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「知ると好きになる、人と仕事」 ~Metaのディレクター・データサイエンティスト、アロンさんの来日に寄せて~

AIスタートアップExaWizardsで執行役員で人事をしています半田 @Yoritaka21 です。ここ最近「エクサウィザーズアカデミア」という企画を通じて、プロフェッショナルたちが次の世代のためのなる話をする仕事を通じて学生や若い世代と話すことが増えました。歴戦のプロたちの話を聞くと、次の世代に投資すること、経験をメッセージとして届けることの重要性を再認識しています。というわけで、大した経験もしてない自分ですが、リクルート時代によく使われていていまだに自分が好きな「知ると好きになる。人と仕事」というフレーズについて紹介します。

エクサウィザーズでは、夏に「AIを使った社会課題解決ビジネスプラン立案」というテーマでビジネス職インターンを5日間実施しました。冬の募集も開始してます!そのときに参加者にポストしたものに少し加筆をして残しておきます。

文学部の自分はビジネスのことが何もわからなかった

僕が就活生だった2008年、夏と冬の一ヶ月間、のちに就職することになるベネッセコーポレーションと、リクルートで今でいうところのジョブ的なインターンシップをしてました。お題は「新規事業創出」。確かリクルートのインターンで提案したのが「地方就活生の機会やコストの不を解決するために全部スカイプで面接やろうや」的なプランでした。今では当たり前になっているのは時代の流れを感じます。(こう書くとおっさんですね..)みなさんの提案するビジスプランが、10年後、いやもっと早く、当たり前になってる可能性もあると思います。

インターンを通じて学びになったことは色々あるのですが、その中でも特に思い出に残ってることの一つが、「自分が毛嫌いしていたけだけでビジネスって意外と面白いかも!?」という発見でした。

ここから自分語りが始まります。恥ずかしい話なので読み飛ばしてください。僕は大学時代、文学部に所属し「宗教社会学」というマニアックな勉強をしていました。「人間」や「社会」をテーマに「人はなぜ生きるのか?」「洗脳される人の心理状態って?」「社会的マノリティとうまくやれる人ってなんで?」などビジネス社会で生きてく上ではあまり役に立たない(と思われる)ことを考えることが好きでした。そしてそこに時間をかけてました。就職活動にメリットがあるとは思えなかったし、怪しくて人気もありませんでした。親に「何々しなさい」と一切言われることがない環境で育った自分は、誰に言われるでもなくその学問にたどり着いてしまったんですが、それが僕の個性なんだと思えるようになったのはだいぶ後のことです。(人気がないゼミだったので後輩を集めるために積極的に勧誘活動をせざるを得なかったんですが、そのとき感じた楽しさを思い出すと、自分は採用という仕事向いてたんでしょうね)

父親を早くに亡くし、母親も教師の家庭で育ったせいか、家でビジネスの話題が上がることはありませんでした。高校から大学生の頃は、わかりもしない哲学書などをパラパラと眺めてみては(理解はしてない)、経済学部や商学部などいわゆる実学「思考停止して金のことばっか考えて卑近な学問を勉強…するフリして飲み会ばっかやっとるな!」と少し見下す、こじらせ気味の学生、というか、ただの嫌なやつでした。自分も飲み会ばっかりしてたくせにです。今振り返ると、本音では、行きたかった大学に偏差値が足りなかった自分を納得させるための自己防衛が8割だったのではないでしょうか。 

というわけで、就職活動となった際には出版社やマスコミを志望し、メディアを通じて人の価値観や世の中を変えていきたい、というテンプレ学生だったのですが、いかんせんマスコミは狭き門すぎました。そこで事業領域として興味を持ったのがベネッセコーポレーションやリクルートなど、文系の自分でもサービス作りに関わることができそうな会社でした。

恐る恐るインターンに参加した自分に立ち塞がったのが、"マーケティング"だの"損益分岐点"だの横文字やビジネス用語を並べる商学部・経済学部の学生たち。僕が大学でコリンウィルソンの『宗教とアウトサイダー』を読みふけり、キルケゴールの生き方に感銘を受けている中、彼らは一足早くビジネスのことを勉強していました。インターンの期間はで、聞いたことがない単語が出てくるたびに、わかったふりしつつその場でググって話についていく日々でしたが、何のためにそういった用語や学問があるのか、ということを知ると面白い、ということが少しずつわかっていきました。ほんの一端ですが、「世の中の人を元気にするためにアイデアを絞って物を作って届ける」という自分が見えてなかったビジネスの本質を知り、「ビジネスは、自分が知らなかっただけで、実はめっちゃ面白い」ということを発見しました。そこからというもの、モリモリとビジネス関連の本を読んだりマーケティングの勉強をして、今では横文字ばかり使うようになり、久しぶりにあった大学の友達に「ネタなの?本気で言ってるの?」と心配されてしまうAIベンチャー野郎の完成です。

知ってみたら、見方が変わってのめり込んだ

長々と自分語りしてしまいましたが、言いたいことは、「知らないというだけで毛嫌いしていて、知れば好きになることはあるかもしれない」ということです。このことを学生時代に知れたおかげで、就職してからというもの、「とりあえず興味は全然ないけどどっぷり使ってみよう」と思えるようになりました。ベネッセ時代にすごく勉強した子供のことや、エンジニア採用をするようになってからの技術のこと、正直に言うとはじめは興味が湧かないこともありました。ただ深く知っていくと、どんどん面白さがわかってくる。

学生さんの中にはもしかしたら「AIやテクノロジー」少しとっつきづらざを感じて苦手意識を持ってる人がいるかもしれません。ただ、それは単に「知らない」だけの可能性もあります。テクノロジーはやりたいことを実現するための武器としては強力なツールです。何かのきっかけでめっちゃハマり、勉強する、ことで可能性が広がるということは十分起こりうると思います。現時点でのテクノロジーについて知識がなくても大丈夫です。好奇心を持って、自分なりに勉強していけば強力な武器を持つことができると思います。学生時代よりもこの先遥かに長い時間を使うことになりますし、興味さえ持てればいくらでも挽回できます。

「社会課題の発見」についても同じことが言えると思います。学生からは「自分は何がしたいかわからない」なんてよく聞きますが、そんなのは当たり前です。たかだか20年ちょっと生きた人生で見つけることができてかつ自分の想いが乗っかる社会課題なんてのはよっぽどの人でなければたかが知れていると思います。自分が知らないだけで、いろいろ知っていくと自分が想いを乗っけることができる課題が世の中にはたくさんあります。

多少興味がないことでも興味の幅を少し広げ、いろいろ調べていったり、知っていくことで、「自己分析」でいくら自分の中を掘ってみても捻り出すことができなかった「やりたいこと」や「解決したい課題」に出会えるかもしれません。なので、ある一定の期間だけ決めて、狂ったようにそのお題について知る時間を設けてみてもいいかもしれません。

少し話はそれますが、キャリアなどで「偶然と人間の行動が絡み合い、好ましい結果につながること」を"セレンディピティ"と言います。最近その研究をしている本を読んでいるのですが、幸運を引き寄せるには、アンテナを貼っておくことが重要とのこと。まさに「知ると好きになる、人と仕事」で、若い頃のちょっとした経験やふとしたきっかけでその後の人生の方向性は大きく変わります。

世界最先端の技術について知ってみよう

とまあ長々と書いてきましたが、ここからはお知らせです。メタ・プラットフォームズ ディレクターのアロン・ハレヴィさんがエクサウィザーズアカデミアのために来日、登壇してくれます。

アロンさんは、Google本社のシニア・スタッフ・リサーチ・サイエンティストとしてデータマネジメント分野の研究責任者を経て、当時のリクルートのAI研究所(現Megagon Labs)のヘッドを務めた後、現在は2019年8月よりFacebook AIに参画された方。経歴だけ聞くとただただ圧倒されますが、コーヒーが大好きで毎年誕生日にはOmedeto Gozaimasu!とメッセージをくれる本当に気さくな方です。

そんなメタ・プラットフォームズの現役ディレクターであり、起業家でもある世界トップの構造化データサイエンティストのアロンが『世界最先端のデータサイエンスを知る』をテーマに、最新のAIトレンドとその未来への影響を語ってくれるイベントです。

また、専門家から見た未来世界におけるエクサウィザーズの位置づけや可能性についてもお伝えします。データサイエンスの世界最先端では何が今議論されているのか、GAFAのエンジニアが何に着目しているのかに興味がある方必見のコンテンツです。

エンジニアの皆さんはもちろん、テクノロジーに少しでも興味のある学生/若手の方はぜひお申し込みください!

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