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もしかしたら幸せになることが不可能なのかも(ハンニバル)

「ハンニバル」を観たのでレビューします。

【作品情報】
監督:リドリー・スコット
出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア

【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)

【あらすじ】
シリアルキラーのレクター博士が脱獄してから10年。クラリスは変わらずFBI捜査官として職務をこなしていたが、ある麻薬捜査で売人を射殺してしまい世間の非難を浴びてしまう。ニュースでクラリスの近況を知ったレクター博士は、彼女に手紙を出す。手紙をきっかけにクラリスはレクター博士の足取りを調べ始め、過去の被害者である大富豪が博士に懸賞金をかけていること、レクター博士がフィレンツェに潜伏していること、現地の捜査官パッツェが彼に接触を試みようとしていることに気付く。彼女はパッツェ捜査官に、博士に近づくのは危険だと警告するが・・・

【感想】
 タイトル通りのハンニバルシリーズ2作目の映画です。前作で脱獄したレクター博士を、クラリス始めとする癖強な登場人物たちが追いかける物語で、彼らが博士の手のひらで転がされておもちゃのチャチャチャにされるのを眺める映画です。
 前提としては前作を観ていないと話がよく分からりません。観ていたとしてもクラリス役の女優が変わってしまっているため、違和感から感情移入がしづらい上に、物語がスローペースなため、終盤までは正直退屈な映画です。しかし終盤から怒涛の畳みかけにより物語が加速していき、心地の悪いトラウマに浸ることができます。具体的には多くの視聴者にトラウマを与えたであろう、某猟奇シーンを指します。一見の価値がありますが、しばらくソテーが食えなくなります、多分。
 前作は猟奇性のうち理解不能な不気味さにフォーカスしていたと思いますが、今作は猟奇性のうち意味不明な気持ちの悪さにフォーカスしていると感じました。博士が無垢な子供に食事を分け与えるラストは秀逸で、何度観ても気持ちの悪さがありあまる良作だと思います。

【セリフ抜粋】
「もしかしたら幸せになることが不可能なのかも」
クラリスが司法省の役人クレンドラーと会話するシーンにて。認めちまえば楽になるセリフ。

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