイッチが入る瞬間」を経験した岡田監督らしい話だった。2010年W杯の本田選手や遠藤選手へのコミュニケーションを引き合いに出しながら、表面的にコミュニケーションは個別化しながらも、結局はリーダーの肝が据わってるか、という話がものすごく参考になった。
5.スタッフには"川を渡るな"を徹底させる
スタッフマネジメントは選手マネジメントと同様に重要。感謝の気持ちを示し、時には自己負担も厭わない配慮で強い関係性を構築する。
スタッフは選手の愚痴や批判には傾聴しつつも、安易に選手側に与しない。組織全体のバランスを考慮し、中立的立場を保つ。
経営層と人事部門の関係に似た構図。両者のバランスを取りながら、組織全体の方向性を見失わないよう導くのが役割。
個人的には、セミナーの中で一番目から鱗だったのがこのパート。人事という仕事はサッカーのチームでいうとコーチングスタッフに近いところがある。その際のキーワードとしての「川を渡るな」「川を渡った人とは仕事ができない」という言葉から、本当は全員から好かれたいけど、叶わない立場であるリーダーとして歩み続けきた岡田さんならではの胆力の強さが垣間見えた
📓この記事について
最後まで読んでいただきありがとうございました。株式会社エクサウィザーズで執行役員人事責任者を務めている半田が、人事関連やキャリアのキャリアや人事「ビジネスにインパクトを残す人事になるためのnote」の記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。
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