『求道のマルメーレ』#8 第三編 全神会議(三)
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第三編 全神会議(三)
メリッサに焚き付けられて、鋼の瞳は沸騰するように滾っていた。水の匂いが場内を満たす。なるほどこれが本性かと、場にいるほとんどが身震いするか苦笑を浮かべた。
その中で風神たちだけが明らかに顔をしかめたのに対し、キャロディルーナは唯一、全くの無表情を貫いていた。
右手の薬指のタンザナイトがスッと弧を描き前に出る。藤色の瞳は、シアンブルーに反してあまりにも冷ややかだった。
「議長である以前に水神女王として意見したい