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“推し”が家計を食い尽くす―ペットとアイドルに未来を預けた社会の行方―

学生時代の友達からこんなエピソードを聞いた。

友達の上司の家庭では、ペット用のプレミアムフードの出費が家族全員の食費を超えた、と。

それだけではなく、その家庭の大学生の娘さんが、アイドルのライブ遠征費やグッズ代を工面するためにアルバイトに明け暮れているという。

いやいや、推しを愛するのは素晴らしいことだが。

でも、

これってバランスが、取れてない。


「ペットも家族の一員」というけれど、それどころか「推し」のひとつになっている。

推し活は、アイドルだけじゃなく、犬や猫にも広がってるみたいだ。

ペットフード市場は毎年2~5%で成長していて、2023年には1兆8000億年規模にのぼる。これだけで「ペットに熱中してる人、めちゃ多いんだな」と、わかる。

SNSには「うちの子(犬)かわいい」という写真があふれ、飼い主のプチ幸福度を上げている。

しかも、

最近のペット用グッズやサービス、完全に人間用のもの並みに豪華。ペット用バースデーケーキや高級ペットホテル。贅沢だなぁと思う。

一方で、アイドルやキャラクターを推してる人たちも、負けていない。

ライブ遠征、グッズ、SNS広告に課金…。推し活にかけるお金は、もはや趣味を超えて生活の中心になってる人も多い。

ある調査では、推し活にかける平均金額は1カ月あたり1万6605円、年間に換算で約20万円。

約20万円。

「そこに幸せがあるならそれでいいじゃないか」と思う反面、「それで大丈夫なのか?」とも思ってしまう。


ペットもアイドルも推すこと自体は全然悪いことじゃない。

それどころか、生活に癒しとかモチベーションをくれる大事な存在。でも、その推しが家計を圧迫してしまうとしたら?

たとえば、こんな話を聞いたことがある。
「ペットのために二人暮らし用の小さめマンションを選んだ」というカップル。

あら?その選択肢に「子どもを育てる広い家」っていう未来はなかったのか?

ペットを飼うことで子どもを育てる余裕が削られてるなら、それって未来を食いつぶしてるんじゃないかな、と。

また、推し活に熱中する若者たち。これもその瞬間は楽しいんだけど、将来の投資や貯金を犠牲にしてないか?

「いまを楽しみたい」という気持ちはすごくわかるけれど、推しが老後の面倒を見てくれるわけではない。


刹那的な幸福によって「未来を預ける」という感覚がいつの間にか軽くなる。

ペットもアイドルも、日常のストレスや孤独を埋めてくれる素敵な存在。

でも、

家計の優先順位が崩れて未来への投資が後回しになるとしたら、それって個人の問題だけじゃなく、社会全体に影響を与える話になる。

たとえば、子どもを育てるよりペットにお金をかける世帯が増えたら?

出生率はさらに下がるし、将来の社会を支えるリソースが減ってしまう。そしてその結果、未来を支える世代が少なくなって、結局自分たちも困る…と、いう悪循環。


じゃあ、「推し活」や「ペット愛」をやめればいいかって言うと、そうでは決してない。

むしろ、

それをちゃんと楽しむために、自分の生活全体を見直す必要がある。

家計の優先順位を見直す
推しにお金を使うのは大事。でも、それが「今後の生活」に響かない範囲でやらないと、本当に大切なことを見失ってしまう。

推しと未来を両立するライフプランを立てる
ペットを飼うなら、子どもを育てるプランも考えてみる。アイドルに課金するとしても、貯金や投資も並行してできる範囲で。

「楽しい」をちゃんと選ぶ
ペットやアイドルだけじゃなくて、自分の未来を楽しくする方法を増やしてみる。旅行でも、自己投資でも、何か新しいことに挑戦してみるのもいい。


ペットもアイドルも、「推し」として愛するのは素晴らしいこと。

でも、未来を預けちゃうのはちょっと重すぎる。だからこそ、推しを全力で楽しむために、自分の生活全体を見直してバランスを取ることが大切。

推しが人生を楽しくしてくれるのは間違いない。でも、未来を支えるのは自分自身だとことを忘れてはいけない。

ペットも推しも、心の支えとしては最高だ。

ただ、その支えが重荷にならないように、私たちは「楽しむ方法」をもっと工夫していく必要があるかもしれない。

推しもペットも、私たちの人生を豊かにする大切なパートナー。

ただ、豊かさは『いま』だけでなく『未来』にも広がってこそ本物になる。

楽しい瞬間を抱きしめながら、未来に続く道も見失わない――それが本当の“幸せを推す”生き方なんだと思う。

Welcome to Rachel Lab!


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