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#270 役割が変わったら、価値規範を学びなおす 24/11/18

こんにちは。
今日は、昇進や異動などで役割が変わった際の適応課題について考えます。

先日、マネージメントの研修内容をチームで考えている中で、マネージメントの役割が段階によって違いがあることを、自社なりのステップに分解したいとなりました。段階の言い方はさておき、初級、中級、上級のように3段階のステージにおいたとします。

上級を事業責任者、執行役員、取締役など経営チーム、ボードメンバー階層とします。
中級は、範囲がやや広く、一般に言うミドルマネージメント、中間管理職の範囲とします。役職でいえば、課長、部長あたりです。
初級は、主任、スーパーバイザー、店長、班長、現場監督など現場の中にいる責任者の位置づけとします。

その3階層の最小公倍数的ないくつかのマネージメントすることの違いをハイライトする要素を洗い出してみます。
マネージメントの主たる対象は何か?
マネージメントは主にどんな時間軸で見ているか?
マネージメントするために、どんなスキルや知識がベースになるか?
マネージメントする再現性は何か?

まず、マネージメントの対象を考えてみます。

初級:管掌する職場の「業務プロセス」です。業務が円滑に遂行しそれを整えます。

中級:現場責任者と上位責任者の声を聞いて、「どのようにより良くできるか」など改善の問題解決のアイデアをつくり、現場の業務実行を最適にします。

上級:自社が事業展開する市場環境や顧客の声をもとに、自社にとって良い事業とは何か、良い品質は何か、を問い直します。そして、社会課題の解決に向けて、事業価値や事業ポートフォリオを捉えなおします。

次に、どんな時間軸に重心を置いてマネージメントをしているかです。

初級は、ほぼ今現在です。

中級は、現在と少し先の未来(3~6ヵ月、1年)が半々くらいです。

上級は、未来(1年以上~10年、トップマネジメントチームは10~30年)です。

そして、何を再現性するためにマネージメントするのか?

初級は、業務品質の再現性です。自分がプレイヤーとして成果を出してきた暗黙知を抽出し、チームメンバーの形式知に昇華し、業務品質の標準化に再現します。

中級は、チームの業務遂行および組織運営サイクルの良い循環を再現します。その中でボトルネックになっていることを取り除きます。

上級は、事業組織単位のケイパビリティを再現します。そのケイパビリティの進化を再現するとも言えます。そして、それを下部組織でも機能するようにします。

最後に、どんな知識やスキルをもとにマネージメントするのか、です。
初級は、課題やタスクの進捗管理です。そして、自分がプレイヤーとして獲得した暗黙知を、内省したり、フィードバックをうけて、表出化することです。
中級は、現場と上部組織それぞれのステークホルダーと対話するスキルが1つです。両者の意見を採択し、つなぎ合わせる対話スキルが必要です。そして、それをベースに新たな課題設定、解決策を一緒に生み出すプロジェクトファシリテーションのスキルがもう1つです。
上級は、社会課題解決に向けての方針・方策を意思決定するスキルです。そしてその決定について、意味づけ・センスメイキングするストーリーテリングのスキルが2つめです。これらは、一般に言うリーダーシップに該当します。もちろん、初級、中級、あるいはメンバーは各持ち場でリーダーシップを発揮することが求められるのは言うまでもありません。さらに、

そして、3者3階層に共通するのは、今までの方法などの前提や顧客ニーズなどマインドセットをアンラーンするスキルです。そのための謙虚さに至るスキルもまた必要です。

初級は、プレイヤー志向(たとえば、自分がやるのが一番速い)をアンラーンする。中級は、顧客志向(たとえば顧客満足を最大にするのがすべて)をアンラーンする。上級は、自身の成功体験(生存者バイアス)や規範をアンラーンする。これらが共通するスキルです。

これらを認識して、習得してはじめて、任された役割に対して、自身を捉えなおすこと、これが持続的に継続できる一助になると考えます。
それでは、また

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