平穏に暮らす、寿命を勘定して(トレインスポッティング)
「トレインスポッティング」を観たので、レビューします。
【作品情報】
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー
原作:アーヴィン・ウェルシュ
【おすすめ度】
★★★★★★★★★☆(9 / 10)
【あらすじ】
ドラッグに依存するヤク中のレントンは、同じヤク中のスパッドやシック・ボーイ、ヤク中ではないが喧嘩依存症のベグビー、素面で彼女持ちのトミーら友人たちとよくつるんでいた。何かに依存し快楽の日々を送っていたが、あることをきっかけに一念発起したレントンは、ドラッグを断ちまともに働き始める。仕事はうまくいき充実した日々を送り始めるが、悪友たちとの縁は簡単に切れるはずもなく・・・
【感想】
酒、薬、性、暴力・・・人間が陥りやすい種々の依存から、抜け出す気もなくモラトリアムを謳歌し続ける怠惰な若者たちを描いた物語です。主人公のレントンを始め、その仲間たちはどうしようもない屑さを抱えているのですが、それが人間的であり共感を覚える部分があります。10代の頃に観ていたらもっとハマっていたのではないか、そういう面白さや魅力があります。
テンポよくスタイリッシュに物語が進むので、多少汚いシーンはあってもストレスなく見終えることができました。最終的にレントンは仲間たちを出し抜き、切り捨てる選択をしますが、それが間違いではないと感じるのは、悪友との縁は切るに越したことはないという現実的な教訓が存在するからでしょうか。本作の20年後を描いたまさかの続編もあるので、観ます。
【シーン抜粋】
仲間を切り捨て、大金を手に入れたレントンが、新たな門出を切るシーンにて。モラトリアムの終焉によるバラ色の人生が為せるセリフ。