『信頼を勝ち得たリーダーは3年目に飛躍する 実践すべき6つの重要事項』HBR 24年10月号のまとめ | 20240923の週
CEOの交代時の人事が持つべき視点
スタートアップでの人事キャリアを振り返った際にユニークな経験として「社長の交代を人事責任者として経験した」ということであるように思う。入社時から5年代表を務めていた前社長の石山さんから前会長の春田さんに変わった瞬間を人事責任者として経験したことは、とても大きな経験だった。二人の代表の下で働かせてもらい、それぞれ異なるアプローチやリーダーシップを学ぶ機会を得た。意思決定の時間軸やプロセス、人事の考え方、社員へのコミュニケーション方針など一つひとつが不可逆で繊細なものであったように思う。前社長の思想や背景を新しい社長に伝えつつビジョンを正確に引き継ぐ、その中にも人事としての自分自身のスタンスをこめるという経験はそうそうできることではないと思うので、自分にとって大きな学びとなっている。
一つひとつの意思決定や検討プロセス、そしてその結果の回収を学ぶ中で実感したことは、人事の果たすべき役割の大きさだ。今振り返ると、社長が意思決定をする際や意見を求められた際に、そもそも人事のリーダーである自分が「CEOの交代というできごとをどのように認知しているか」によって振る舞いが多少変わっていたように思う。
そんなわけでHBR 24年10月号「経営者交代 成功の条件」に書かれていたことは非常に役立つ思ったので、5つのポイントにまとめてみました
1.信頼構築に2年必要
◦ 新CEOがステークホルダーの信頼を得るには約2年かかる。この期間の信頼構築が3年目以降の業績に大きく影響する
◦ S&P500企業の約1400人のCEOを対象とした研究結果に基づく。企業価値/EBITDA倍率で信頼度を測定
◦ 信頼のプレミアムは3年目から顕在化し、高パフォーマーと低パフォーマーの差が開き始める
2.計画的なペース設定
◦ 短期的成功への焦りを抑え、長期的視点で行動する。マラソンのように根気強く持続可能な戦略を立てる
◦ ステークホルダーに長期的コミットメントを示し、文化再構築や戦略的取り組みに時間をかける姿勢を明確にする
◦ 小さな成功を積み重ね、従業員や取締役会との信頼関係を徐々に構築。急進的な変革は避け、着実に前進する
3.戦略的な優先順位付け
◦ すべての要求に応えようとせず、重要な課題を選択する。優先すべきステークホルダーを特定し、少数の重要な要求に集中
◦ 小さな成功を積み重ね、将来の大きな戦略的取り組みの基盤を作る。早期の成果が信頼獲得につながる
◦ 前任者が後継者のために準備した課題(企業買収後の統合など)に取り組むことで、円滑な移行と信頼構築を実現
4.効果的なチーム編成
◦ 高パフォーマンスなリーダーシップチームを早期に構築する。チームの結束力と目標の共有が信頼獲得に不可欠
◦ 内部昇進の場合、新しい役割に対する周囲の認識を変える努力が必要。個人的な側面を共有し、人間性をアピール
◦ 外部招聘の場合、性急な行動を控え、ビジネスの基本的パラメーターを学び、ステークホルダーとの足並みを揃える
5.継続的なコミュニケーション
◦ 重要なメッセージを繰り返し伝える。進捗状況を定期的に共有し、出発点、現在地、目標を常に明確にする
◦ 従業員との対話セッションを定期的に開催し、懸念事項やトレンドを把握。投資家には業績の良し悪しをバランス良く伝える
◦ 自己研鑽を怠らず、コーチやアドバイザーの支援を受ける。個人と組織のパーパスの一致を探り、自信と目的意識を強化
2年前の自分が肝に銘じておくべきだったこと
2年前の自分が肝に銘じておくべきことといえば「結果を焦らない」と言うことに尽きる。特に本文で書かれていた、以下の2点は研究の対象規模が違うとはいえ、とても納得感のあるものだった
1枚まとめ
最近、書籍やセミナーや出来事から学び取ったことを忘れてしまうことが多いので1枚で整理することを意識している。今回はこちら
📓この記事について
最後まで読んでいただきありがとうございました。株式会社エクサウィザーズで執行役員人事責任者を務めている半田が、人事関連やキャリアのキャリアや人事「ビジネスにインパクトを残す人事になるためのnote」の記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。
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