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週刊レイチェルタイムズ【9月4週目】

週刊レイチェルタイムズは、1週間の米国株の状況とマーケットに影響のあったニュースをまるっと振り返るコーナーです。

ニュース部分では投資をする上で重要なキーワード解説をしていますので、ぜひご覧ください。

今回はお試しで全文公開しています。

1.株価

イギリスの国債購入のニュースで水曜日だけ上がりましたが、その他の日は引き続き利上げ・景気悪化ムードで調子がよくありません。

月曜日
世界の中央銀行がこぞって大幅利上げをしている中での景気悪化の懸念から株式相場は下落となりました。
火曜日
前日までの流れを引き継ぎますが、この時点でダウとS&P500は年初来安値を更新。前日まで5日続落のナスダックはわずかに上昇します。
水曜日
イギリスのイングランド銀行(中央銀行)が長期国債の緊急購入を発表し、欧米の長期金利が軒並み低下し、株式は上昇し、久々の全面上昇となりました。ただ、この日、アップルがiPhone14の増産計画を断念するニュースが報じられ、まさかのアップルだけマイナスに。
木曜日
前日に急低下した長期金利が再び上昇傾向となりハイテク株を中心に売り一色となりました。さらにバンク・オブ・アメリカがアップルの投資判断を「買い」⇒「中立」に引き下げたため株価は4.9%の下落に。

2.ニュース

9月26日(月)

総合PMIが3か月連続で50を割る

アメリカの9月総合PIM速報値(前月比)は49.3(↑4.7)と前月から4.7ポイント上昇。6カ月ぶりに景気が上向いたものの好況と不況の分かれ目となる50を3か月連続で下回る。

PMIは購買担当者景気指数といわれるもので、企業の購買担当者たちの景況感を集計した指標です。製造業PMIとサービス業PMIとあり、この2つをまとめたものが総合PMIです。

50を超えると景気拡大、50を下回ると景気減速を示しています。今回は3か月連続で50を下回っているので、景況感は厳しい状況です。

PMIは、Purchasing Manager's Indexの略です。
Purchasing=購買、Manager's=担当者、Index=指標ですね!


イタリア総選挙、イタリアの同胞(FDI)」が第1党に!

イタリアの総選挙が25日夜(日本時間26日早朝)、即日開票され、メローニ党首率いる野党の極右「イタリアの同胞(FDI)」が第1党になる見通し。メローニ氏がイタリア初の女性首相となる可能性が。

wikipediaより

メローニ氏は2014年からイタリアの同胞(FDI)の党首を務めています。まだ45歳とお若い。投開票の結果が確定し次第、20日以内の組閣となります。イタリア初の女性首相の就任となり、イギリスのトラス首相と同時期での女性首相誕生です。

日本では高市さんが初の女性首相になるのでは?との声がありますが、実現となるのでしょうか。

岸田総理、「クロージング・ベル」鳴らす

岸田総理大臣がニューヨーク証券取引所で取引終了の鐘を鳴らし、投資家を前に講演を実施。日本への投資を呼びかける。新しい資本主義を推進すると訴え、優先課題として年功序列型の賃金見直しや女性活躍推進、NISA恒久化を挙げる。

FNNプライムオンライン

この写真はなんだか嬉しいですね!

ニューヨーク証券取引所では、市場の始めと終わりに鐘を鳴らすセレモニーがあり、100年以上の歴史がある伝統的なイベントです。

その日の相場がいくら悪くても"笑顔"で鳴らすルールです。岸田さん、いい笑顔!

9月27日(火)

ロシアが日本総領事館の領事を拘束

FSB(ロシア連邦保安局)は違法な情報活動に従事したとしてウラジオストクの日本総領事館の領事を拘束。この館員は「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからぬ人物)」と宣言された。欧米の制裁による極東の経済状況への影響などに関する非公開情報を金銭を提供することで入手したと主張。

この情報(欧米の制裁による極東の経済状況への影響)を購入することは違法行為なのか?という疑問の声がネット上でも見受けられます。事態が早急に解決されることを祈ります。


イギリスポンドが急落

イギリスポンドがドルに対して急落し一時過去最安値を更新。トラス政権が大規模減税を柱とする新たな経済政策を発表したことで財政悪化が懸念されている。

円安もやばいけど、ポンド安もやばい!

財源がないままに太っ腹の経済政策を打ち出したため、財政悪化が懸念されて通貨安を招いてしまいました。しばらくイギリスの難局は続いていきそうです。


9月28日(水)

ノルドストリームで同じ日に3か所が損傷

ロシアからヨーロッパに天然ガスを送るノルドストリームで同じ日に3か所が損傷したと運営会社が明らかに。関係者は前例がない事態だとして原因を調査している。

画像のようにぶくぶくと漏れています。

ロイター

大方の予想では、ロシアによる破壊工作の可能性が高いとしています。

この破壊によってヨーロッパでのエネルギー問題が深刻化していきそうです。


新築住宅販売件数が増加に

アメリカの8月新築住宅販売件数(前月比)は年換算で68万5000戸(↑28.8%)と市場予想50万戸を超え3か月振りの増加に。販売価格の中央値は43万6800ドルと前年比↑8.0%の上昇。

新築住宅販売件数は、アメリカ国内で1カ月の間に販売された新規住宅の件数です。

これが投資の重要指標とされています。

なぜか?

家を買うことによって家具や家電を買い換えることが多く、個人消費への波及効果が大きいためです。せっかく家を買ったんだから、新しい冷蔵庫や洗濯機を使いたいですよね!アレクサも使っちゃおうかな!となりますよね。

そのため、景気動向の先行指標として投資界隈では注目されています。

8月は増加傾向となっていますが、金利の上昇でこの先は下がってくることが予想されています。そうでないと困ります。この指標が上向きだといつまでもインフレが止まりませんから!


シカゴ連銀のエバンス総裁、政策金利に言及

シカゴ連銀のエバンス総裁はFRBの政策金利がピークに達するのは2023年3月との見通しと示す。FRBは政策金利を最終的に4.6%まで引き上げその後金融引締めの経済への影響を見極めるとする。

FOMCを踏襲した発言です。そのためサプライズはなし。

9月のFOMCを受けて株価は大きく下げました。その下げによって既に11月0.75%、12月0.5%は既に織り込まれました。

インフレが収まって、景気回復して、金融緩和に転じるのはいつになるのか?早く来てほしいです。


消費者信頼感指数が改善!

コンファレンスボードが発表した9月消費者信頼感指数(前月比)は108(↑4.4)市場予想104.5と2カ月連続で上昇し消費心理が改善。

消費者信頼感指数は、消費者マインドを指数化したものです。消費者が現在と将来の経済動向について、楽観的に考えてるか、悲観的に考えてるかを調査した経済指標となっています。

民間のシンクタンクコンファレンスボードが発表してるものと、ミシガン大学が発表しているものがあります。

消費者が楽観的であればあるほど、消費が増加していくので、景気動向の先行指標のひとつとして注目されています。


9月29日(木)

イングランド銀行、長期国債を金額無制限で買い入れ

イングランド銀行は長期国債を金額無制限で買い入れると発表。イギリス国債の利回りが急上昇していることを受け。買い入れ期間は9月28日~10月14日までで「極めて時限的な措置」と強調。大規模減税を柱とする新たな経済政策の発表後、財政悪化の懸念から国債価格が下落し英10年債利回りが4.5%台に上昇してたものの4%付近まで低下。

長期金利の上昇を受けて、緊急での国債の買い入れです。買い入れた直後に国債の売却が始まりますから、アクセル(国債購入)とブレーキ(国債売却)を両方踏む政策となります。このちぐはぐな緊急対応にイギリスはかなり追い詰められているとの見方が強くなっています。


住宅ローン金利が30年固定で6.52%まで上昇

アメリカのMBA(抵当銀行協会)が発表の住宅ローン金利(9月17~23日)は30年固定で6.52%まで上昇し前年比2倍の高水準に。

米30年物住宅ローン金利が6.52%というのは2008年8月以来の高水準です。

利上げによって住宅金利も上がってきてますね。住宅金利が上がれば住宅が売れにくくなりますから、その分消費が停滞していき、インフレを抑えることができます。

アップルはiPhone14の増産計画を断念

アップルはiPhone14の増産計画を断念。需要が想定ほど伸びなかったため下半期に予定の最大600万台の増産見送ると部品の納入会社に伝達。下半期の生産は当初想定の9000万台を目指すとし1年前とほぼ同水準に。報道を受け株価は一時4%を超えて下落。

われらがアップルの残念なニュースです。iPhone14は思ったほど需要が強くないと判断したようです。
ただ、今後発売される「Pro」の需要は強くなると多くのアナリストは予想しており、年末商戦に向けての業績には期待がかかります。

9月30日(金)

バイデン大統領、南太平洋地域との関係を強化を強調

バイデン大統領は、ワシントンで開催された太平洋島しょ国との首脳会議に出席し中国が影響力を拡大する南太平洋地域との関係を強化していくと強調。経済的な支援として8億1,000万ドル(1,170億円)を超える資金を拠出すると表明。

中国への対抗とされています。中国の影響力を弱めていき、アメリカを中心とした世界のまとまりをつくることがバイデン大統領の戦略です。トランプ大統領時代にはアメリカファーストで自国第一主義路線でしたが、バイデンさんになってからは世界のリーダーとしての存在感を高めていく戦略へ方向転換しています。

アップルの投資判断が「買い」⇒「中立」へ格下げ

アメリカ金融大手バンク・オブ・アメリカはアップル株の投資判断を「買い」⇒「中立」に引き下げる。目標株価も185ドル⇒160ドルに引き下げ。世界的な個人消費の冷え込みやドル高による圧力をリスクに挙げ、アプリストアなどのサービスやiPhoneの需要が減速するとの見通しを示す。

残念なニュースです。この報道を受けアップルは4.9%の下落です。前日にiPhone14の増産を断念するニュースに続き、厳しい環境が続きます。アナリストの間では「Pro」の需要は高いと予測されていますが、年末商戦でiPhoneの販売はどこまで伸ばせるのかに注目が集まります。頑張ってほしい。


労働市場は、堅調

アメリカ新規失業保険申請者数(9月18~24日)は19万3000人(市場予想21万5000人)、前週比1.6万件減少。4月以来の低水準に。労働市場の堅調さを示す。

経済の先行きが不安定な中でも労働市場は依然として調子がいいことが示されてしまいました。

しかし、

労働市場が堅調ではいけません。FRBが利上げのペースを落とすことができません。雇用がちょっと悪いぐらいでないと。

新規失業保険申請件数は、アメリカの労働省が毎週集計して、木曜日に発表されています。景気の動向に敏感に反応するといわれていて、景気先行指数としてみられています。

今週のつぶやき

朝晩すっかり寒くなりましたね。来週の前半までは暖かい日が続きますが、水曜日ぐらいから気温が急に下がるそうです。この週末に衣替えをした方がいいかもしれません。

火曜日→水曜日の落差!

服装の目安は最高気温で測れるそうです。
25℃以上⇒半袖でOK。夏
20℃~24℃⇒7分袖や薄手のストールがあった方いい。
15℃~19℃⇒肌寒さを感じるので長袖や薄手のニットを用意した方がいい。
~15℃⇒冬なので完全装備が必要。

いよいよ本格的な秋に入っていきますね。

そして、

いよいよ週明け10月3日(月)に「シン・米国株投資術」の発売です!

これをご覧いただいているのも何かのご縁です。ぜひ手に取ってくださると嬉しいです。全身全霊をかけて書かせていただきまして、楽しんでいただける内容となっております。

よろしくお願いします!

今週は以上です。来週もよろしくお願いします。

レイチェル

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