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#89 人事はガバナンスと危機管理を持って事業継続性に貢献する【2/2】 24/2/23

みなさん、こんにちは。
事業の持続可能性に人事が貢献する、について考えてみます。
前日の続きです。

ラップアップします。
わたしはルールや規則は最小限が良いスタンスです。絶対に守らなければならないのは法律で、コンプライアンス順守だけといってもよいくらいです。
しかしながら、組織にその視点を持つ存在が弱いならなら、人事部門のわたしが、コーポレートガバナンスと危機管理を担保しないと事業も従業員も守れないと考えています。
それが事業の継続性に貢献する人事、持続可能な、サステナブルな人事です。

さて、続きです。
事業継続性に貢献する人事、持続可能な人事が果たす職務です。
人事をはじめバックオフィス部門はよく機能組織と表現されます。ある側面ではその表現は的を射ているものの、わたしは別の意見です。
それは、人事は戦略です。
カッコつけた言い方ですが、経営戦略の柱の1つでと考えます。

現在の経営・事業展開や運営の枠組みが、この先のスコープと変わらないのであれば構いません。そうではなく、今以上に社会課題の解決に貢献する、卑近には財務的価値も含めて、今の事業を一層拡大し、マーケット(顧客)への影響力を高める経営を志向しています。

そうであれば、経営の継続性が先に来る、トッププライオリティの1つに位置づけられるのではないか、と考えます。なお、わたしは現在はコーポレートの人事ではありませんが、事業単位を経営と読み替えても同じことと考えます。
その経営の継続性が担保されるためには、(コーポレート)ガバナンスと危機管理を押さえておくことがキーファクターと考える次第です。

グローバルには大きな文脈に、SDG’sやESGがあります。人事分野では、多様性・ダイバーシティや人権の尊重はホットトピックです。
省エネ、脱炭素など温暖化への取り組みの一方、AI時代の膨大なエネルギー消費の技術革新ニーズと代替エネルギー資源の効率的産出など持続可能とのトレードオフもあります。
また、日本国内に絞っても、グローバルメーカーの品質不正や政治家の政治献金に関する話題は尽きません。
このように、ガバナンスを逸脱した危機の1つが顕在化するだけで、経営の命取りになり得るのがこれからではないかと考えます。たった1つの危機が経営を危険にさらします。
ですから、経営の継続性に対して、人事がコーポレートガバナンスと危機管理にラストマンシップ、リーダーシップを取ることが経営戦略上、あるいは経営者の皮膚感覚としても重要課題だと考えます。

話は転じますが、わたしたち人事部門からの警鐘に対して、幾人かの事業責任者の人たちは、「耳が痛いながら、自分たちだけでは気づけない」と声をかけてくれました。
この抑止力を働かせる俯瞰的な示唆に対して、「自分たちだけで決めたら、自組織の都合で動いてしまう」との正直なホンネを吐露してくれました。
それは当然だと思います。自身がライン組織を持っていたら、多かれ少なかれ自組織優先の視野狭窄は必然的に起こります。
そのことを前提に、側近に俯瞰的にモノを言ってくれる人を確保できるか、ある意味の他人事感をもった第三者視点で見ている人を確保できるか、です。ガバナンス経営、継続性の観点からも、その存在が担う責任は大きいと考えます。
自組織にデビルズアドボケイド役を置けるか。健全な問いを投げる存在を置けるか。
経営・事業の継続性から、コーポレートガバナンスと危機管理に、人事部門が鋭敏になることと考えます。

さてみなさんの会社のガバナンスや危機管理はいかがですか。
それでは、また。

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