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撤退による勝利はない。だがこの救出劇は1つの勝利だ(ダンケルク)

「ダンケルク」を観たので、レビューします。

【作品情報】
監督:クリストファー・ノーラン
出演:フィン・ホワイトヘッド、アナイリン・バーナード、トム・ハーディ

【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)

【あらすじ】
第二次世界大戦初期、フランス海辺の町ダンケルクには英仏軍40万人の兵士たちが、ドイツ軍に追い詰められて撤退を余儀なくされていた。切迫した状況下、陸ではトミーやギブソンら兵士たちが生き延びようと、海では民間の船主ドーソンとその息子が彼らの救助に向かおうと、空ではファリア・コリンズらパイロットがドイツ空軍の攻撃から彼らを守ろうと懸命になる。陸・海・空を舞台に繰り広げられる史上最大の撤退作戦は、成功するのか。

【感想】
 史実を基にした戦争映画ですが、与えられる情報が限定的で説明も乏しいため、最初は何が何だかよく分かりません。物語が進むにつれ、兵士たちが戦争から何としてでも生き延びようとする話なのだと理解できます。
 助かったと思ったら命の危機にさらされる・・・という局面が繰り返されるので、ただ生き延びるという行為が戦場ではいかに過酷かが、画面越しから伝わってきます。
 撤退が成功しても戦争に勝つ訳ではありませんが、過酷な状況に置かれようと、不利な条件を強いられようと、生き延び続けさえしていれば敗北にはならない。往生際の意味と悪さを思い知る映画です。

【シーン抜粋】
ラストでトミーが新聞の内容をギブソンに伝えるシーンにて。逃げるが勝ち、逃げることの価値を表すセリフ。

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