見出し画像

#241 「◯◯率が低いから高める」課題設定は問題解決にならない 24/9/11

こんにちは。
今日は問題解決の思考を考えます。

(実例を基に編集しています)
先日、採用チームメンバーAさんと、毎月の採用活動結果を採用オーダーの事業部門に行うために、報告書を作成する過程をともにしました。その時に引っ掛かりを覚えたことがあり、考えるに至ります。

Aさん
「○○部門の選考プロセス上の課題は、2次面接の通過率が低い点です。対策として、通過率を上げます」
「△△部門の課題は、母集団形成です。応募数が少ないです。応募を増やす対策をします」

Aさんはこのような報告を考え、報告書にも記述しています。
問題解決に関する教科書的な勉強を一度でもしたことのある方は、すぐにこの説明に違和感を覚えるのではないでしょうか。

それは、解決策が課題の単純な表裏(おもてうら)である点です。わたしなりに言えば、コインの表裏です。

「低いから、上げます」「少ないから、増やします」
違う事例でたとえれば、「太ったので、ダイエットします」といった具合です。

実は、こうした問題解決の思考をする人は少なくありません。

もう1つが、通過率が低い、は何らかの因果によって起きている現象・事象に過ぎません。ですから、問題にはなりません。

問題とは、ありたい状態と現状のギャップです。仮に通過率80%がありたい状態、現状が45%だったとします。数字的なギャップは35ポイントです。もちろんそのギャップ35%の数字自体が問題ではありません。35ポイントの差を生んでいる原因や事実の中から、「何を問題とするか」が問題を定義することです。

たとえば、2次面接の合格基準を定めているが、それとは異なる基準で合否判断がなされていた。それがたとえば、コミュニケーション力だったとします。不合格の半分の件数がこれが理由だとわかりました。さらに掘り下げると、質問に適切に応えられるか、が合否判断に大きな影響を与えていることまでわかりました。この段階まで掘り下げて、このことを問題と定義することができます。

そして、それを解消していく打ち手が課題設定、課題解決のネクストアクションと進みます。たとえば、合否基準をあらためて2次面接官と確認し認識を見直す。そして、しばらくの間は面接後の合否とその判断理由をリクルーターが確認を行ない基準が逸れていないか、品質を保つ。こうしたことが課題解決策に該当していきます。

上の例は、きわめて単純化したサンプルですから、実際の問題解決はもう少し複雑です。そのため、一足飛びに問題が定義できたり、その次の課題アクション(打ち手)に進むには、それなりの考察と洞察を要します。

それでも、低いから上げる、低いから下げる、少ないから増やす、のコインの表裏思考の問題解決でよいとはなりません。

ですから、丁寧に、ありたい状態と現在を事実や5W1Hで押さえる。その次にギャップを洗い出し、どれを問題とするか定義する。そしてそのギャップを埋める解決策を打ち手として練りだします。この基礎を怠らずに思考し、整理し、問題解決力を向上させていきたいものです。

さて、みなさんは、問題解決をする際、どんな思考を巡らしていますか。
それでは、また。

いいなと思ったら応援しよう!