何かあると知りながら誰も何もしなかった(スポットライト 世紀のスクープ)
「スポットライト 世紀のスクープ」を観たのでレビューします。
【作品情報】
監督:トーマス・マッカーシー
出演:レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、マイケル・キートン
【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)
【あらすじ】
2002年某日、米国のボストン・グローブ社がとあるニュースを報じた。その内容は、カトリック教会の神父が児童に対して性的虐待を、組織ぐるみで長年に渡り働いていたという衝撃的なものであった。世紀のスキャンダルを白日の下に晒したのは、同社の報道チーム「スポットライト」の面々であった。彼らはいかにしてこの真実を突き止めたのか。そこには彼らの知られざる闘いがあったのであった。
【感想】
カトリック教会の知られざる闇を暴く、新聞記者たちの闘いを描いた映画です。神に仕える神父の多くが実は性犯罪者で、人の子どころかケダモノだったという、あまりにも笑えない嘘みたいな実話を元にしています。
報道チームは、当初は一定数いるであろう変態神父たちの告発を目的にインタビューや取材を敢行していましたが、次第に加害者やそれに伴う被害者の数が洒落にならない規模で存在することが分かっていき、絶対に告発してやるぞという使命感に駆られていきます。しかし、神父たちは教会という巨大な公権力に守られ、その道程は一筋縄とはいきません。
教会文化が普及していない日本では馴染みの薄い問題かもしれませんが、近しいもので言えばジャニーズの性加害問題の胸糞悪さが一番近いのではと感じます。変態が跋扈する魑魅魍魎の世界は、いつの時代も度し難く社会の影に、それも身近に存在していることが分かる映画でした。
【シーン抜粋】
ロビーが弁護士の友人を説得するシーンにて。見ざる言わざる聞かざるなセリフ。