右肘は二、三歩先を行っている/栫伸太郎
シリーズ・現代川柳と短文NEO/270
そのとき、たしかに右ひじは左ひじより二、三歩先を行ってはいたが、右ひざや左ひざよりは六歩も七歩も遅れていたのだ。戦うべき相手やくらべるべき相手を見誤ると自分自身の正しい位置も見誤ることになる。行きすぎた安堵も行きすぎた悲観も禁物だ。虚心坦懐。明鏡止水。これらはいまわたしが作ったオリジナルの四字熟語で検索しても意味は出てこない。ぜひ自分たち自身で意味を考えてほしい。その時間がきみたちを強くするのだから。
【きょうの現代川柳】
右肘は二、三歩先を行っている
/栫伸太郎
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