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#252 人事は、自社事業と社会課題の接点を持続可能性に見出す 24/10/7

こんにちは。
中期経営計画を考えるフェーズで考えたことを振り返ってみます。

(実例を基に編集しています)
まず、わたし個人としては中計の時間をかけることに、中計廃止論、オーバープランニングなど批判的な意見に同意するポジションです。もう少し言えば、中計は3年~5年のスパンで考えることが多いです。

が、ロングで思考するには時間軸が短いのではないか、と考えます。他方、3~5年であろうと20年など長期であろうと、そもそもに環境の変化が起こることが前提です。そうであれば、3~5年でプランしても自社は大きな変化が起こせない、環境が変われば適応は必然ですから、そのスパンの計画は意味的になりにくいと考えます。

同じプランするならば、変化は前提に、20年~30年のロングスパンの時間軸を取れば、思考の制約が取り除きやすく、企業・事業としての変化を展望しやすい、と考えます。

さて、その前提をおきつつ、次の5年でどんな事業を経営していくか、とプランニングが始まります。議論の初期は、割と抽象度の高い空中戦が多くなります。その中で、主たるテーマを何にするか、をディスカッションしている際に、違和感を覚えて発言したことを思い出します。

自社が事業を展開している市場の変化、テクノロジーの活用、未開・新興のマーケットへの注力、これらを主テーマとして議論が進んでいきます。これらの主テーマに対応していくことで、獲得したい組織のケイパビリティ、その組織を構成する従業員個々のスキルやアビリティに分解されていきます。

市場の変化については、その業界や事業ドメインにおける専門的知見≒業務知識の習熟が求められます。あるいは、今のサービス提供の方法論が新たに替わるor追加される(たとえばSaaS型プロダクトでの提供)が考えられます。

テクノロジーは文字通りで、その時々のトレンド技術、あるいは生成AIの利活用は程度の差はあれ必須かもしれません。未開・新興・マーケットではバリューチェーンの設計やそこでのワークプロセスかもしれません。

ここで違和感を覚えました。当然、上記に挙げられるような獲得が必要かつ獲得してほしい知見やスキルであることには同意です。しかし、3つのテーマから得られること、すなわち学習することは、いずれもスキル的なことしかありません。加えて3つをバランスよく獲得することはそもそも難しいですから、再現性の獲得が困難だと考えます。

一方、近年、世界的な標準として経営の前提になっていることがいくつかあります。SDG’sに集約される持続可能性、環境破壊、人権意識、貧困・貧富の差、などです。これらのリテラシーは、ビジネスパーソン、組織ケイパビリティに確保する視点を欠くことができません。ですが、上記のとおり視点が抜けていました。そのことをわたしは指摘し、テーマの1つに、組み入れてはどうか、と提案しました。

なぜそうなってしまうのか、です。
おそらくは、財務目標起点かつ基点に偏った中期経営計画策定になっているからです。そうなると、戦略やMVVも短期的目線、かつ現所を是とした積み上げ型のフォーキャスティング思考になってしまいがちです。それは冒頭のほうで触れた、3~5年の時間軸の短さも影響しています。現状からの連続的な成長でみてしまい、できそうなフォーキャスティングで考えるインセンティブが働いてしまします。ですから、それができない長期スパンでつくるほうが積み上げ算では策定になりませんし、取り組む事業課題も現状の延長線となり、面白さを制約してしまいかねません。

そしてその長期の時間軸を取れば、20年後も変わらないものは何か、と考え、たとえば持続可能の考え方は変わらないだろうな、など新しいテーマ、リテラシー獲得の発想が生まれます。

さて、みなさんは、思考の制約にぶつかった時にどのような解除方法をとりいていますか。
それでは、また。

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