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#278 アート「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」展@銀座メゾンエルメス 24/12/9

こんにちは。
今日は、先日鑑賞した内藤礼さんの「生まれておいで 生きておいで」@東京国立博物館、の一連の流れを汲んだ、銀座メゾンエルメスを鑑賞した感想を共有します。

本企画展自体は、エルメス財団がスポンサードして開催されていました。9月23日までは、東京国立博物館で開催されていました。少しだけ開催期間を重ねる形で、銀座にあるメゾンエルメスでも、この流れを汲んだ同名企画展が催されていました。

https://note.com/racco610/n/n55c0d13e5f57

展示内容は、本展でなされていたコンセプトを踏襲し、かつメゾンエルメスでの開催ですから、そのファッション・ライフスタイルの色を付けくわえた形の展示だったように感じます。

さほど大きくはないスペースながら、陽の光がすりガラス越しに差し込む近代的なビルの2フロアに、上野で展示されていた表現をコンパクトにぎゅっと凝縮したような、ダイジェストを見ているような印象を持ちました。

ダイジェストと言っても、それだけだと面白みに欠けますから、メゾンエルメスで実施する意味を展示に含めれていたように感じます。雑誌なのか、ルックブックなのか、1ページごと切り取り、たとえばくしゃくしゃに丸めたような造作を加えて、そのページに似た小さな絵画、デザインデッサンのような作品が何か所もに展示されています。

国立博物館の壁面に、10枚ずつ程度が数か所に展示されていた、ぼやっとした色彩、命が生まれて、生きて、尽きるまでの衝動やその時間の流れをモチーフにした作品と似せたインスタレーションで見せてくれていました。ただしながら、内藤さんの絵自体は、ファッションページのすてきなトーンにあわせて、明るいはっきりとしたテキスタイルのようなデザインで素敵でした。

かわいいなと感じたのは、木で彫られた人をモチーフにした人形です。どうやら内藤さんの作品の特徴の1つのようですが、たしか国立博物館の展示にはなかったように記憶しています。これが、例の鏡や小枝とセットで展示されたりしていて、「生まれておいで 生きておいで」のコンセプトの荘厳さとはまた良い意味で異なり、ほっこりとさせてくれる作品とそのインスタレーションがすてきでした。写真撮影ができないのが本当に残念。

さて、東京国立博物館の展示を引き継いで、の展示でした。これは、過去、現在、未来の時間軸、あるいは、地上、宇宙、神のいる世界、あの世など空間軸を小さな展示空間にコンパクトに配されていました。現実にはこれらが同時に会することはありません。それでも、その幻想的な、非現実的な風景を想像させる展示は、あの記憶を呼び覚ましてくれました。

内藤礼さんの作品、大いに楽しめた、メゾンエルメス銀座での展示でした。

それでは、また。

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