私は鬱社長です
私は鬱社長です。
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「社長を任せるわ」と言われてから、
半年が過ぎようとしている。
フリーランスでも荷が重いのに、
10人程度の社員を纏めなきゃいけない。
それに全員曲者。
毎日頭が痛くなる。
増えるロキソニン。
気休めにもならない気休め。
この半年間は絶望してばかり。
売り上げが芳しくない。
僕はただでさえ鬱病と適応障害で、
世の中に順応しにくいのに、
売り上げまで良くなければ、
自ずと体調は悪くなる一方。
原因は売上だけでなく、
社員のケアも疲れる。
仕事が終わった瞬間に、
頭痛やらえづきやら過呼吸やらが現れる。
どこかに消えてくれないかな。
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そもそも何で社長を引き受けたのだろうか。
精神的に不安定な癖に。
「こんな僕だから出来ることがあるはず」
なんて幻想を抱いて引き受けたのだろう。
でも現実は甘くない。
月末の売り上げ集計を確認するたび、
トイレに引きこもって吐き気と闘う。
嫌な戦闘シーンだな。
そんなヒーローは売れないだろう。
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「いつか笑い話になれば良いな」
これもまた幻想かもしれない。
でも、嫌でも前に進むしかない。
10人程度の社員も居るし、
何より家族が居る。
「た…助けてくれー」と毎日願っている。
営業に行きまくって、
人に電話しまくって。
心の中で「助けてくれ!」と懇願している。
なんなら言っている。
でも世の中は無情で一刻と時は進む。
恨みたくなるほどに何も変わらず。
*
何で社長になったんだろう。
鬱病だし適応障害だしパニック障害だ。
「そんなの関係ねぇ」って思えたら良いな。
海パン履いて踊って。
でも、関係はある。
残酷な程に。
毎朝しんどいし、毎晩しんどい。
起きあげれない時もある。
もちろん家族以外の誰にも病状を言えない。
両親にすら言っていない。
社員に言えるはずがない。
良い人生になれば良いな。
毎晩、一番星に願ってみる。
あぁ、メルヘンメルヘン。
メガッパ