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採用とマーケティングの違いについて思うこと

「人事」の採用は難しい

「人事、なめてました」

最近あるスタートアップの役員と飲んだ際にポロッと言われた言葉が印象に残っています。その会社は社員約300人、時価総額は数百億円ほど。自分の周りの多くの人が知っているようなto C向けのサービスを提供しています。そのかたは人事が専門ではないのの、人事の部門を管掌され、ご自身でも取り組まれてました。会社のステージに合わせ、より専門性の高い人事の仕事を任せたいと、ある人をCHROとして採用できたので、全てを任せてたようですが、結果としてあまりうまくいかずに結局、自分がハンズオンで入り続けてるということでした。採用された方の方の経歴や、得意そうなことをヒアリングしてみると、正直にいうとストレッチアサインすぎる印象を受けました。

人事の業務の解像度が高い経営者ばかりではない

スタートアップのマネジメントレイヤー、役員の採用は不確実性が高く、すごく難易度が高いのですが、その中でも特に人事のマネージャーは難しいポジションの一つです。経営者と言っても、余程の経験のある人を除いては、人事の業務の解像度が高く、どんな人を採用すべきか、を市場感踏まえて明確、というパターンはほとんどありません。

経営においてのフェーズごとの人事の課題を解像度高く、重要性含めて特定し、中長期でその課題を解いてくれそうな人を外部からいきなり連れてくる、はかなり不確実性が高い。

一方で、採用される人事の方は人事の方で、転職をきっかけにキャリアアップしたい!という思いがあるので、自分のケーパビリティがなくとも成長したくて「できるかわからないけれどやってみる」という姿勢でいたりします。自分自身のケーパビリティを客観視しながら、課題解決に必要な要素を外から見立てるのは至難の技と言えると思います。


人事の採用でのミスマッチによる会社への影響

人事の採用、さらにリーダーというポジションでミスマッチが生じてしまうと、会社全体の士気に関わってきます。これは本当にブーメランになりうるので発言に覚悟が必要なのですが、採用は"人の人生を預かる"仕事です。雇用する人はもちろん、マネジメントを採用するのであればメンバーにも影響力は及びますし、その先にるサービスのお客さんを幸せにも不幸にもしうる可能性をひめた、すごく難易度が高くレバレッジのかかる仕事です。その分価値が高いと個人的には思います。

マーケティングと人事の違い

採用にマーケター(最近この言葉もあまり聞かなくなりましたね)の要素が必要だということがここ5年くらいで言われるようになりましたが、ファーストキャリアがマーケティングだったせいか「採用の仕事とマーケティングの仕事の違いはなんですか」と聞かれることが結構あります。いくつかあるうちの一つが、マーケティングは誰に売ってもいいけど、採用は売る相手を選ばなければいけない、ということです。

例えば、コーラを販売するします。1本100円のコーラは誰に売っても100円です。コーラを買ってくれた後、ちゃんと飲んでくれるかどうかは基本的にはマーケターの考えることではありません。メントス入れて動画をyoutubeにあげるのも自由です。一部の商品を除き、「あなたは美味しく飲んでくれなそうだから、あなたにはコーラは売りません」ということは起きません。(中長期で言うと繰り返し購入顧客、プロモーションコスト、ブランドなどの話があるのですが、一旦わかりやすくするために割愛します)

一方採用は、採用して終わりではありません。入社し、活躍し、事業の成長に貢献する、ところまでできていい採用だったね、となります。誰に向けて会社を、その仕事を、売るかということまで考えないといけないところが難しい点。ミスマッチの採用をしてしまうと、候補者も、会社も、一緒に働くメンバーも誰も幸せにならない。そして多くの場合、悲しいことに、誰も悪意を持っていない。ビジネスが成長していれば、採用せねばという力学が働き、悪意のない不幸が発生する確率はより上がります。なんだか人事の紹介を専門にしてる紹介エージェントの営業文みたいになってきましたが、「会社も個人も幸せになるようないい採用をしたいなぁ」と改めて考えています。

質の良い採用をするには?

ではどうしたらいいの?という話になると思うのですが、月並みですが採用に関わる人が「仕事の質を上げる」ということが一番の解決策のような気がします。こと採用担当個人に限っていうと、すごくつまらない話ですが、「勉強するしかない」のかなと。身も蓋もないのだけど、何もしないで人を幸せにすることができるのであれば苦労しないですよね。

ビジネスの解像度を上げ、業務の解像度をあげ、その人物に対する解像度を上げるしかない。絶対に成功するとは言えないけれど、自信を持ってオファーを出せるだけの根拠やアクションを積み上げていく。経営者やハイヤリングマネージャーと議論を積み重ねる。どんな人を採用すべきなのか、の抽象と具体を行ったり来たりしながら、うまくいく確率を少しでも上げて、その経過も観察する。

勉強というと、座学っぽい印象を受けますが、日々のトライアンドエラーを重ねて言語化していくことも重要ですよね。具体的にどう学べばいいのか?どう自分が学んでいるか、という話はまたいつかどこかで書きたいと思います。

お知らせ

ありがたいことに、僕の周りには不確実性の高いことに挑戦し、そういった学びを積み重ね続けている人がたくさんいる幸せな環境なんですが、その筆頭が湯川さんです。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続けてきた湯川さんが『Web3の未来を占う』をテーマに、世界最先端のWeb3動向と未来の妄想を語ります。直近ではDAO総研を立ち上げられ新たな挑戦をされています。

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Web3の本質とは何か?未来の社会を担う若者にとっての意味合いや可能性は? Web3の世界観が広がった先にある新たな社会像や生き方とは?Web3のこれからを考える機会になるコンテンツです。世界最先端のWeb3動向を知りたい方や自分のキャリアの身の振り方について考えたい方に非常におすすめしたいです!

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